キャリア晩年 ナナ・コナドゥ(ガーナ)⑨ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/03

キャリア晩年 ナナ・コナドゥ(ガーナ)⑨ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/03

 

ガーナの超特急、ナナ・コナドゥ(ガーナ)の九日目。 

ジョニー・タピア(米)との大一番に敗れたコナドゥ。
34歳となっていたこの頃、軽量級のキャリアとしては超ベテランの領域ですが…

そこから半年の時間を空けて再起。

相手は…元WBC世界スーパーバンタム級王者であり、
直近ではWBA暫定王座に挑んでいたエクトール・サンチェス(ドミニカ共和国)
フェザー級ウェイトで行われ、下から上げてきたコナドゥにとって不利な条件となったこの試合を、
強敵相手に10R判定で勝ち残り…生き残りに成功。

3階級目を目指すか…と思われましたが、この後、1年半のブランクを空けることとなります。
1年半後の試合は、元パナマフェザー級王者のアマドール・バスケス(パナマ)。
相手は直前に米-カリフォルニア州ライト級王座に挑んでいたこともあり、体格差のあったこの試合。

コナドゥはフェザー級ウェイト、バスケスはスーパーフェザー級ウェイト…。
またもや不利な試合になったものの、5RTKOでの勝利。

半年後、コナドゥは新たな階級で立場を得るため、地域タイトルマッチに挑みます。

相手は、ダニエル・セダ(プエルトリコ)。
この時点でNABO北米とWBAラテンアメリカの二つのフェザー級王座を持ち、
のちにはWBA世界フェザー級王者だったデリック・ゲイナー(米))へ挑戦し、ドローで王座獲得を逃すこととなる選手。 

この試合にはWBAラテンアメリカフェザー級王座が掛けられます。
ここで勝って、フェザー級でも浮上…したいところでしたが、この相手には9RTKOで敗北。 

ここで、コナドゥは現役生活を終えることを決断します。
このとき年齢は37歳。

ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)から王座を奪った時は、
既に年齢を指摘されていました…が、そこからピークを迎えて、引退間近までトップ戦線に居座った。

時代の主役の一人だったヒルベルト・ローマン(メキシコ)を陥落させ、
のちに時代を創ったウィラポンの早期政権を陥落させる…
ウィラポンはこの敗北をきっかけに、決して無理攻めをしないボクサーへと豹変し、時代を創っていった…。

もしも…ナナ・コナドゥという存在がいなかったら、時代の勢力図はどれほど書き換えられていただろう。

ムン・ソンギル(韓)はコナドゥに勝利した後、ローマンに韓国で勝利して時代の遷都を明確に。
その後、ローマンはバイク事故でこの世を去りましたが…
ローマンがメキシコでソンギルを迎えていたとすれば、ローマンが勝っていたかも…
そうなれば、世界王座在位のままローマンはこの世を去り、
その評価はさらに高まったり…なんて空想をしてしまいます。

ボクシングにタラレバは禁物…なんていうんですけどね。
空想くらいいいじゃないか…(笑)

拠点をアフリカから欧州、そしてアメリカ…
世界王座戦を行ったのはアメリカ、メキシコ、タイ、アルゼンチン。

世界各地で高速の拳を振りまわしたコナドゥ。
現在は故郷のスンヤニへ帰り…家族とともに暮らしています。 

かつて混乱の中にあったガーナ…。
現在は西アフリカでも突出して安定した国家として知られます。
コナドゥもまた…数々の戦いを切り抜け、安らかな時代を過ごしていてくれれば…。

アフリカの片隅から、日本のファンにまでその名を知られ、恐れられた男。 

彼が残した金星の数々…そして「ガーナの超特急」と異名されるスピード。
異名からは連想できない、すさまじく鋭利な強打…。 

きっと、彼の名はファンの中で語り継がれていくもの感じます。 

いやぁ…どうだろう…。
50年後…誰かコナドゥの話するかな…。 

してほしいなぁ…。

 

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