2025/11/28 -東京・後楽園ホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/11/28 -東京・後楽園ホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【ライト級4回戦】
川島 丈(フラッシュ赤羽) vs 今井 優介(大翔)

踏み込むタイミングを測りながらジリジリと詰める今井に、
わずかにパンチが届かない距離を維持しながら、
狙いすましたようなタイミングで強打を叩きつけるサウスポーの川島。

駆け引きが続く中、川島が右強打で捉える場面が目立つ。
2R終了間際、詰めるとガチャガチャと襲い掛かる今井。
川島は被弾しながらも、左右フックで強烈に捉えて止める。

3R開始直後には川島がワンツーを突き刺して、今井の腰が落ちる。
強引に今井が詰めてくる場面でも、下がりながら捉える川島。
今井側から見れば押し込み切ることができないじれったい展開。

最終ラウンドも、川島が距離を維持。
倒すしかない展開に強打を狙ってか、攻めあぐねるようにも見える今井。
ラスト30秒は出ていくが、川島がいなしながら強打を叩きつけて試合終了。

マイジャッジ 40-36 川島

公式ジャッジ 40-36×4 川島

体の距離は近くとも、サウスポーに構える川島に遠さを感じているような戦いぶりだった今井。
詰めて手数を出しても、狙っていっても届かずといった状況に陥った。
ただ崩すことはなくとも、4Rの中での試みはその力を蓄える時間にはなったはずだ。
たった1戦の経験値が、先々利くことも大いにある。
今井のこの先の物語に、この試合がどう効いてくるのか、見ていきたい気持ちに駆られた。

対して完全に距離を支配した川島。
フルマークの結果もさながら、危なげなく主導権を渡さない完封劇に
その強さをしっかりと感じさせてくれた試合に思える。

B級昇格まであと1勝、来年の新人王に出てくる可能性もある。
未だ土つかずのこの選手がどこまで強いのか。
注目したい選手に思えた。

川島 丈 3戦3勝(2KO)
今井 優介 2戦2敗

 

【女子47.2kg契約4回戦】
峰 雪八(レパード玉熊) vs 中尾 都(伴流)

大きく大きく足を使う峰に対して、追いかけていく中野。
詰めた場面では迎え撃つ峰のパンチをかいくぐって連打で攻める。
詰めきるところまではいかず、追いかける時間が長い展開。

2Rに入ると、中尾が連打で攻め立てる時間が増えていく。
しっかり峰のパンチを外しながら入っていきパンチをまとめていく。
峰がクリンチで流れを切っても、中尾のしつこいトライが続いていく。

3R、中尾が撃ち合いに巻き込んでいく場面が目立つ。
峰も応戦するが、しっかりと頭を振りながら拳を撃ち込んでいく中尾。
ファイターとしての動きではっきりと峰を上回り、
回転でも力強さでも中尾が上回る。

4R開始早々から押し込んで強打をまとめた中尾。
回転よく繰り出す中尾に被弾が重なった峰をレフリーが救出。

TKOタイムは 4R 19秒

足を使って長いパンチで遠ざける、峰のプランを
中野が丁寧に頭を振って崩したように思えた。
何度も何度も潜り込まれ、撃ち合いに応じてみても、そこは中野の土俵。
思い描いたイメージとかけ離れた試合だったように思う。

中尾の方はとにかくしつこく詰めてTKOをもぎ取った形だが、
峰の迎え撃つパンチを外し続けたことが大きかったようにも思う。
優位に立った局面でも雑にならず丁寧に丁寧に築いた見事な初勝利と思えた。

峰 雪八 2戦2敗
中尾 都 2戦1勝(1KO)1敗

 

【スーパーフェザー級4回戦】
高橋 泰征(本多) vs 橋爪 翼(一力)

サウスポーの高橋と、オーソドックスの橋爪。
奥の手大砲の狙い合いの中、高橋が左ストレートを上下に撃ち分け優勢か。

2Rに入ると両者撃ち終わりを捉え合う。
橋爪が入って来る高橋をショートで捉える場面が目立つ。
1Rはロングレンジでの勝負だったが、
長い距離は高橋、近い距離は橋爪へと変化していく。

3R、圧を強めて出た高橋。撃ち合いでは回転よく橋爪を上回って見せる。
入ってくるところを強烈に捉える橋爪だが、高橋は止まらず。
撃ち合いの頻度がグッと増えていく。

4R、入り際、撃ち終わりを強烈に捉える橋爪だが、
それでもグイグイ入り込んでくる高橋。
もらいながら入り込む高橋も凄まじいが、
飲み込まれず、拳を叩きこんで捕まらない橋爪も凄まじい。

試合は一進一退のまま終了のゴング。

マイジャッジ
38-38 ドロー

38-38×1
39-37×2 橋爪

勝者 2-0 橋爪

勝負どころの距離がラウンドごとに変わっていった試合。
スリリングさは失われず、常にあわやの中で判定までもつれ込んだ。
強打が飛び交った熱く面白い試合の中に、
積み上げた戦歴を感じさせる展開の分厚さもあった。
二人のが創り上げた試合が大きな満足感を感じさせてくれた。
面白い試合を見た。

高橋 泰征 8戦4勝(2KO)3敗1分
橋爪 翼 6戦4勝2敗

 

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