伝説のハードパンチャー ドワイト・ムハマド・カウイ(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/07/23

伝説のハードパンチャー ドワイト・ムハマド・カウイ(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/07/23
 
 
 

ドワイト・ムハマド・カウイ(米)、4日目。
 

この頃はまだ名前がドワイト・ブラックストンだった頃。

前回は、売り出し中の元囚人ホープ、ブラックストンが、
刑務所に乗り込み、現役囚人ジェームズ・スコット(米)との戦いに勝利したところまで。
 
 

ホープ同士の争いに勝ち残ったブラックストンは…世界挑戦者の座を手中に入れます。
この頃の世界王者はWBAがマイケル・スピンクス(米)、WBCがマシュー・サアド・ムハマド(米)。

スピンクスは金メダリストから一気に世界王座を獲得した若き王者。
マシューは既にWBC世界ライトヘビー級を8度も防衛している名王者として。
二人の統一戦が期待されている時期…。

ブラックストンが手に入れたチャンスはマシューの保持するWBC世界ライトヘビー級王座への挑戦。
 

マシューもまた、のちのブラックストンと同じように、
イスラム教への改宗からマシュー・フランクリンの名をイスラム名へ変えた一人。
この時代、スピンクスの前のWBA世界ライトヘビー級王座には
エディ・グレゴリーから名を変えたエディ・ムスタファ・ムハマド(米)もおり、
“3人のムハマド”…なんて言われたりもします。
 

そんな中でもマシューは、ハードパンチでは並居る歴代レジェンドの中に名前を残し、
98年に国際ボクシング名誉の殿堂入りを果たすほどの選手です。
全身バネでボッコボコもらいながらも最後は持ち前の強打でぶっ倒す…客受け抜群の選手。
観衆からは「ミラクルマシュー」とも呼ばれる記憶に残る名王者。
 
 

さて、ブラックストンとマシューの対決…。
ブラックストンのサイズもあって、前評判では圧倒的にマシュー。
 

開始直後からボディへのジャブを突き刺していくブラックストン。
体格差を補うスピードにあふれたブラックストンのジャブ。
撃ち合いが信条のマシューが、小さなブラックストンのプレッシャーで下がらされる。
マシューの強打をダッキングで潜り抜け、空転させ、技術豊かにペースを握り…
ヒット数、手数で圧倒的に上回るブラックストン。
 

対してマシューは強烈なフックで襲いかかる。
ヒットするのはわずか数発でも大きな打撃音がそのパワーを物語る。
2Rにはフリッカージャブから右の撃ち降ろし、アッパーとマシューがブラックストンを捉える。

しかしこのラウンド後半、形勢は一気にブラックストンへ…。
ブラックストンのオーバーハンドの右がマシューを捉えると、ブラックストンは一気にラッシュ。
棒立ちになるマシューを攻め立ててこのラウンドのゴング。

次のラウンドで一気に決めるかと思えたブラックストンですが、丁寧にボディへのジャブからやり直す。
マシューの強烈な左フックをダッキングでかわし、かわしきれないものはクロスアームブロックで吸収。
接近するとボディを攻め立てマシューは苦悶の表情。

マシューの足が止まり、頭をつけての撃ち合いになると、
ブラックストンのボディから顔面へ突き上げる返しがマシューを幾度も捉えていきます。
時折刺さるマシューのパンチは怖さを残すものの、展開は一方的。

4R終盤、少し距離を取ったマシューが大きくふるった右アッパーに、
オーバーハンドの右を被せたブラックストン。
これが効いてしまったマシュー。
近距離でも距離を取っても滅多撃ちにされてしまう…成す術がなくなります。
 

5R、ブラックストンのボディジャブに対して、ローブローの注意が与えられる。
これをきっかけにジャブを顔面に持っていくようになるブラックストン。
距離が開いた状態でも次々にマシューを襲っていく。
 

そのままフルマークがついていそうな一方的な展開となった試合。
離れれば上下にジャブを散らし、くっつけばボディから顔面へ返すアッパーで襲う。
終始ブラックストンは自分のボクシングを徹底する。

ストレートをかわしてフックで、フックをかわしてアッパーで…
強烈なカウンターを浴びせるブラックストン。
幾度も意識を飛ばされかけるマシュー。

ブラックストンがいつ倒すか…そんな展開でも無理な大振りはせず。
挑戦者はこれまで反復してきたことをひたすら繰り返す。
それが着実に強打の人気王者、マシューを削っていく。

9R頃には強打を誇ったマシューのパンチも威力はそげ落ち、手さえも出なくなってしまう。
 

10R、もう距離を取る足が残っていないマシュー。
ブラックストンの望む近距離の撃ち合いを受け入れるしかなくなる。
会場からは盛大な”マシュー”コール…。

ジャブで遠ざけようとしてもそのほとんどを抜群のボディワークで躱すブラックストン。
結局距離がつまり防戦一方になるマシュー。

そんな展開で、苦しそうに出した引っかけるような左フックがヒット。
これに手ごたえを感じたか、一気に攻めて出るマシュー。
勝つには倒すしかない…最後のチャンス。

マシューが右フック、ストレートとヒットさせ、二人は猛烈な撃ち合いへ…しかしマシュー最後のアタックも…
ここで撃ち勝ったのはブラックストン。

ショートの6連打でたまらずマシューはふらつきながら背中からダウン。

再開に応じたものの、ブラックストンに簡単に追いつめられると…
連打をひたすら叩き込まれ、耐えきれなくなったセコンドが制止を振り切りリングに飛び込む。
試合が止められ、ブラックストンの勝利。
リング上に雪崩れ込む人々…。
 

圧倒的な強さ、そして目立ち過ぎる程に異色のその小さな体…
人々の目にドワイト・ブラックストンのその強さを刻みつけた試合…
ブラックストンが初の敗北以来15連勝で王座を奪い獲ります。

「小さな体で大きな相手をなぎ倒しまくった」…と聞くと、怪物じみた姿が思い浮かぶが実はそうではない。
スピーディーなジャブから丁寧に組み立て、抜群のボディワークと丁寧なブロックで相手のパンチを回避。
それに合わせて、四角いリングを上手く使った足の運びで相手を下がらせていくプレッシャー。
ブラックストンのファイトは常に丁寧な基本の上に成り立つ。
 

ここに第11代WBC世界ライトヘビー級王者、ドワイト・ブラックストンの名が刻まれます。

 

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