2019/06/30 -パールガーデン TopStar興行(前提)- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/06/30 -パールガーデン TopStar興行(前提)- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

観戦記を記載する前に、前提として記載しておくべき内容がある。
先日、JBCとJPBAが以下のような声明を出した。

この宣言は、JBC管轄外で活動する「ABCジャパン」や「TOPSTAR」に向けられたものと言われている。
いわゆる、フリーボクサーへ向けたものだと。

———-
宣 言
 ボクシングは最古のオリンピック種目の一つであり、
 また他の単なるショービジネス的競技とは一線を画して、長い歴史の中でスポーツとして
 認知されてきたプロ競技でもある。


 我々各団体はこれまで、ボクシングがそうした競技スポーツであるという自負を持って、
世界諸団体とも協働しながら、安全性重視の姿勢等に基づき、公平・公正なルールを策定し、
その運営に努めてきた。しかるに、近時「ボクシング」、「ボクシングルール」などの名の下、
商業性のみを追求する一方、安全性を軽視し、公平・公正とは言い難い運営をするイベント、
企画等(「非ボクシングイベント等」)が散見される。これらは、競技スポーツとしてのボクシングに
長年にわたり寄与し、発展させてきた我々各団体の努力を踏みにじるものであり、
看過できるものではない。また、安全性、健康管理上も極めて重大な危惧がある。
スポーツ文化を守り、ボクシングの健全な発展を改めて期するため、我々は下記の通り宣言する。
 
 

1 非ボクシングイベント等には関与、協力しない。
2 非ボクシングイベント等の不当性を、今後も世論に訴え続ける。
3 非ボクシングイベント等に参加した格闘技選手等が、我々各団体が定める手続きを経た上で、
 競技スポーツとしてのボクシングに参加することについては、門戸を開放し、これを歓迎する。
———-
 

まず、この声明の中にある文言の「非ボクシングイベント」。
これは情報操作に近いものがある。

例えばまだコミッションが設立されていない「TOP STAR」のみを指すのであればまだしも、
「ABCジャパン」に関しては既にコミッションとして設立されており、
法的にもプロボクシングとして認められるものだ。

そして「TOP STAR」もまた、コミッションの設立が視野に入っているにも関わらず、
非ボクシングイベントという文言を使って、
いかにもいい加減な興行が行われようとしている印象を植え付けている。
 

この宣言を元に大手新聞社が「コミッションは一国一コミッション」などという記事を書いてしまっている。
これは明らかな誤りである。

日本IBFとの裁判の中で、独占禁止法に触れるとして20年以上前に最高裁判決で否定されている。
これにより、JBCのルール第1条が以下のように書き換えられている。(Wikipedia[日本IBF]より)

変更前:
「日本ボクシングコミッション・コミッショナーは日本での全ての
 プロフェッショナル・ボクシング(以下プロボクシング)
 (試合公式試合場におけるスパーリング及び慈善試合を含む)を指揮及び監督する権能を有する。」

変更後:
「日本ボクシングコミッション・コミッショナーは(財)日本ボクシングコミッション
 (以下JAPAN BOXING COMMISSION=JBC)管轄下で行われる日本での全ての
 プロフェッショナル・ボクシング(以下プロボクシング)
 (試合公式試合場におけるスパーリング及び慈善試合を含む)を指揮及び監督する権能を有する。」
 

JBCのルールにもJBC管轄外対しての指揮及び監督する権能は有しないことが読み取れる。
 
 

上記を踏まえて、JBC/JPBAを企業に例えると、
非ボクシングイベントと呼ばれるものは即ち「競合他社」なのである。
JBC/JPBAは企業ではないが、JPBAはジム経営者たちで構成される事からも
この表現は的外れではないはずだ。

つまり、「2 非ボクシングイベント等の不当性を、今後も世論に訴え続ける。」というのは
「私たちは競合他社が不当だと言いまくります」という宣言にも聞こえてしまう。
いったい何が不当なのだろうか?

