2025/10/05 -愛知・刈谷あいおいホール(二部)- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【フライ級4回戦】
鶴田 舜弥(トコナメ) vs 奥田 廉(岐阜ヨコゼキ)
勝者:鶴田
4R判定 3-0(40-35、39-36、38-37)
序盤からお互いに前へと進み、全力で拳を振り合う戦い。
2Rには鶴田の右フックがカウンターで刺さってのダウン。
大砲を振り合い、くっつけば押し合いながらボディを削る二人。
拮抗したラウンドが続く中、お互い後ろに下がる意思はなし。
前に出続けた二人の死闘は判定決着となった。
デビュー戦ではあっという間に試合を終えてしまった鶴田。
この日、やっと鶴田のボクシングを見れたように思う。
まっすぐに相手に立ち向かっていくボクシング。
見事なダウンシーンも演じての初勝利。
点差は開いたが、拮抗した内容を勝ち切ったようにも思える。
この試合を踏まえての今後が楽しみに思えた。
密着した場面でのアッパーが冴えた奥田。
拮抗した分、ダウンで与えた印象も大きかったか、結果的には点差が開いた。
敗戦の結果を聞いて、鶴田の腰をポンっと叩いて引き上げていく姿が戦った男を感じさせた。
30歳を越えてのデビュー戦、余韻の残るいい試合を演じてくれた。
鶴田 舜弥 2戦1勝1敗
奥田 廉 1戦1敗
【ライト級6回戦】
加藤 頼(名古屋大橋) vs 中里 雄大(中日)
勝者:中里
4RTKO
序盤から幾度も突き刺さる右ストレート。
ジャブを突いてヒットの数では上回る加藤だが、ビッグヒットでは中里が上回る。
加藤の撃ち出しに踏み込んでそのパンチを潰してしまう中里。
3Rに入ると、中里が加藤を追い込んでいく。
4Rには一瞬のスキをついて右ストレート。
さらには
この日のメインイベントは堂々、中里が主役となった。
中里が中里としてこれ以上ない勝ち方をした。
加藤はその引き立て役に転じてしまった。
勝負事である以上、仕方のないこと。
この負けを、悔しさを全身で受け止めてほしいと感じる。
晴らす手段は「強くなる」以外にないはずだ。
逆に言えば、強くなりさえすれば、多くのことが解決する。
そのシンプルさもボクシングの魅力だ。
B級戦線に乗り込んだ初戦は苦いものとなった。
ここを踏まえて、進化していく加藤を待っていたいと思う。
「魔法の右ストレート」が火を噴いた中里。
二度中日本新人王を獲得するも30代中盤の参戦、若くきらびやかなホープたちばかり注目された。
この試合も、スタイルも綺麗で、センスも感じさせる若い選手が相手。
僕自身、戦前から中里を下馬評不利、Bサイドと言って来た。
勝利の歓喜の中、中里が初めて刈谷の主役に躍り出た。
そしてその興奮冷めやらぬ試合後、僕とのすれ違いざまに
「せきちゃん!下馬評不利上等なんで!俺、強いんで!」と中指を立てて吠えた中里。
自分の予想をボクサーがその拳で覆す、それこそ最高の瞬間だと思っている。
二つの拳さえあれば、人生を変えることも、栄光を掴むこともできる。
そして、僕のような糞マニアをねじ伏せることも。
最高にしびれた。
やりやがった中里。
カッコよすぎる。
加藤 頼 6戦4勝(1KO)3敗
中里 雄大 8戦5勝(1KO)3敗
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