2025/10/05 -愛知・刈谷あいおいホール(二部)- 第4試合~第7試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【バンタム級4回戦】
松原 靖貴(トコナメ) vs 片桐 頌斗(中日)
勝者:松原
1RTKO
出だしから足を使い長くのびるジャブを突き刺していく松原。
対して片桐はもらいながらも突進し、強引に詰めてヒットを奪う。
ジャブを出しながら、松原を追いかけまわす片桐だったが…
そのジャブに松原がクロスをかぶせて渾身の一撃。
リングに沈んだ片桐は立ち上がろうとするものの足元おぼつかず。
レフリーが試合をストップさせた。
これまで面白い試合は積み上げてきた松原だったが勝利には届かなかった。
ここまで粘り強く戦い続けて、6戦目での初勝利。
これまでがむしゃらに撃ち合う姿で、面白い試合を創り上げて来た松原だったが、
この日見せたのは驚くほど伸びるジャブに、スピードあるフットワーク。
そして勝利を掴んだ切れ味鋭いカウンター。
まるで別人のような変身を遂げての初勝利となった。
一度は心折れての引退も考えた松原。
戻ってきてくれて本当に良かった。
そして、この松原なら…もっと勝負できる、そんな期待も抱かせてくれた。
元々は突っ込んで撃ち合うことばかりだった片桐。
恐怖心を微塵も感じさせない狂人のような攻めが特徴的だった。
しかし、なかなか勝利に届かない中、ジャブから組み立てるスタイルチェンジも見せた。
この日は、強引に詰める姿に狂人としての片鱗をみせながら、
追いかけながら撃ち込むジャブにはこれまで以上の鋭さを感じた。
現在大変身の途中、先に松原に変身されたことがこの結果になった。
いずれ片桐にもその時が訪れ、実を結ぶはず。
勝ち名乗りを受ける松原を見て、強くそう思えた。
松原 靖貴 6戦1勝(1KO)4敗1分
片桐 頌斗 9戦1勝(1KO)7敗1分
【スーパーフェザー級4回戦】
三上 卓也(鈴鹿ニイミ) vs 篠田 健斗(岐阜ヨコゼキ)
勝者:三上
4R判定 3-0(39-37、39-37、40-36)
しつこくしつこく詰めていく篠田に対し、ワンツーを突き立てる三上。
小気味よく撃ち込み続ける三上が圧倒した前半。
打開策が見えない中、しつこくしつこく篠田のトライが続く。
後半に入ると、徐々に徐々に篠田が潜り込み始める。
勝負所はロングレンジから至近距離へ。
三上が普段見せない左フックで捉える場面も。
しつこくしつこく攻め続けることで、
八方ふさがりだった展開を切り開きかけた篠田だったが、それでも崩しきるには至らず。
三上が消耗しつくすように出し切って篠田をはじき返した。
主武器はワンツーだが、篠田が入り込んだ場面にはショートの左フックも撃ち込んだ。
ロングレンジ以外での戦いでも、ファイトを挑んでくる篠田と互角以上に戦った。
三上が強さをはっきりと示した初勝利。
そして、篠田はまさに愚直に攻め続けた。
何かを変えるわけではなく、ただただ貫いて、相手を削った。
トライしてもトライしても届かないじれったい展開だったが、
その先にある展開を信じて突き進んだ。
強さを示した三上、胸を熱くさせた篠田。
素晴らしい試合だった。
三上 卓也 3戦1勝2分
篠田 健斗 4戦1勝3敗
【62.0kg契約4回戦】
林 利亮(緑) vs 辻 翔太(とよはし)
勝者:辻
3RTKO
詰めていくつか撃ち込んではスッとは慣れてリターンを外す辻。
至近距離では林の高く上げたガードの脇からなぎ倒すように左右フックを叩きつける。
2Rには林が右を打ち下ろし、辻が後退したところに攻め込んだが
辻が強烈なカウンターで捉え返す。
立て続けに辻の強打が刺さる中、林は効いた素振りを見せることなく戦い続ける。
しかし3R、右を振り抜いた林に、辻の右アッパーが突き刺さり林が足元を揺らす。
一撃で沈んでおかしくない炸裂っぷりだったが、それでも耐える林。
ロープを背負わせて攻め立てる辻、豪打を何度も炸裂させてようやくリングに沈む林。
立ち上がったが足元おぼつかずTKOとなった。
豪快すぎるほどにフルスイングでKOを演出した辻だったが、
攻めては丁寧にリターンを外し、しっかりと見極めて戦っていたようにも見えた。
ディフェンスあっての攻撃力、2戦目にしてその強さを刈谷に叩きつけた。
異常なまでのタフネスを見せた林。
この試合では辻の強打に沈んだが、
撃たれ強さを武器に前に出てくればやっかいな選手だと感じた。
この日の興行にも出場している桑瀬 豪輝(名古屋大橋)との試合が見てみたいとも思えた。
この強靭な男を、桑瀬が止められるのか…
見たいカードが浮かぶことこそ好選手の証。
この負けに心折らずに、次へと挑んでいってほしい。
林 利亮 1戦1敗
辻 翔太 2戦2勝(1KO)
【スーパーフライ級4回戦】
横山 鋭人(緑) vs 鈴木 尚也(蟹江)
勝者:鈴木
4R判定 3-0(38-36、38-36、39-35)
試合開始早々、右ストレートからの左フックでダウンを奪った鈴木。
その後の猛攻をなんとかいなした横山だったが、
追いかけての右ストレートで2度目のダウン。
続行されるものの、その後は何度もレフリーが止めに入りかけるアクション。
ギリギリのところで反撃して、その機会を削ぐ横山。
なんとか1Rを生き残って次のラウンドへ。
2Rからは横山が前に出て攻め込んでいく。
試合は激しい打撃戦へと発展。
二人は撃ち合いながら試合終了のゴングを聞いた。
1Rに2度のダウンを奪いながら、その後を盛り返した横山。
ダウン時の落ち着いた対処と言い、慌てずにするべきことをしていった印象。
絶体絶命のピンチから残る3つのラウンドのうち2つをとっている。
それも攻撃力のある鈴木を相手に撃ち合いを挑んで…である。
戦況の見極めと落ち着きに非凡なものを感じさせてくれる選手。
初の敗戦とはなったものの、負けてなおその期待値を高めたようにも思えた。
初勝利の時に続いて、攻め込んだ場面での強さを感じさせた鈴木。
力のある選手2人を相手に飾った二つの白星。
自信にして先へ進んでほしいと感じた。
横山 鋭人 2戦1勝(1KO)1敗
鈴木 尚也 4戦2勝(1KO)2敗
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