2018/5/20 -ふじさんめっせ-6試合目~8試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/5/20 -ふじさんめっせ-6試合目~8試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【スーパーフライ級4回戦】
村地 翼(駿河男児) vs 福田 瞬(結花)

・村地 翼 デビュー戦
・福田 瞬 3戦1勝(1KO)1敗
 
 

名門東洋大で1部リーグのリングで戦った村地がデビュー。
一回り体の小さな村地。

オープニングはお互いジャブで捉え合ったが…。
しばらく様子見の緊張感が漂った後、一気に村地が攻めていく。
コーナー付近まで追い込み左アッパーを効かせると、その場を逃れた福田を追いかけ
右ストレートを撃ち込んでダウンを奪取。
 

立ち上がった福田だったが、レフリーが目を確認し、そのまま10カウントを数え上げた。
 
 

KOタイムは1R 1:32
 

フレーム差をものともしない圧倒的な戦いぶりに村地の全貌は見えぬまま。
相手セコンドも笑顔を見せてしまうほど強かった。
福田の力もまた、はっきり確認できず。

村地は来年の新人王戦にエントリーしてくるのだろうか…。
エントリー時点で優勝候補の一角となることは間違いないと思えるが、
アマチュアで15勝している為、B級プロテストを受けて4勝に満たずに6回戦へ上がる道もある。

さてさて、この先この選手、どうなっていくのだろうか…。
 
 

 

【61.7㎏契約8回戦】
瀧 倫至(駿河男児) vs 小林 和優(RK蒲田)

・瀧 倫至 13戦6勝(1KO)6敗1分 サウスポー
・小林 和優 17戦9勝(5KO)7敗1分 日本ライト級13位
 

1R、ロープを背に大きくリングを周って様子を見る小林。
サウスポーの瀧に向かって右ストレートを飛ばしていく。
静かな立ち上がりの中、瀧は左ストレートで対峙し、ボディを叩いていくが
撃ち終わりに被弾する場面も。
 

2R、このラウンドも接触は少ない立ち上がり。
仕掛ける側の瀧に対して、撃ち終わりに的確にパンチをヒットさせる小林。
小林のランドかと思いきや、ラウンド後半に瀧の左ストレートが炸裂。
徐々に徐々に接触の頻度が増え始める。
 

3R、開始とともに一気に出た小林。
小林の左ボディと瀧の左フックが交錯する。
瀧の方が優位かと感じたラウンド序盤だったが、中盤以降、小林の左フックが炸裂する場面が頻発。
さらに小林の右ストレートも瀧を強烈に捉える。

ラウンド終了間際には体を入れ替える刹那に、強烈に右フックを叩き込んでダウンを奪った小林。
瀧はダメージを強く残してこのラウンドを終える。
 

4R、開始とともに仕掛けることはしなかった小林だが、左フックを強烈に当てて効かせていく。
しかし、瀧の強烈な反撃を浴び、お互いにダメージを負う場面も。

ダメージを重ねながらも撃ち合いを求めていく瀧に対し、
もらいながらも強引にコーナーに追い込んだ小林。
強烈な左フックでさらにダメージを蓄積させ、右ストレートで追い詰める。
 

5R、ダメージを蓄積させながらも、まだまだ撃ち合いを求める瀧。
右アッパーから左ストレートを炸裂させ、小林の腰を落とす。
逆転KOの予感に会場のボルテージは一気に上がるが…
瀧の左フックに対して小林の左フックがカウンターで炸裂。
瀧は吹っ飛ぶように後ろ倒しにダウンし、レフリーが試合をストップ。

KOタイムは5R 2分46秒
 
 

激しい試合にしばらく起き上がれずにいた瀧。
担架が持ち出されたが、最後は無事に立ち上がり、自分の足でリングを降りた。
 
 

スピードもそれほど感じない。
綺麗でスマートでもない…そんな日本ランカーの小林は、
何度も何度も左フックをヒットさせ、瀧は全く反応できずにその強打を浴び続けた。

この選手の何が強いのか、なぜあれほどまでに左フックをヒットさせれたのか…。
僕には全く分からない。

狐につままれたような感覚で…ただ、強いと感じる他なかった。
元々は10人だったところから拡張された日本ランク。
しかし…やはりランクを持つものは強さを持っている。
見せつけられた気分だ。
 

瀧はこれで負け越しとなったが…
面白い試合をするという意味では間違いない選手。
この先も重要なポジションの選手として盛り上げていって欲しいが、2連続でランカー挑戦に失敗した形。

あまりにももらい過ぎてしまうそのボクシングは心配にさえなってしまう。
ここから引き続き盛り上げ続けて行ってくれるためにも、もう一つ上のグレードで戦っていくためにも
しばらく休んだら、足りないものを見直してほしいと感じた。
…と言いつつ、被弾多くも攻めていく瀧の魅力もある。
 

ボクサーとしてどう歩くのかは本人次第だが…。
 

「駿河の激闘王」
 

叶うことなら、もう一つ高いところで、より多くのファンにその名を知らしめて欲しい。
 
 

 

【スーパーバンタム級8回戦】
堀池 雄大(帝拳) vs エディソン・ベルウェラ(比)

