2018/02/18 大阪天神興行-経緯①(中日本ボクシング観戦記【番外編】) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2018/02/18 大阪天神興行-経緯①(中日本ボクシング観戦記【番外編】) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 
 

これまで、ボクシング選手名鑑管理人のせきちゃん@mosが見に行った中日本の試合を
好き勝手に掲載してきた「中日本ボクシング観戦記」。

地方興行の4回戦まで細かく掲載していることもあって、様々な反応をいただいてきました。
悪い反応を直接言われることは稀なので、好意的なものばかり…ありがたい限りです。
(陰で何言われているかはちょっと怖いけど…変なあだ名付けられてるみたいだし。。。)
 

今回…新たなチャレンジとして、中日本からはみ出しての観戦記を掲載します。

元々中日本ボクシング観戦記を始めた理由の一つに、

「見に行けばこんなに凄いのに…こんなに面白いのに…発信も少ないし、
 中日本のボクシングの面白みを知ってもらいたい!」

みたいなエゴイスティックな思いがあったのですが…。
 

今回、観戦した興行に同じような思いを抱えることとなったので…。
同じ思いなら、同じように書けばいい…そんなこんなで、掲載することに至りました。
 

場所は大阪…その試合はプロボクシングでありながら、専門誌にも掲載されない。
そして、BoxRecにも掲載されなくなってしまっている試合です。

しかしながら、そこではしっかりタイトルマッチも行われており…。
それは間違いなく、プロボクシングの公式戦。
ピンと来る人は当然、マニアの領域でしょう。

自分がそんな謎のリングと接するようになった経緯も含めて
大阪に存在するもう一つのプロボクシングの観戦記を掲載していこうと思います。
 
 

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電話が鳴った。
現役のボクサーからの連絡である。
 

「ABCジャパンって何なの?」

同様の連絡が何人もから届く。
今回、僕を大阪に向かわせたのがこの連絡だった。
 
 

 
 

2018年現在、日本ボクシング協会(JBC)の規定ではタイトル保持者、元東洋太平洋・日本王者、
世界挑戦経験者などの例外を除き、37歳の誕生日を迎えた時点でライセンスが失効する。
この制度はボクサー定年と呼ばれている。
 

ことのきっかけはボクサー定年を超えたある選手である。
彼は未だに現役を目指してトレーニングを積んでいる。
その熱は、金網の中でボクシングとよく似たルールで戦う地下格闘技に参戦するほどだ。

実力や積み重なったダメージでリングに上がることを制限することは解る。
だけど、年齢で制限するには個人差がある…と感じている自分は、
彼が年齢でリングに上がれないことにはモヤモヤしたものを感じていた。

テストで実力を試し、検査で健康であることを証明すればリングに上がれてもいいのではないか。
リングに上がる資格として大事なのは年齢ではなく、そちらの方だと…。
 
 

そんな折、知人から山口 賢一(大阪天神)の存在を聞かされる。
日本国内でJBC管轄外のリングを作り、そこで興行を打っていると…。
 
 

JBC管轄外とは何か…。
それを説明するにあたって、管轄団体の説明を少し。
 

そもそも日本ボクシング協会(JBC)というのは日本のボクシングにおけるもっとも大きな管轄団体である。
ただし、ボクシングの管轄団体は現在一つではない。

過去にもジムが選手のすべての権利を握るクラブオーナーライセンス制度(ジム制度)と
マネージャーやプロモーターなどと個別で契約を結ぶ、マネージャー制度とで紛糾し、管轄団体は分離。
戦後ボクシングの創成期の話である。

その後も、世界王座管轄団体の一つである、IBFを認める認めないで分裂した
(実際にはもっと複雑だが)日本IBFなど、時代時代でJBCとは別の管轄団体が産まれている。

日本IBFが産まれたとき、JBCは真っ向から対立し、日本IBFをプロボクシングと認めない姿勢をとった。
しかし、両者が争った裁判で、JBCがボクシングを独占するのは違法という結論が出ている。
つまり、日本におけるボクシングの管轄団体はJBCだけではないことが司法で認められている。

そして現在、日本に成立しているボクシングの管轄団体はJBC以外に、ABCジャパンという団体がある。
「アジアボクシングコミッションジャパン」

マネージャー制度を採用するコミッションである。
 

この存在は、専門誌からも多くのファンからも無視されている部分が多くあると思う。
僕自身、”ヤマケン”が大阪で何かよくわからない団体を作っている…くらいのことは知っていたが
詳しいことはまったくわからなかった…自分で調べようと思わなければ、辿り着けない情報になっている。
 
 

話を元に戻す。
 

ボクサー定年で国内のプロボクシングを失ってしまったボクサーでも
ABCジャパンのリングになら立てる可能性があると聞き、
知人から山口を紹介してもらってコンタクトをとってみる。

すると…山口は「ボクシング選手名鑑」に興味を持ってくれたようで、運良く彼と会う機会を得た。
 

名古屋の大学のボクシング部の監督を務めており、毎週名古屋に来ている…ということで
一緒に昼食をとり、ボクシング部の練習を見学させてもらう一日を過ごした。

山口が自分が中退した高校の卒業生だったと知り、妙な親近感が沸く。
当時、超スパルタ学校として名高かった日生学園。

野球少年だった自分は、三重テレビで放送されていた高校野球で
強豪校とは認知されていなかった日生学園第二高校が勝ち上がっていく姿を見て、
日生学園に対して好意的な印象を持っていた。

それが、超スパルタと言われる日生学園に入学してしまう理由の一つになったのだが…
その時のエースピッチャーこそ、山口だったりする。
 
 

山口からABCジャパンという”プロのリング”に立った選手の戦績がBoxRecに残らないこと。
BoxRecから削除されてしまうレコードがあることなどを聞き、
それならばボクシング選手名鑑に残す…と約束する。

そのリングがプロボクシングと認められる要件を満たしていると思ったからだ。
管轄団体もあり、ルールもまっとうなもの。
JBCを日本のプロボクシングと定義するなら、
海外のボクシングを国内という場所でやっているだけなのである。

国内以外のボクシングも扱うボクシング選手名鑑では、ABCジャパンのリングの戦歴も
他の戦歴と同じように取り扱うのが極めて自然だと考えている。
一国一コミッション制度など、今や存在していないのだから。
 

そういうわけで、ボクシング選手名鑑にはある時期からJBC管轄外の選手が多数掲載されるようになった。
 

こちらからお願いしたかったあるボクサーのリング復帰については、
また別の理由で立ち消えになってしまったのだが…。
 

そんな経緯があって、ABCジャパンを知るようになった自分は、
「大阪に面白いものがあるらしいぜ!」とことあるごとに発信するようになる。
 

すると時間をおかずして、SNSのダイレクトメッセージや電話、メールなどが頻繁に届くようになる。

「ABCジャパンって何なの?」

ここから、僕の周りで様々なものが加速していった。
 
 

 

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