タピア来襲 ナナ・コナドゥ(ガーナ)⑧ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/01

タピア来襲 ナナ・コナドゥ(ガーナ)⑧ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/01

 

ガーナの超特急、ナナ・コナドゥ(ガーナ)の八日目。 

天才、アルツール・アブラハム(亜)が自分が立っているのかどうか分からなくなってしまうほどの
衝撃的なKO劇で初防衛を飾ったコナドゥ。

あまりの強さに畏怖され、挑戦者が枯渇…。
そこに挑んできたのは…1階級下、スーパーフライ級最強の男、ジョニー・タピア(米)

スーパーフライ級でIBFとWBO…二つのベルトを束ねていたタピア。
複数階級制覇を狙ってスーパーフライ級のベルトを保持したままバンタム級へ挑んできます。

この王座を保持したまま…の形、名のある選手だけに許された特別扱い。
当時のスーパーフライ最強として世界王者同士のビッグマッチとなります。

1Rからいかにも硬そうな強烈なフックを振るうタピア。
体の軸を固めて振り抜くフックを数多くコナドゥに突き刺す。
コナドゥはジャブをタピアの顔面に突き刺し対抗。

小刻みに距離を測りながら戦うタピアに対して、
慎重に追っていくコナドゥ…いつ、どちらの大砲が相手の顔面を襲うか…
緊迫した3分間が経過。 

2Rはガードを固めてじりじりと詰めていくコナドゥ。
顔面に向けて振るわれるタピアの強打は丁寧にブロック。
しかしコナドゥの射程に入った瞬間、スッと距離を置くタピア。
コナドゥは手を出すタイミングを失い、ぐっと手数が減ってしまう。 

3R、コナドゥが踏み込んだタイミングで、二人の頭が激しく衝突。
気を取られたタピアをコナドゥのコンビネーションが襲う。
距離をとって仕切り直したタピア…警戒感を強め、
二人ともが手数を減らす展開に…。 

4R、右目上から出血するタピアに対して、プレッシャーをかけていくコナドゥ。
徐々にコナドゥが手数を増やし、タピアの攻撃が後手に回り始める。 

5R、より足を使いながらボディへの比重を強めたタピア。
コナドゥの追い足は鈍り、タピアが一方的にコントロールし始める。 

6R、リング上を駆け回りながら、完全なアウトボクシングに切り替えたタピア。
お互いに安易に手を出せば、強烈なパンチをカウンターで喰うことになる。
手数少ない展開に会場からはブーイングが…
しかし時折、お互いに強烈なパンチが襲いあう…
どちらかが切って落としてもおかしくないように見える。 

7R、手数を増やしたタピア…その分、前のラウンドよりはお互いのヒットが増加する。
強烈なボディをめり込ませるタピアに、カウンターでフックを突き刺すコナドゥ。 

8R、序盤から叩いてきたボディが功を奏してきたか…
コナドゥを空転させ始めるタピア。
追い足が鈍り始めたようにも見えるコナドゥを捌きながら
数は少ないながらも、自らのパンチのみをヒットさせていく。
しかし残り30秒、強烈なフックを浴びせるコナドゥ。
効いてないとアピールするタピアですが、そうは思えない強烈な打撃音…。 

9R、完全にコナドゥを捌き切るタピア。
軽いジャブ以外、ほとんどヒットを許さない。
パンチの交錯は少ないものの、ヒットするのはタピアの拳ばかり。 

10R、優位な流れに警戒が緩み始めたか、
コナドゥの強烈なパンチがカウンターでいくつかヒット。
そんな中、タピアが一気に攻めに行ったところでバランスを崩して転倒。
直前に出した左が角度によって当たっているように見え、ダウンになってもおかしくないタイミングですが
ここはレフリーがコナドゥの左がヒットしていないことをよく見ており、スリップの判定。 

11R、ジワジワとプレッシャーをかけていくコナドゥに対しジリジリ下がるタピア。
不意に二人のジャブが交錯した直後…相撃ちのジャブがタピアの顎を完璧に捉え…
タピアは足元がおかしくなる。

何事もなかったかのように戦うタピアですが…直後にコナドゥの左のボディでバランスを崩し…ダウン。
再開後、タピアは役に立たなくなったフットワークを捨てて、この試合初めての足を止めての撃ち合い。
お互いに強烈なパンチをヒットし合うものの、タピアのカウンターがコナドゥを上回る。

攻撃は最大の防御…コナドゥにダメージを与えながら、このラウンドを切り抜けたタピア。 

12R、ダメージを回復したタピアは全開のアプトボクシング。
コナドゥを捌き、スッと飛び込んでコンビネーションをたたき込む。
コナドゥも負けておらず、嵐のような連打をガードとボディワークですべて回避してみせる。
ラウンド後半はタピアがアウトボクシングで一方的に拳を突きたててゴング。 

マイジャッジは…コナドゥの1Pリード。

発表された判定は…2-0。

勝者…ジョニー・タピア。
最大5P差がついていたものの…拮抗した試合であったと感じる試合。

それにしても、試合中…徐々に徐々にテンションが上がってくるタピア。
最終的に狂人じみてくるタピアは、まさに異名の「Mi Vida Loca(狂った人生)」そのもの。
幼くして両親を惨殺されたというタピア。
最終的には薬物で身を滅ぼしてしまいますが…この後もう1階級を手に入れ3階級制覇王者として名を残します。 

ちなみに、この試合後、タピアは一般人とケンカして逮捕される…なんてオマケのエピソードがついていたり。
ホームレスに札束を恵み…それを見ていた連中がそのホームレスを襲う。
タピア…ブチ切れてその連中を叩きのめす…。

ただの悪い奴じゃないんです。
…いつか、追ってみても面白いかもしれませんね。

 

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