日本ボクシング界 暗黒の時代(雑) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/11/27

日本ボクシング界 暗黒の時代(雑) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2015/11/27
 
 
 

昨日まで、日本ボクシング界の世界挑戦21連敗を振り返りましたが…。
全然知らなかったことも多々出て来ました。
 

21連敗って言葉は知ってたんですが、どの試合がそれに当てはまるのかっていうのはね…。
特に海外で負けてる試合とかぜんっぜん知らなかったです。

平仲 明信(沖縄)のイタリアの試合は地元びいきのレフェリングで負けたって言われてたんですが、
実際試合の映像見てみたら、若干あるかもしれないけど…ってレベルで。
地元びいきって言えるかもしれないけど、勝敗に影響するほどではないよね…って試合。

その時代のメディアの煽り方なんかもありますしね。
そういうこともあるんだな…と。

ヒルベルト・ローマン(メキシコ)から内田がダウン奪ってたとか…
松村 謙二(JA加古川)カオサイ・ギャラクシー(タイ)戦の1試合目が、
善戦って言われてたんですが、実は圧倒的な判定負けで…
でもでもしっかりカオサイ相手に見せ場を作った村松ってボクサーすげぇって思ったり…。
意外だったことがいくつか。
 
 

当時、映像でリアルタイムで見れるのは、民放で流れる世界戦か深夜の国内の試合。
WOWOWの開始も1991年から。
熱心なマニアはリングジャパン社の質の悪い映像を取り寄せたりもしていましたが、
基本的には自分で見る試合を選択するわけではなく、誰かが選んだ試合をみんなが見る。

当然、日本人の出る世界戦ばかりが中心となり、そしてそこに熱の共有が産まれる。
だからそこに賭ける熱狂は凄かった。
そこで自分が応援してる選手が負け続ける…なんて、どれだけ苦しかったろう。

だからこそ大橋 秀行(ヨネクラ)がベルトを獲ったとき、暗黒時代に終りを告げたとき、
後楽園ホールがあれほど揺れたんでしょうね。
 

今は昔に比べて便利なので、ネットでいくらでもボクシングの情報が拾えるのは凄くありがたい。
でもやっぱりあの大橋戦を見ると、情報量が少なかった時代のファンたちが羨ましい。
余計な情報なしに見れるし、皆で一緒に熱を共有できるんで…。

TVが過剰に煽っても、知らなきゃそれに乗っかれる。
まさに知らぬが仏ですよね。

でも、無名選手に注目する為には現地まで試合見に行くか、どこかしらで情報拾わないといけないですし。
そうなると、後楽園まで行くのに新幹線な僕にはネットは必要不可欠で…

どっちがいいのかよくわからないですけど、その時代はその時代の楽しみ方があると。
 

最近はベルトの価値が下がったなんて言われてますが、こうして見てみると、
そういった意見ってこの時代にボクシングを愛したファンたちのノスタルジーなのかな…と。

ランキングの低い選手と防衛戦重ねたりとか…お金積んで世界王者呼んで…
…なんて今に始まったことじゃない。
昔は情報量が少ない分…世界戦で替え玉なんて事件もありました。
 

ちなみにベルトの価値については何度も言及してますが、僕は価値が下がったなんて思えない。
17階級×4団体=68個のベルトが存在してて、暫定やらスーパー王者なんて入れてくとその数はもっと増える。
それはそれで受け入れて、それでも世界のベルトを獲った人間をリスペクトしていきたい。

パウンドフォーパウンドこそ最強なんであれば、階級分けする必要ないし、
階級最強じゃなければ弱い王者…なんて、戦ってもいない選手同士を比べて強い弱いって結論づけるなら…
それこそシャドーやらせてフィギュアスケートみたいに点数付ければいいわけで。
 

強い奴が勝つんじゃなく、勝った奴が強い…っていうボクシングの大前提。
そこに人生を賭けてベルトに挑む選手たち。

獲ってしまえば人生が変わる…それが世界のベルト。
世界に1本だろうが70本だろうが関係なくて、何本だろうがスーパーミラクルアイテムなわけです。
そこに人生賭けて何人もが群がる…だからこそ、姑息に見えるマッチメイクも、
反則ギリギリのラフファイトも、僕はありだと思う。
 
 

こうして振り返ると、世界挑戦21連続失敗のうち、海外での黒星が多数含まれてますね。
なかなか海外で試合をやって勝てるところまで行けない日本人…。
…というか日本人じゃなくても、世界中のどの選手も海外で勝つのは難しい。

井岡 弘樹(グリーンツダ)に疑惑のゴングで敗れたナパ・キャットワンチャイ(タイ)の例もありますしね。
 

僕はね、10年後、日本ボクシング界が黄金時代を維持できているかというと、難しいんじゃないかと思う。
日本人って国内で世界戦をしやすい国で、わざわざ海外で防衛とかしたりする必要がない。
それがこれだけの世界王者数を維持してる理由だと思うんです。

この国内で世界戦がしやすいっていうのは日本がお金持ちだから。
 

世界のベルトを手に入れた選手(陣営)は、そのベルトを使ってどれだけ稼ごうか…と考えます。
負けて引退でもしようもんなら明日から無職ですから。
世界獲るまでの間、全然稼げて無い選手がほとんどですし。
普通のサラリーマンが一生で3億稼ぐとして、ボクサーが3億稼ごうと思ったら、
世界のベルトなしでは絶対に無理。
 

