2024/3/31 -愛知・刈谷あいおいホール- 第4試合~第6試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/3/31 -愛知・刈谷あいおいホール- 第4試合~第6試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

■2024年度中日本ライト級新人王準々決勝
【ライト級4回戦】
田中 友介(西遠) vs 浦野 一希(浜松堀内)

この試合もデビュー戦と同じくテンポよくスタートした田中。
好戦的ながら、しっかりと相手のパンチも外し、早めのリズムを刻んで行く。
まだラウンド序盤、左フックの相撃ちから右ストレートを突き刺し痛烈なダウン。

立ち上がった浦野に対し、一気に責め立てる田中。
抵抗し、手を返すパンチには威力があるように見える。

粘る浦野をリング中央で右ボディから押しつぶすようにダウンを奪うと、
立ち上がった浦野をコーナーに追い込んで3度目のダウンを追加。
レフリーはここで試合をストップ。

TKOタイムは1R 2分26秒

攻め過ぎれば、反撃で逆転の一撃を喰う可能性もある、
仕留めそこなえば後半ガス欠の可能性もあるが…
そのリスクをしっかりと背負ったうえで、勝負所として攻めていった田中。

相手が何か事を起こす前にしっかりと仕留め切った。
左フックが交錯し、相手の動きが止まった瞬間に撃ち抜いた右ストレートは
デビュー戦でも見せたテンポの早さが効いた攻防だったように思える。
しっかりと特色を発揮してのKO劇は見事だった。

浦野は固いまま飲み込まれてしまったデビュー戦。
こういった形はデビュー戦にはよくある形。
見返せるのは次に挑んだ選手だけ。

浦野がどんなボクサーか、次の試合でしっかりと魅せて欲しいと感じる。

田中 友介 2戦2勝(2KO)
浦野 一希 1戦1敗

 

【バンタム級4回戦】
冨田 遼平(天熊丸木) vs 小川 昂輝(駿河男児)

ファイター小川が粘着質に詰めていく。
相手のパンチを外しながら追いかけまわしていく。
強打の冨田が強烈なショートで捉える場面も作るが怯むことなく前進。

押し込まれ気味だった冨田だったが、1R終盤、
一発効かせると熾烈な撃ち合いとなる場面も。

スタンスを大きく取って詰めながら、手数で攻め立てる小川。
入るところに冨田の強打が刺さるがそのまま詰めて手数手数。
2R中盤にはバランスを崩したように冨田がリングに転ぶが
しっかりとナックルがヒットしてのもの、レフリーはダウンを宣告。

立ち上がったあとも展開は変わらず、攻める小川も消耗しそう。
受ける冨田も消耗しそう…冨田の手数が減れば、一気に小川が襲い掛かる。

馬力勝負の様相を呈してきた試合、冨田の手数が減ったように思えるが
小川のスタンスも狭くなりバランスを崩し気味に。
頭を付けての撃ち合いとなっていく中、
小川の強烈なボディに冨田がいったん距離を取る場面も。

4R、まくしたてるように攻め立てる小川。
ガードを固めてコーナーに詰まったところ、いずれかのパンチが効いたか、
全く手が出ず、ロープ伝いにニュートラルコーナーまで移動するのが精一杯。
撃たれ続ける冨田にレフリーは試合終了を宣告した。

TKOタイムは 4R 36秒

小川が多量のスタミナをハイテンポでぶち込み続け、冨田が力尽きた。
圧倒的手数で攻め込んだ小川だったが、冨田の鋭利なパンチも効いていたはず。
粘着質な戦いは、現在A級で活躍する干場 悟(蟹江)の4回戦時代を彷彿とさせる。

誰がやっても嫌な選手と思える小川。
冨田だったからこそ、効かせる場面も作り、簡単には飲み込まれなかった。
逆に言えば冨田でさえ飲み込んでしまう…

ぶきっちょにも見えるが実は質のいいファイター。
それをはっきりと示した戦いに見えた。

これで準決勝進出、この日、第2試合で勝利した林田 翔麗(三河)と対戦予定だ。

冨田 遼平 2戦1勝(1KO)1敗
小川 昂輝 3戦3勝(2KO)

