2024/8/12 -愛知・名古屋国際会議場 – 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2024/8/12 -愛知・名古屋国際会議場 – 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

23歳から26歳にかけて。
僕は名古屋市北区の鳩岡という場所に住んでいた。
41号線沿い、一階にダーツバーがある、城北小学校のすぐわきの建物。

完全にワーキングプアだった時代。
働いても働いても借金が重なっていた頃。
ベランダでタバコをふかしながら、小学校の校庭を眺めていた。

畑中 建人(畑中)はその小学校の出身だ。
畑中は小学校の同級生と結婚した。
年齢から逆算すると、僕が眺めていた小学生たちの中に、未来の畑中夫妻がいたことになる。

中日本ボクシング観戦記を書き始めた頃、ちょうど畑中がデビューした。
僕の中日本ボクシング観戦記は畑中のキャリアと共にあったようにも思える。
それよりずっと前から、畑中との一方的な縁があったようにも感じる。

キャリア初期にはタイ人選手相手にグラつかされたこともあった。
世界王者の息子としてデビューした畑中…名前の大きさと、その力量に前途多難さを感じた。

元々畑中は強い選手だった。
ただ、近辺の階級には矢吹 正道(LUSH緑)もいたし、同門には田中 恒成(畑中)もいた。
親子二代の世界王者を目標とするには、少し見劣りするようにも感じた。

しかし、畑中は負けなかった。
それだけじゃなく、みるみる強くなり、その名前に相応しい選手へと突き進んで行った。
気が付けば、WBOアジア太平洋王座を大激戦の上で獲得するほどの選手となった。
今や立派な世界ランカーだ。

世界王者の息子という大きすぎる肩書。
負けずに、その力を伸ばし、今の位置に辿り着くまで、ずっと見て来た。
もう8年近く、その成長を見続けて来た選手だ。
その間に成人し、父親にもなり、彼の人生の断片まで含めて、ドラマとして愛して来た。

正直、デビュー当初はここまで来るとは想像がつかなかった。
想像をはるかに越えている。

そして、きっとより強く、大きく飛躍していくんだろう。
畑中のWBO-AP王座の初防衛戦に用意されたのは、タイ人世界ランカーだった。
日本人対タイ人の勝率は日本人が圧倒している。

ボクシングより、ムエタイやキックボクシングの方が儲かるようになった近年。
田中 恒成に善戦したパランポン・CPフレッシュマート(タイ)はその後、
中国でキックボクシングのビッグマッチに出場し、もう働かずとも一生暮らせる大金を得たとも聞く。

昔はより大きなファイトマネーを求めてムエタイのトップ選手が
ボクシングに転向していたがその流れも消え去って久しい。

ただ、幼少からムエタイに親しむタイと言うお国柄。
強い奴が消え去ったわけではない。
日本人には親しみのあるタノンサック・シムシー(タイ)など、トップ選手たちの強さは凄まじい。

世界ランカーともなれば、当然ながら強い部類に割り当てられる選手。
昭和・平成の時代の強いタイ人を思い浮かべるのが妥当だ。
まるで子供を心配するかのように不安になる。

この日の前日、刈谷あいおいホールでは中日本新人王を争って、中村 列亜(畑中)がリングへ。
計量を終えた直後の畑中が応援に駆け付けていた。
間近で見たその顔は立派な大人の顔だった。

どうしてもデビューしたての幼い顔を思い浮かべてしまっていた。
違う…もう父親にもなり、激戦を乗り越えたチャンピオンだ。
きっと勝ってくれる。

畑中の負けを心配する弱々しい心は、畑中の勝ちを期待するワクワク間に切り替わっていた。

さて、ここでいつもの前置き。

自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。

先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識した上で、読み進めていただきたい。

我らがWBOアジア太平洋王者、畑中がチャンピオンとして、僕らの夢を背負ってくれる。
威風堂々、僕らの畑中がリングに上がる。
感受性を最大まで解放して、その戦いを観戦し、感情を揺さぶられる。

畑中の戦いが楽しみで仕方ない。
きっとやってくれる…。

配信の無いこの日、僕は純粋なファンとしてチケットを握りしめて国際会議場へ向かう。
畑中 建人のファンとして、畑中を応援しに。
きっと勝ってくれる…強くたくましく。

 

 

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