だからとにかく戦えるうちに稼ぎたいってところで、できるだけ勝てる相手を選んだり
お金になりそうな有名選手と戦ったり…っていうのは全然ありだと思うんです。
ボクサーにとってボクシングは仕事ですから。

「かっこいい仕事させてやるから来月から給料半額な」
って言われたら、おいおいおいおい…ってほとんどの人がなっちゃいますよ。
仕事なんだから。稼がなきゃ話になんない。綺麗ごとじゃないんです。
 
 

海外選手なんかは稼ぐために日本で世界戦をやりたがる選手が多い。
為替の影響もあって、東南アジアや、南米の選手からしたら、
日本人選手と日本で試合するとビッグマネーが手に入ることになります。
そりゃ積極的に来ますよね。

メキシコ、ベネズエラ、タイ、フィリピン…。
日本に来る選手たちってこの4カ国の選手が圧倒的に多い。
アメリカは経済的に日本より上なんで、わざわざアメリカ人が日本で試合する意味なんてそう無いんですよね。
よっぽどお金積まないと来てくれない。

21連敗って言ったって2年弱の間の話ですよね。
ある意味それだけ日本人が頻繁に世界挑戦しているってことの裏返しだと思うんです。

これはなんだか金に物言わせてズルしてるようにも思えますが、いいシステム。
途上国の王者にとっては、世界のベルトを獲ったご褒美みたいなもんですし。
大金を稼ぐ手段の一つですから、ベルトを獲って日本人と試合したいって選手は凄く多い。

そのベルトを守ればもう1試合大金が稼げる試合ができるんで、簡単には負けてくれない。
クオリティの高い試合を持ち込んできてくれる。

日本人世界王者がラスベガス…っていうように、東南アジアの世界王者は日本…っていう。
ジャパンマネーは世界のベルトの価値を押し上げてるとも言えるんです。
ボクシングで稼ごうって思った時に、まずベルトを獲って日本で防衛戦をやるって絵が描ける。
最近はパッキアオの影響でフィリピンの選手はアメリカに行っちゃいますが…。
 

ただ軽量級はアメリカではお金になりにくいんで、米国より日本って海外選手も多いんじゃないでしょうか。
防衛戦をやれるランカーも豊富ですしね。

今週末に仙台で防衛戦を行うWBC世界ライトフライ級王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)なんかは
日本で人気を獲得したい!って息まいてますし。
 
 

じゃあ何故10年後に日本の黄金時代が維持できないか…。

それは、メキシコやベトナム(タイのお隣)が先進国の仲間入りをしてる可能性があるからです。
え!?って思う方は経済誌を読んでみてください。
僕はその辺専門じゃないんですが、経済のプロの方たちが先進国になるんじゃないかって記事を書いてる。
…となるとその可能性は充分あって。

ジャパンマネーの何が凄いって為替の差なんですよね。
僕らが1週間暮らすお金で、1か月暮らせるなんて国もある。

母国でもらうファイトマネーと、日本でもらうファイトマネー。
それぞれの国で同じ缶ジュース1本分だったとしても、
日本でもらった缶ジュース1本分は母国に帰れば4本分になるわけです。

この差が無くなってしまえば、わざわざメキシコやタイから日本に来てくれないですよね。
遠いですもん。
自国内のランカーと世界戦やりますよ。
盛り上がるし低コストだし。

つまり、他国の経済状況次第では、日本人の世界挑戦のチャンスはめっきり減る可能性があるんですね。
それこそ逆に日本人の方から敵地に試合しに行かないとチャンスをもらえなくなるかもしれない。

一時期、為替の影響をモロに喰らったのがタイ。
世界戦の認定料が払えずにほとんどがノンタイトル戦になっちゃった。
それがなければ、セーン・ソープルンチット(タイ)はもっともっと大きな名声を得てたはずです。
 
 
 

野木トレーナーが日本人も敵地で戦えるようにならないといけない!って言ってます。
僕は彼の言葉が正しいように感じる。

※野木さんについては江藤光喜の回で詳しく書いてますんで読んどいてください。
 
 

最後に…。
 

僕らがチケットを買って、グッズを買って…。
友達誘って、ボクシングの魅力にどっぷり漬けて…。
そうやってボクシング界にお金を落とすことで、
マッチメイクってもっとやりやすくなるはずです。

競技自体がもっと儲かるスポーツになっていけば、
お金のかかる名王者も呼べるようになる。
極論にはなりますが、日本がラスベガスより儲かれば、
マニー・パッキアオ(比)みたいな選手だってガンガン日本に来るんですよ。

強い相手とやれってネットでは簡単に言ってますけど、今それができるのは、ほんの一部のジムだけですから。

特に地方ジムほんとに厳しいらしいんで。
 
 

 

そして僕の財布もほんとに厳しいんで…。


皆さん、このページのバナーを覗いて、欲しいものがあったらそこから買って…

いや、まぁ…あれです。
僕にお金が流れたら、それはもうほとんどボクシング界に流れていきますから…。
あ…あとJR東海ね。後楽園行くのに東海道新幹線乗るから。
 
 

…明後日からは選手のピックアップ再開しまーす。
では!!
 
 

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