2016/12/04 刈谷あいおいホール-セミファイナル-(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
本日は12/4の薬師寺ジム興行。
刈谷あいおいホールのセミファイナル。
休憩が終わると、場内の空気が一変。
リング前に陣取るスポンサー。
がっつり準備するTVカメラ。
U-15王者である森 武蔵のプロデビュー戦。
中学を卒業するとすぐに薬師寺ジムへ入門。
遠く離れた故郷熊本をあとにして、プロデビューまでの時間を待ち続けた。
【59.5kg契約4回戦】
森 武蔵(薬師寺) vs 深井 一矢(中内)
・森 武蔵 デビュー戦
・深井 一矢 1戦1敗
先にリングインした深井。
表情から、喰ってやる…といった気概がはっきりと読み取れる。
バッチバチに気合が入り、漂う緊張感。
デビュー戦の癖に派手なコスチュームに身を包み、
入場局ととも悠然とリングインする森。
きっと面白くないだろう深井。
心の中で、「殴り倒してやれ」なんて思う。
森には何の恨みもないし、期待さえしているけれど、
強者に立ち向かうボクサーには、どうしても肩入れしてしまう。
ゴングが打ち鳴らされ、ファーストコンタクト。
ジャブをカッチリガードした深井。
勘違いかもしれないけど、「よし!行ける!」といった表情に見えた。
…しかし…次の瞬間、森のストレートが深井の顎を貫く。
わずか一撃、吹っ飛ぶようなダウン。
立ちあがった深井…しかし…左ボディフックから顔面への左フック。
森が放った左のダブルで前のめりに崩れる深井…。
立ちあがった深井だが、唖然とした表情を浮かべながら…
どこが痛いのかさえ理解できないようなリアクション。
ファイティングポーズをとることができず…数え上げられる10カウント。
わずか4発のパンチで初陣を飾った森。
2017年の新人王戦に出場するそう。
果たして…彼を止めれる相手がいるだろうか。
6回戦デビューで問題ないように思える実力。
しかし、下手に6回戦から…となれば、マッチメイクには苦戦するだろう。
東農大主将だった華井が、対戦相手が見つからず、外国人ボクサーとばかり戦うハメになったように…
そんな戦績を見返したファンが、「作られた戦績」などと言い始めることも想像に難くない。
アマで実績のある選手が新人王を狙って4回戦…
1週間前にデビューした畑中 健人(畑中)も同じルートを辿るらしい。
実力差のある4回戦…。
この試合を見た自分の感想としては…「残酷」。
叩き潰す必要のない選手の夢を食い破りながら、
新人王を勝ち進む二人のホープを想像してしまう。
“咬ませ”と呼ばれる海外選手と戦うことは、本当に悪いことなのか…。
強い相手と戦う資格を得るまで、そういった試合を積み重ねることは決して卑怯ではないと思う。
相手が日本人か海外選手か…それだけの話であって、
今現状、森にとって実力差のあるカードしか組めないのは変わらないのだ。
ファンのヤジに敏感に反応し過ぎている気もする。
ただし…もし新人王に出るのなら。
スーパーホープを食い破る選手の登場にも期待したい。
そのあたりは確かに楽しめる…
楽しめはするけども…
そういう時代ということか…
強い奴が獰猛に周囲の夢を食い破っていく…
それもまた…That’s Boxing…
この試合後、勝利者インタビューの際にリングに上がった薬師寺 保栄(松田)。
「ジムを始めて10年。ようやく強い選手が出てきた。」
そう言って紹介されたのが…矢吹 政道(薬師寺)。
3戦3勝(3KO)の戦績で西軍代表決定戦を勝ちぬけた。
中谷 潤人(M.T)との全日本新人王に挑む。
この中谷…間違いなく世界を期待できる逸材。
かたや矢吹、3勝すべて1RTKO。
いずれも担架が持ち出されるほどの壮絶なKO勝利を飾っているらしい。
中谷と矢吹の全勝対決…これを強くPR。
薬師寺さん…盛り上げるの上手いね…。
でも、そういう噂を広めるのはファンの仕事のような気もしてて、
「そんな言うことじゃないですが…」って前置きしながらそれを話す薬師寺さんに
なんだか申し訳ない気持ちにもなった。
すんげぇカードがあったらね、知ってる人が言っていかなきゃね…って。
少なくとも、僕は中谷が超絶期待の逸材って認識はあった訳だし。
ちゃんと言わなきゃダメですね。
改めてそんな思い。
さて、この日のメインは負け越しノーランカーがランカーに挑んだ一戦。
ランカーの壁、そしてそれに挑む男の背中。
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