再戦!スピンクス! ラリー・ホームズ(米)⑯ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/17

再戦!スピンクス! ラリー・ホームズ(米)⑯ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/06/17
 
 
 

さて、前回はまさかまさかの大アップセットでスピンクスに敗れたラリー・ホームズ(米)

ロッキー・マルシアノ(米)の記録まであと1勝と迫っていた、デビュー以来の連続勝利記録は48でストップ。
IBF世界ヘビー級王座の防衛は3、WBC時代と併せた通算の防衛は19でストップ…。

際立つ大偉業の末ではありますが、落日を迎えてしまいました。
 
 

 

しかし…
「本当にホームズは終わってしまったのか?」

アップセットオブザイヤーにも選出されたスピンクスとの一戦。
スピンクスのマグレ勝ちではないのか?

「スピンクスは逃げ回ってチャンピオンになった、もう一回やればホームズがKOする!」
なんてファンも多数いたよう…。
 

大衆は二人の再戦を望みます。
 
 

 
 
 

二度目の対決は7ヶ月後、ダイレクトリマッチとして行われます。
立場を入れ替えて行われた第二戦。
 

この7カ月、ホームズは一体どんな思いで過ごしたか…。
 
 

1R、いきなりプレッシャーをかけて攻めて出たホームズ。
ファーストコンタクトは、クリンチに出たスピンクスに対する”投げ”。
ブーイングが響き渡る中、戦闘モードを全面に押し出します。

様子見のスピンクスに対し、強烈なボディを狙っていくホームズ。
スピンクスの足を殺す作戦か…強烈なワンツーのヒットも奪い、まずはホームズが先取。
 

2R、ジャブを突いていくホームズ。
強打をふるうときはガードの上からでもお構いなし。
顔に撃つと見せかけてボディを襲い、スピンクスのボディストレートに合わせて
右の撃ち降ろしやフックを合わせていく…ラウンド終盤にはスピンクスが効かされた素振りを見せる。
 

3R、手の出ないスピンクスに対して、プレッシャーで下がらせ、ジャブで試合をコントロールするホームズ。
ラウンド終盤には一戦目を彷彿とさせるスピンクスのコンビネーションが決まるものの、
終始攻めたホームズのラウンド。
 

4R、このラウンドも終始攻め続けたのはホームズ。
強烈なボディ3連打でスピンクスの腰が立ってしまう場面も。
 

5R、このラウンドから一戦目でホームズを捉えた、
スピンクスのいきなりの左フックとコンビネーションが冴え始める。
しかしホームズも、スピンクスの左のトリプルに合わせて強烈なクロスを合わせてスピンクスを揺らす。
前半5Rは全てホームズが獲ったか…。
 

6Rに入り、初めてはっきりとスピンクスがポイントを奪取。
虚を突いての左フックが面白いようにヒット。
しかし、ホームズも入り際に左を合わせるなど、一戦目ほどやりたい放題にはさせず。
 

7R、丁寧にジャブを突いて流れを引き戻すホームズ。
相変わらず飛び込んでの左を食うシーンはあるものの、
右の撃ち降ろしやストレートをコンスタントにヒットさせます。
 

8R、ゴングが鳴るとともに一気に手数を増やしたスピンクス。
左を顔面に突き刺し、右フックをボディへ送る。
このコンビネーションを幾度もヒットさせます。
ここに飛び込んでの左フックを交え、ラウンド終盤には一方的に…
 

9R、中盤にスピンクスの飛び込んでの左フックに右フックを合わせたホームズ。
効かされたスピンクスは後ろへ下がります。
しかし、終盤に進むにつれスピンクスは左右のフックを複数入れてジワジワ盛り返す。
 

10R、中盤から後半にかけて、スピンクスはコンビネーションでホームズを捉える。
ホームズの強烈なワンツーをまともに喰らっても怯まない。
 

序盤を支配したホームズ、中盤を支配したスピンクス…。
試合は後半勝負へと突入していきます。
 

11R、ホームズが盛り返してくる。
タッチするような細かいジャブの連打でホームズを止めるスピンクス。
しかしホームズは右の強打で支配する。
どこまでをヒットと獲るかで採点が別れそうなラウンドです。
 

12R、回転の速いスピンクスと、一撃の重いホームズの殴り合い。
終盤ロープ際での殴り合いとなりますが、ホームズは若干効かされたようにも見えます。
 

僕のマイジャッジではここまででドロー。
HBO(TV局)の採点ではホームズの2Pリード。
今は失われた13R以降に全てがかかります。
 

13R、序盤から頭をつけて撃ち合う二人。
中盤、何度もスピンクスの左がホームズを捉える。
しかしホームズもボディに強打を叩き込む。
見栄えとしてははっきりスピンクスが獲ったラウンド。
 

14R、消耗激しいホームズ。
手数が減ったところをスピンクスの高回転の連打に飲み込まれていく。
しかしヘビー級としてはあまりにも軽い連打に効いたようには見えないホームズ。

そこでホームズは右の撃ち降ろし一撃。
スピンクスは危うく膝をつくダメージ。
追いかけて強烈な右の強打をいくつも叩き込むホームズ。
フラフラになりながらロープ際をずるずる逃げるスピンクス。
しかし最後の15秒、スピンクスも連打で押し返す。

ヒット数を優先すれば圧倒的にスピンクス。
ダメージを優先すれば圧倒的にホームズ。
勝負どころになって採点がどちらに振れるか難しいラウンドが続きます。
 

激戦、最終の15R。
高速回転のスピンクスに飲み込まれかけるも、強烈な右ストレートを効かせるホームズ。
最後のゴングが鳴り、両手を上げるスピンクスに一声かけるホームズ。
観客総立ちのこの試合、最後は静かに終わります。
 

HBOの採点では144-141でホームズ。
僕のマイジャッジでは、141-144でスピンクス。
 

公式ジャッジも同じように割れ…最後の一人。
144-142…
 
 

スピンクス。
 
 

「仕方ないね」とでも言いたげな笑みを浮かべるホームズ。
ここに本当のホームズ時代の終焉が訪れました。
 
 

この試合でホームズは引退。
 

不人気王者だったホームズ…最後に残した言葉。

「誰も愛してくれなくたっていい、家族が俺を愛してくれればそれでいいんだ」
 

時代を作った名王者はリングを降り、戦いに幕を下ろしました。
 
 

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