読み取れるのは…
「自分たちが作ったボクシングの土台に新規参入してくる事」
「安全性、健康管理上も極めて重大な危惧がある」

この2点である。
1点目については、新規参入できないことが独占禁止法にあたるのであって、
通常の社会では当たり前の事。それを阻害する事自体がおかしい。
企業努力によって、より良いサービスを提供するのが通常の在り方だ。

また、「安全性、健康管理上も極めて重大な危惧がある」には何の根拠があるのだろうか。
他社を批判する前に、自らを省みたほうがいい。
セコンドが酒臭い…なんてことが起こってしまっているJBC管轄。

誰も気付いていない…なんてことがあるのだろうか。
いったいどんな管理ができているというのか。
試合前にセコンドのアルコール検査の実施を義務化してから言っていただきたい。

僕は自分の娘がプロボクシングをやりたいと言い出したら絶対に反対する。
どうしてもと言うなら、ABC管轄の大阪天神にお願いする。
まだそちらの方が安心だ。
 

とにもかくにも、この宣言はまるで地場の業者の骨肉の争いのようだ。
ボクシングという「長い歴史の中でスポーツとして認知されてきたプロ競技」で
一人親方同士の喧嘩のような宣言を行ってしまっている。

仮にも日本のボクシングを管轄する最大の団体であるJBCとJPBAの宣言である。
大企業が同業中小企業の悪口言いまくります宣言などしようものなら社会問題化するだろう。
これが受け入れられる時点でボクシングの規模の小ささを思い知らされる。

そうたいして話題にならないボクシングだから許される宣言である。
 

また、特にJPBAはジム経営者の集合体。

目の前にある現在の利益をどう分け合うかにしか目が向いていないようにも感じる。
競合他社の参入は、市場規模拡大のチャンスでもあるが、
自分たちの取り分確保が優先なのだろうか。

競合他社に負けないよう、サービスを拡充するのが普通の考え方だと思うのだが…
そちらに手を着ける前に、競合他社を潰しにかかる。
「企業努力」のような方向に舵を切るのが真っ当なのではないだろうか。

まして、フリーボクサーの一部は悪徳ジムが産み出した産物という側面もある。
ジムとの移籍問題などから、戦う場所を失い、フリーのリングを求めた選手たちがいる。

あなた方がしっかりしていれば、そもそもこうはなっていない。
一度、不当にプロボクサーとしての生存権を失った選手たちが、
戦う場所を求めて辿り着いたその場所を…また潰しにかかるのか。
 

「悪徳ジム」という存在が一般層にまで知られる事を恐れているのだろうか。
もしそうなら、フリーの存在が爆弾のように思えるのも納得できる。
自分たちの管理不行き届きを、悪者を作ってそちらへの批判を煽ることで包み隠す。
これもまた、ボクシング界がこれまで使ってきた手法である。

あまりにも厚顔無恥な宣言だ。
 

なぜ最初にこんな事を記載するのか。
それは、上述の大手新聞社のように、この宣言を元に誤った報道を流したり、
他にもまるで情報操作のような「意見」を垂れ流すライターが存在するからだ。
一国一コミッション制度の否定は意見ではなく、最高裁判決である。

観戦記を読む前に、彼らの存在への偏見を取り除いて読んでほしい。
そうでなければ、この内容は選手に近い一部のファンにしか届かない。
例えば…

「選手の移籍金を肩代わりしたことがある」
「応援していた選手がジムとの軋轢でプロボクシングを奪われた」

そんな経験をしているファンにしか。
 

JBC/JPBAの厚顔無恥な宣言がなければ、ここにこんな内容を掲載する必要もなかった。
JBC管轄内でボクシングの為に、ボクサーの為に必死に努力している人たちは大勢いる。
それを知ったうえで、これをここに記載する。

その事に悔しさしかない。
 
 

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