2023/11/23 -愛知・津島市文化会館- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

試合序盤からファイトの距離感で試合が進む。
細かく立ち位置を変え、角度をつけて襲う芝山だが、小川がズイズイと詰めていく。
芝山がクリンチで抑えようとする場面でも、空いた腕で小川が強烈に襲う。

芝山がファイター小川に対し、ファイトで対抗。
押し込んで行く場面を作り、下がる足も撃ち込むスペースを作る攻撃的なモノ。

ミドルレンジでは、小川が左のロングフックを浴びせながら飛び込み、
ボディへの連打から右アッパーへとつなげていく。
最後は怒涛の手数でフィニッシュ。

マイジャッジ　40-36　小川

公式ジャッジ
39-37、39-37、40-36

3-0 小川

敗れはしたが、ファイターに立ち向かった芝山には大きな拍手と
「ナイスファイト」の声が贈られた。
負け姿でもしっかりと魅せられるボクサー。

勝負事の世界だからこそ、もちろん、勝利を挙げて欲しい思いはあるが
プロボクサーとして魅せるべきものは魅せている選手。
今後の戦いにも、自信を持って挑んで行って欲しい。

小川が怒涛のボディ攻めで飲み込んだ。
最終ラウンドの顔面に行きたくなる場面でも、ボディを積み重ねた姿に小川の強さを感じた。
連敗が続いていた天熊丸木ジムの連敗ストップ。

2023年の2勝目は前回の勝利と同じく小川の勝利。
この選手が、いずれ名門天熊丸木を背負う未来予想図も感じられた。

芝山定佳　3戦1勝2敗
小川椋也　5戦3勝(1KO)1敗1分

緊張感の高い、躱し合いの展開。
わずかに駆け引き合戦を加藤が上回っていく。
相撃ちの場面でも、その次を撃ち込む加藤が印象がいいか。

3には右ストレートを強烈に差し込んだ津田。
これをきっかけに加藤がステップを含めて動きを上げると試合は一気に好戦的に。
お互い大砲のフックを相撃ちし、津田が膝をつく場面も…ここはスリップ。

最終ラウンド、攻め込みたい劣勢の津田だが、
先に先に加藤が手を出していき津田の手数は上がらず。
足を使ってかわしながら、カウンターの一撃を狙ったように見えたが、
その拳は火を噴かず…最後まで加藤が攻め込んで終了のゴング。

マイジャッジ　40-36　加藤

公式ジャッジ
40-36、40-36、40-36

3-0　加藤

好戦的な試合、封じられた試合、一撃に泣く試合…。
様々な試合を重ねて来た津田が、また新たに駆け引き合戦の試合を経験した。
どういうボクシングが津田のボクシングなのか…
今はまだ固まっていないようにも見える。

ただし、これが固まったときには、ここまで踏んだ試合の経験が引き出しとなるはず。
たった4試合で彩り豊かな試合をしてきたボクサー。
無駄な試合は一つとして踏んでいない。

負け越しが2つとなったが、いずれやってくる飛躍の瞬間に
より強くなっているための遠回り。
その時を楽しみに待っていたい。

約2年ぶりの勝利を完勝で飾った加藤。
前回落とした接戦の内容といい、しっかりと力を伸ばしているようにも思える。

際どいタイミングでも撃って行ける度胸もあり、
さらには撃たれた後に怯まずに撃ち込んでいける度胸もある。
形は綺麗だが、心は無骨なボクシング。

幼少から長くボクシングを続けている選手だが、完成形はまだ先にも思えた。
B級昇格まであと1勝…より高いレベルへ挑んで行く時期が楽しみで仕方ない。

津田康光　4戦1勝3敗
加藤駿希　7戦3勝4敗

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