2023/09/10 -静岡・ふじさんめっせ- 第3試合~第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/09/10 -静岡・ふじさんめっせ- 第3試合~第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーバンタム級4回戦】
植松 卓美(駿河男児) vs 西岡 翔史(升田)

植松 卓美 3戦3勝
西岡 翔史 1戦1敗


ジャブを刺し合う立ち上がり。
植松のボディジャブが鋭く刺さっていく。
西岡からは距離が遠い展開。


2Rに入り、植松が右から入る場面を多く作り始める。
なかなか対応できない西岡。
ラウンド終了直前には植松の強烈な右ストレートが突き刺さる。


3R、このラウンドも植松の距離感が冴えわたりほとんど被弾はなく。
植松のボディジャブばかり積み重なっていく。
植松がダッキングしたところに西岡のアッパーが刺さる場面はあったものの
ここもすぐにリカバーし、単発被弾に留めた植松。
付け入る隙をほとんどあたえないまま最終ラウンドへ。


4R、出て来る西岡を左で止める植松。
ブレイク後にボディを撃ってしまい減点をとられるが、ここはレフリーが厳しく取ったか。
最後の最後まで西岡を空転させたまま試合終了のゴング。


マイジャッジ 39-36 植松

公式ジャッジも39-36×3で植松

西岡にとっては相手がずっと遠かった。
前に出ようにもそこにジャブが飛んでくる。
ジレンマの中の戦いだったように思える。
向き合った西岡自身が、植松の強さを一番強く感じたのではないか。
これだけの相手と戦った経験を、今後に活かしていって欲しい。


植松ははっきりとその力を示してのB級昇格となった。
遠い距離からジャブで刺し勝ち、さらに相手が前に出てきたところに刺すストッピングジャブ。
左手で試合を完全に制し、次のステージに相応しいことを誇示した戦いぶりだった。

アマで膨大な練習量をこなして来た選手たちが揃う駿河男児の中でも
トップクラスの努力家と称される叩き上げ選手。
彼がどこまで強くなるのか…叩き上げの夢と言える存在になって欲しい。

 

【フェザー級4回戦】
植松 風河(駿河男児) vs 高島 裕樹(宮田)

植松 風河 デビュー戦
高島 裕樹 15戦6勝(3KO)7敗2分


お互いに緊張感高くフェイントをかけ合う中、
少し遠い距離に位置取り、静かに試合が立ち上がっていく。
ハンドスピードで植松が勝るか、ヒットのわずかなラウンドだが
植松の右ストレートがヒットした場面が印象的。


2R、接触する回数が増え始めたところ、
植松が左フックをヒットさせ、さらに後続打でも捉える場面を作る。
いったんその場を脱出した高島だったが、ラウンド終盤、植松が左をヒットさせた後、
クリンチに逃れようとするも振りほどかれ、ロープ際で左フックを被弾。
植松はその場面逃さず、一気にパンチを纏め、右ストレートで顔面を跳ね上げたところで
レフリーが割って入ってのストップ。

TKOタイムは2R 2分47秒

 

距離が遠いまま、致命的な被弾を受けてしまった高島。
4年振りの復活のリングは苦いものとなってしまった。
植松がただただ強かった…そう言える試合だったように感じる。


完封の上、見事なTKO勝利を挙げた。
ほぼ被弾なく、安全な位置に居続けた上で制した試合。
効かせた瞬間に仕留めに行った部分も、仕留め切った部分も、完璧と言えるデビュー戦。

もしもこの選手が来年の新人王戦にエントリーするなら…。
目玉選手と言える存在になり得ると感じる。

 

【スーパーバンタム級6回戦】
木村 天汰郎(駿河男児) vs ジョーム・サイトーンジム(タイ)

木村 天汰郎 11戦9勝2分
ジョーム・サイトーンジム 20戦10勝(7KO)10敗


この日はオーソドックスに構えるジョーム。
静かにタイミングを測り合う中、お互い時折踏み込んでは
木村が右ボディ、ジョームが右フックを叩きつける。

ラウンド終盤、強烈に右ストレートをヒットさせた木村が
続けざまに攻め込もうとしたところ、ジョームの右がカウンターで刺さって木村がダウン。
「やっちゃった」感を表情に出す木村。

再開後は追撃の右を喰うもクリンチに逃れてタイムアップ。


2R、タイミングの測り合いの中、ジョームがボディで襲う。
撃ち合う場面では木村の振りが大きくなり、内側からジョームのパンチが刺さる。
ラウンド終了間際、木村はジョームを左フックでロープ際まで吹っ飛ばす。
この試合初めてのチャンスも、残り時間少なくゴング。

ヒット数ならジョームだが、ラウンド最後の場面の印象が強い。
ポイントはどう転ぶか…


3R、強烈に右ボディを叩きつけ、入ってきたところには右を撃ち下した木村。
タイミングを測り合う時間が長くなり、お互い明確なヒットが少ない中
印象的なヒットを奪った木村のラウンド。
この試合初めて木村が明確に獲ったラウンドか。


4R、踏み込もうとするところに待ち構えるジョーム。
安易には踏み込めない展開の中、見合う時間が長くなる。
お互いに綺麗なヒットがなかなか産まれない中、木村が何度か当てた左フックが印象的


5R、前半は入って来る木村にジョームが懐でショートを浴びせる展開。
ラウンド中盤、木村の強烈な右がヒットするが、ジョームも右でやり返す。
終盤に入って強烈なジャブや踏み込んでの左右フックをヒットさせる。

クリティカルでは木村か、ヒット数ではわずかにジョームか。
スイングラウンド。


6R、右からの左フックで一瞬ジョームが膝を折る。
離れたところから踏み込んでは形が崩れてクリンチの流れ。
お互いが一発目が当たらない展開が続く中、このラウンドは木村のヒットが目立った。


マイジャッジは57-56で木村。
スイングラウンドが二つあり、58-55~56-57まで考えられる。

公式ジャッジは…
58-56×3で木村


ダウンラウンド以外は木村が獲った計算だったが、その内容はヒヤヒヤもの。
判定が逆についてもおかしくなかったように思う。

出て来てくれない相手に木村の踊るようなステップは見れず。
1Rのダウン後、待ち構える相手に対して安易に踏み込んで行く時間は制限された。
相性の問題か、ブランクの問題か、この日、木村のいいところはほとんど出なかったように思う。

ブランク明けの試合、こういう試合があってもいいと思う。
また軽やかなステップでリングで輝く木村が見たい。
木村 天汰郎の復活は、また次回、持越しの印象だった。


対してジョームはこれで日本のリング5連敗となったが、
これまでのKO負けとは違い、勝っていてもおかしくなかった試合。

「タイ人が弱い訳じゃない、組み方がおかしい」とはよく自分が口にする言葉。
国内トップ級の選手やチャンピオンクラスと組まれれば、
当然ながらレベルは違ってしまう。

相手次第ではランカークラスでも充分に際どい試合を演じれることを証明したジョーム。
また、日本のリングに呼ばれて欲しいと感じた。

 

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