2024/8/12 -愛知・名古屋国際会議場 – 第1試合～第3試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

【ライトフライ級4回戦】
岡田駿也(西遠)　vs　高橋昭麿(ARITOMI)

サウスポー同士の対決。
岡田がサイドに周りなら右フックを引っ掛けて周る立ち上がり。
右フックを強烈なカウンターでヒットさせてラウンドが終了。

2Rは体での押し合いの展開、前の手の捻じ込み合いとなる。
右フックで顔面を弾く岡田、ボディを叩く高橋。
距離が潰れた展開の中で、両者とも窮屈そうにパンチを振るう中、
綺麗なヒットは岡田、数では高橋か…。

3Rも押し合いの中、僅かに距離ができたタイミングでコンビネーションを叩き込む岡田。
距離を潰しにかかる高橋…密着した場面で綺麗ではなくともナックルをヒットさせていく。

これまで、密着戦を仕掛けていた高橋だったが、
ミドルレンジで手数を多く出して撃ち合い始めると次々とヒットを奪っていく。
消耗したか、岡田なかなか手が出ないか…
そう思えたところで、コンビネーションで襲い掛かって逆襲する岡田。
高橋はまた距離を潰して岡田の攻め手を防ぐ。

最後は両者初勝利を目指して熾烈に撃ち合い、試合終了のゴング。

マイジャッジは40-36で岡田

公式ジャッジ
39-37 岡田
38-38×2　ドロー

岡田から見て1-0　ドロー

各ラウンドハッキリとした差はつかないラウンドが並んだ。
印象的なクリーンヒットに重きを置いたマイジャッジは岡田フルマークとなったが、
がむしゃらに詰めてヒットを奪った高橋が、ドローをもぎ取ったように感じた。
岡田に思うように戦わせなかった高橋の戦略も功を奏したように思う。

両者とも初勝利は持ち越しに。
あと一歩だった試合、プロで戦えることははっきりと示したように思う。

まだまだスタイル自体が固まり切っているとは言えない二人。
この試合を踏まえてどういったシルエットのボクサーになっていくか。
遠回りすればするほど、そのボクサーの味わいは深くなる。

この試合を伏線に、歓喜の瞬間が訪れることを願っている。

岡田駿也　3戦2敗1分
高橋昭麿　4戦3敗1分

いきなり前の手のフックを振っていった久松。
古川も力強いパンチで応酬し、スリリングな幕開け。
積極的に手を出す久松の攻撃を古川が鼻先で躱し、強打を叩き込むシーンでは会場にどよめきが。
それでも久松は手数はやまず、時折痛烈な被弾を喰う古川。

2R、ジリジリと前に出ながら手を出す久松に対し、
上半身柔らかくそのパンチを躱す古川だが、なかなか手は出ない。
古川がダッキングしたところに久松のアッパーが刺さる場面も。
ラウンド中盤あたりから、久松の左ボディが目立つ。
古川の右に合わせた、久松の右が炸裂してラウンドが終了。

3R、前に出る古川だが、古川の手が出る前に久松の手が出て来る。
時折襲う古川のパンチは威力充分だが、テンポよく出て来る久松の手数がそれを凌駕。
ボディが効いたか、古川の運動量は落ち、柔らかく動いていた上半身も、
お辞儀をするようなダッキング一辺倒に。

4R、前に出て思い切り振るう古川、一発で試合を終わらせかねない威力を感じるが、
久松は恐れず攻めて行き…離れ際に左フックを刺し、スペースができればジャブで弾く。
一旦落ちた古川の運動量は戻らず…試合終了のゴング。

マイジャッジ　40-36　久松

公式ジャッジ
40-36　久松
39-37×2　久松

3-0　久松

ポテンシャルで言えば、古川には久松の何倍もの持ち合わせがあると感じる。
ただ、この試合を制したのは久松だった。
才能や生まれ持ったものだけで強さは決まらない。

幼少からの積み重ねに胡坐をかいたアマエリートが
叩き上げに簡単に追い越されていく様もボクシングのあるあるだ。

才能や蓄積を持ち合わせた上で努力する人間には、努力だけではかなわないもの。
ただし、走り続けていなければ、努力は簡単にそういった前提のものを覆す。
久松が頑張った、様々な要素の中で「頑張ること」の偉大さを示した試合。

これで2つの負け越しがついた古川だが、
本来、こんな戦績になる選手ではないボクサーだと思っている。
ボディが効いたか、コンディションを作り損ねたか、
後半失速してしまった試合は過去にも演じたもの。

長く続く伸び悩みのトンネルの時期。
ここを乗り越えれば、一気に花開く可能性は持ち合わせている。
野性味あふれる古川の復活を期待していたいと思う。

久松大輝　4戦3勝(1KO)1敗
古川修誠　6戦2勝(1KO)3敗1分

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