終わっちゃいない ロジャー・メイウェザー(米)⑯ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/11

終わっちゃいない ロジャー・メイウェザー(米)⑯ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/11
 
 
 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップ16日目。
 

前回は、フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)へのWBC世界スーパーフェザー級への挑戦に失敗後、
ライト級でマリオ・マルティネス(メキシコ)、ウォルター・シムズ(米)といった強豪に連勝。
2階級制覇が見え始めてきたところまで…。
 

再起3戦目では、ペンシルバニア州ライト級王者のフレディ・ペンデルトン(米)と対戦。
のちにはIBF世界ウェルター級王座を獲得するペンデルトンですが、この頃は無名の州王者。
 

身体能力高く、バネのあるペンデルトン。
距離をとってロングレンジで戦うロジャー。
いつもの長いパンチに、入り際に合わせるフックやアッパー。
ペンデルトンも簡単にはロジャーのサンデーパンチはもらわず、
試合は中盤まで静かに進んでいく…ポイントではロジャー有利か…
 

この試合の終焉は突然。6Rの出来事。
プレッシャーで詰めてくるペンドルトンに対して、入り際に下がりながら右アッパーを振り抜くロジャー。
それをかわしたペンデルトンが、右ストレート一閃。

このたった一撃が試合を決める。
意識を飛ばされ、ロープまで飛んだロジャー。
ロープがなければそのままダウンしていたところが、ロープに引っ掛かったことで試合は止まらず
明らかに意識のないロジャーに、左右フックを連打で撃ち付けるペンデルトン。
トドメを刺される形で崩れ落ち…ロジャーは10カウントに反応できず。
 

格下と見られたペンデルトンに、ロジャーはまさかの6RKO負け。
 

一撃で試合を終わらされてしまい、致命的な弱点の撃たれ弱さをまたも披露…。
この時点で、本人もファンも、もう世界は無理…と考えたそうな。
 

それでもメキシコ-ハリスコ州王者で、のちにWBO世界ライト級王座に挑戦する
オスカル・ベヒネス(メキシコ)を相手に7R棄権で再起すると、
メキシコライト級王者のセルヒオ・ザンブラーノ(メキシコ)も6Rで棄権させて勝利。

WBC米大陸ライト級王座決定戦への出場を手に入れる。
相手はのちのWBO世界スーパーライト級王者サミー・フエンテス(プエルトリコ)。
終わったと思われるロジャーと、のぼり調子のフエンテスの試合。
 

この試合では1Rから積極的に攻めるロジャー。
スピード豊かにフエンテスを圧倒します。
もらうパンチも浅く抑え、力のこもったパンチを撃ち込んでいく。
しかし、フエンテスはかなり撃たれ強く、撃たれても撃たれても圧力を弱めることはない。
 

2Rも同じ展開ですが…ロジャーが徐々にフエンテスの圧力を持て余し始めたようにも感じれる。
タフさに任せるフエンテスを終始圧倒するものの…
試合が長引きそうな雰囲気も感じます。
 

3R、闇雲に入るのではなく、入っていくタイミングを計り始めたフエンテス。
しかしそれはラウンド前半だけ、ラウンド中盤にはやはりゴリゴリ詰めて
ロープ際で撃ち合いに持ち込み強烈なフックをヒットさせる。
自身はその何倍もの数の強打を撃ち込まれていながら、アップセットも臭いそうなフエンテスの拳。
 

4R、撃たれても撃たれても勇敢に前に出るフエンテス。
入り際に強烈なパンチを合わせても止まらないフエンテスをロジャーは完全に持て余す。
ホールディングしても強引に拳を叩きつけられ、試合は二人の撃ち合い一色になっていく。
ラウンド後半、ロジャーが右の撃ち降ろしを3連続で突き刺しこの試合、初めてフエンテスがグラつく。
 

5R、頭とセットで飛び込んでくるフエンテス。
ロジャーはやりにくさを抱えながらも、不本意な撃ち合いでも互角以上に戦う。
フエンテスはぐらつきながらも懸命に前に出る。
 

6R、積み重なるダメージに疲弊を隠せなくなるフエンテス。
いつフエンテスが倒れるのか…ラウンド終盤、そんな空気を吹き飛ばす。
ロジャーを強引にロープに詰めてのラッシュ。
柔らかさでパンチを殺しながら対処するロジャーですが、強烈な左フックを被弾。
もしや…が臭う。
 

7R、圧倒的不利から希望を見せたフエンテスですが、若干撃ち疲れを見せて手数が減ってしまう。
ここからロジャーがさらに一方的に攻め立てる。
しかしラウンド終盤には押し返してみせる、フエンテス…
勇敢に…タフに…決して心折れることなく向かっていく。
 

8R、お互いに疲労が出てくる試合終盤、お互いにボディを中心に撃ち合う。
お互いの力を削り合う消耗戦の様相も呈する展開。
 

9R、ついに積み重なったダメージがフエンテスに襲いかかる。
消耗を隠せなくなり、ロジャーの強打を次々に浴び…
上下にロジャーの思いのままに撃たれてしまう。

アッパーでえぐられ、ストレートをたたきつけられ、フックで顔面を弾かれる。
しかし…それでも撃ち返すフエンテス…攻めに編重したロジャーを右フックのダブルで捉え
アッパーを突き上げ、ボディを必死に叩く…。

ただ…それも永久には続かず、フエンテスの反撃が弱まったところをロープに詰められ…
いくつか強打を浴びるなかで、アゴをえぐるロジャーのスリークウォーター気味の右アッパー…
…必殺のスマッシュが炸裂します。

ゆっくりとしゃがみ込むように膝を着いたフエンテス。

ついに力尽きたか…しかし…立ちあがったフエンテス。
再開後、コーナーで滅多撃ちにされるフエンテス、誰もが終わったと思ったこのラウンド終了直前。
突然の左右フックで突然の反撃…強烈にロジャーを捉える…。

いったいどこまでやるつもりなのか…フエンテスの”根性”に見ているものが震え上がる。
しかし…この試合がこれ以上行われることはありませんでした。
セコンドがフエンテスの深いダメージを見て棄権。

誰かが止めなければ…肉体を凌駕するフエンテスの精神が、いたずらにダメージを積み重ねてしまう。
9R棄権…決して試合を投げることのなかったフエンテス。
彼の精神が残り3R、きっと折れることはない…セコンドの英断により試合は終わり、
WBC米大陸ライト級王者の座に、ロジャーが着きます。
 
 

「まだ俺は終わっちゃいない…」
 
 

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