・堀池 雄大 22戦13勝(3KO)6敗3分
・エディソン・ベルウェラ 61戦16勝(5KO)37敗8分 サウスポー
   OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級15位/ABCO(WBCアジア)バンタム級王者
 

負け数は多いながらも、前戦では大アップセットで地域王座を獲得したベルウェラ。
堀池が地元静岡のリングで殊勲のOPBFランカーに挑む。
 

1R、ジワジワと堀池のまわりを回るベルウェラに対し、オープニングヒットは堀池のボディブロー。
途端にスッと距離を取るベルウェラ、警戒心の高い入り。
鋭い踏み込みから撃ち込んでいく堀池だが、応戦するベルウェラのハンドスピードも豊かで、
ジワジワとした探り合いから、0から100にスピードアップするような瞬間的な攻防が発生する。
 

2R、ベルウェラは撃ち終わりを狙っていきたい様子。
サウスポーのベルウェラに対し、左フックを撃ち込んでいく堀池だが、
撃ち終わりに放たれるベルウェラの大砲の左フックはかなりの威力を感じる。

コーナーにジワジワとベルウェラを追い込んだ堀池。
この場面でベルウェラが反撃…コンビネーションで堀池に襲い掛かり下から上へと堀池を突き上げる場面も。

堀池は撃ち終わりを狙って待ちになるベルウェラに対して、ボディへストレートを撃ち込んでいく。
ペース争いは拮抗する。
 

3R中盤、強烈に左ボディを叩いた堀池に対し、ベルウェラが攻めてかかるが、
ここはしっかりとガードしてまともに被弾しない堀池。
その後、堀池は強烈な右ボディーストレートを叩き込み、ベルウェラのガードが下がる。
さらに右オーバーハンドで、一瞬ベルウェラがフリーズ。

ラウンド終了間際、堀池が右ストレートをねじ込めば、ベルウェラが左フックをねじ込む。
激しい撃ち合いに、ゴング後も攻撃してしまい、ベルウェラが注意を受ける。
 

4R、開始早々、堀池の強烈な左フックがベルウェラを捉えるが、
ベルウェラも左ストレートを立て続けにヒットさせる。
ラウンド中盤に入ると、堀池が強烈に腹をエグって効かせていく。
ベルウェラは待ちになりどうしても手数が減ってしまう。
手が出ないベルウェラをリズムよく攻めた堀池だが、ラウンド終了間際には反撃を受けてしまう。
 

5R、好戦的に出た堀池に対してベルウェラは左フックをカウンターで浴びせ、堀池がフリーズ。
しかしこの場面は堀池が旨くいなしてピンチを脱出。
クリンチになるとベルウェラはコツコツコツコツ堀池のボディを叩く。
小さなところで手を抜かず、必死に堀池にダメージを与えにいく。
 

6R、なかなか手の出ないベルウェラだったが、カウンターで右フックを炸裂させると
堀池のクリンチを強引に振りほどきながら、左右フックを振り回して一気に堀池を攻めていく。
ここは最終的にはクリンチで逃れたが、堀池自身の手数も減ってしまっており、
堀池にとってなかなか苦しい展開になる。
 
 

7R、ラウンド中盤、綺麗に右ストレートをヒットさせた堀池に対し、ベルウェラは効いてないアピール。
右ストレートから入ってはクリンチの流れでヒットを重ねていく堀池。
対して、ベルウェラは堀池のボディーストレートに対して左フックを炸裂させる。
最終的には堀池は足を使ってラウンド終了のゴング。
 

8R、ボディを細かく叩くベルウェラに対して、足を使ってタイムアップを待つ堀池。
ここまでポイントリードは間違いないと捉えたか…
マイジャッジではそれほど大きな差は開いていないように感じたが…。
堀池の右フックとベルウェラの左フックが交錯する場面も。
ここまでしこたま腹を撃たれてきたベルウェラは腹を叩かれると苦しそうな表情。
試合は堀池が躱すような形で終了のゴング。
 
 

マイジャッジは…76-76 ドロー。

公式ジャッジは…
77-76、78-76、77-75で堀池。
 

ベルウェラがはっきりとったのは2つ。
堀池がはっきりとったのは4つ。
残り2Rをどう振るかで結果が変わった試合だったように見えた。

堀池勝利自体は全く持っておかしな採点ではないが、
10ポイントマストシステムの中で、ジャッジ3名で3つの10-10が付いた試合。
ここ最近、10-10が多く振られる試合によく出くわすように感じる。
ジャッジに何か意識の変化でもあるのだろうか…。
 
 

なにはともあれ、地域王者を相手に、それを上回る力を魅せた堀池。
これでランクが手に入る可能性も高い。
ここからさらに上に上がっていくにおいて、いい苦戦をしたのではないかと思う。
勝って反省できることほどの幸運はないと思う。

ベルウェラは、負け越しながら地域王座を獲得したその実力をはっきりと誇示して見せた。
アジアではWBC直下のABCO王座は、どこの世界王座管轄にも属さないOPBF東洋太平洋以上に
重宝されることもある。
それを獲得した選手…今後、様々な有力選手と当たる可能性も高いが、
アジアのシーンで引き続き魅力を放ってほしいと感じた。
 
 

 
 

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