 

【ウェルター級6回戦】
須賀 大地(オークラ) vs 松岡 蓮(浜松堀内)

右フックから入って左フックを叩きつけるなど
序盤から変則的な動き、タイミングをみせる須賀。

松岡も強烈に右を返す場面を作り、
特殊なタイミングを測ってか、手数としては少ない展開となる。
ラスト30秒は松岡が攻めて1R終了。

2Rに入ると須賀のペース、手数が上がっていく。
右から、左から飛び込んで撃ち込んで来る須賀。
須賀が飛び込んだ撃ち終わりにパンチを突き刺す松岡。
ラウンド中盤にはコンビネーションをまとめる場面も作る。

3R、強烈な左ボディから左フック、左アッパーと右フックを交互に叩き付けるなど
松岡を襲っていくが、松岡も要所でコンビネーションを叩きつける。
須賀がリングを大きく回りながら、不意を突いて飛び込んでの攻撃。
須賀の方から入る場面が多い分、須賀の方がジャッジへの印象がいい可能性もある。

4R、変則的なヒットアンドアウェイ。
カウンターを浴びても反撃を入れて離れていく。
須賀がノッてきたように思えたが、ラウンド後半になると
松岡が距離を詰めてコンビネーションで捉える。
飛び込む場面が多い分、須賀の方が好戦的に見えるが、ヒット数では松岡が勝るか。

5R、一発当てれば後続までつなげていく松岡。
至近距離での攻防ははっきりと上回り始める。
しかし、しっかりと足を使ってその場面をなかなか作らせない須賀。

6R、これまで以上に松岡が圧を強めて前に出て行く。
コンビネーションで捉えながら、須賀の反撃にもお構いなしに攻めていく。
須賀も足を使いながら右ストレートで松岡の顔面を跳ね上げて後退させるなど
松岡のやりたいようにはさせず。

明確な主導権はどちらにも渡り切らずに試合終了。

マイジャッジ 58-56 松岡

公式ジャッジ
57-57 ドロー
58-56×2 須賀

2-0 勝者は須賀

前回二人がぶつかった全日本新人王決勝と同じく、どちらに転んでもおかしくない試合。
マイジャッジは松岡だったが、松岡の手数の少なさが響いたか。
ジャッジ席に座る人物によっては勝敗が入れ替わった可能性もある。
その時の運まで含めての勝敗、運が絡まないスポーツはない。

松岡は敗れはしたものの、負け越し戦績でありながら、
ランカーに匹敵する実力を証明してみせた。
A級昇格まであと2勝…選手数の少ないB級戦線をどう乗り切るか。
中日本で最も濃厚なドラマを築き上げて来た選手の一人。
これからの道のりも、きっと大きなドラマを見せてくれると思っている。
この試合を伏線にして欲しい。

撃ち込んで行く場面でこそまとめることができたが、
変則的なタイミングを掴むためか、見てしまう時間が長くなったことも事実。
その展開を引き起こしたのは須賀であり、須賀のボクシングにハマってしまったともいえる。
須賀が試合巧者であることをまざまざと刈谷のリングで見せつけた。

また刈谷のリングに来て欲しい。
天熊丸木 凌介(天熊丸木)能嶋 宏弥(薬師寺)、タイトルに絡める実力者が近い階級にいる。
力を試すとして、須賀にとっても悪い話ではないようにも思える。

何より可愛がっている若いボクサーの敗戦を見つめる
天熊丸木の目がそれを望んでいるようにも見えた。
そして、彼の以下にも性格の悪そうなジャブと、
須賀のおかしなタイミングのぶつかり合いは
旨味成分たっぷりな試合になるようにも思えている。

須賀 大地 5戦5勝(1KO)
松岡 蓮 13戦5勝(5KO)7敗1分

 

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