2019/03/31 -愛知・刈谷市あいおいホール- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2019/03/31 -愛知・刈谷市あいおいホール- 1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 

■中日本ミニマム級新人王準決勝
【ミニマム級4回戦】
一枡 克美(駿河)　vs　大畑 龍世(伊豆)

一枡 克美　1戦1敗
大畑 龍世　デビュー戦
 

頭をオレンジ色に染めたデビュー戦の大畑。
フレームが一回り大きな一枡は、大畑が入ってきたところに左フックを思い切り叩き付ける。
対して大畑は距離を取ろうとする一枡に対し、入り込んで右フックを叩き付ける。

圧力をかけていく大畑の入り際を叩きながら距離を取る一枡だが、
手数が少なく大畑の侵入を許す場面が目立つ。
しかし、ラウンド終了直前、連続で左ジャブを突き出すと、次々に大畑の顔面を捉えていき、
右アッパーを炸裂させて、ラウンド終了のゴング。
 

2R、一枡が左でコツコツとヒットを重ねる。
さらに中盤、大畑が入って来たところ、一枡の左フックが強烈に大畑を捉える。
しかし、それでも圧力を緩めぬ大畑、捉える場面は強烈。
 

3R、ゴングと共に前に出て行った大畑。
左右を振り回してにさらに圧力を強め、追いかけていく。
飲み込まれかける一枡だったが、左ボディを強烈にめり込ませて突進を止める。

大畑が距離を潰して強烈に一枡を捉えれば、一枡はカウンターで大畑の顔面を跳ね上げる。
そんなシーンが幾度も訪れた3R…。
ここまで、ジャッジの好みで判定が割れそうな試合。
 

4R、このラウンドも詰めて出る大畑。
左右フックで次々に一枡を捉え、最後の三分間に出し切りにかかる。
押し込まれる印象で分が悪い状況の一枡だったが、ラウンド中盤、
前掛かりになった大畑の顔面をジャブで大きく跳ね上げ、大畑はバランスを崩す。
立て直した大畑は、また猛烈に攻めていくが…。
最後は一枡のカウンターの右ストレートが強烈に大畑を捉えたところで試合終了のゴング。
 

割れるか…その要素は充分にある。

マイジャッジ　39-37　大畑
 
 

 

公式ジャッジ
39-37×3
 
 

勝者：大畑
 
 

これでデビュー2連敗となった一枡。
決して悪い選手ではない。

デビュー戦、一撃でリングに沈んだあの日、無茶な撃ち合いを敢行した一枡はこの日、
攻めの姿勢の大畑のパンチを、うまく外す場面が多く、
飲み込まれかけた場面では強烈なボディで止めて見せた。
伸び代ばかりの選手…この先は、デビュー戦2連敗でへこたれてしまうのかどうか…のみだと思う。
悪い負けではない、強くなる布石の詰まった負け。
諦めなければ、まだまだ強くなる。
次の試合が楽しみになった。
 

ファイター型の大畑は、足を使う相手を押し切ってのデビュー戦勝利。
次戦は8/4、中日本ミニマム級新人王決勝戦で丁野 拓海(中日)と対戦する。
ハンドスピードも、威力もある丁野に対し、どこまで対抗するのか…。
大畑にどこまでのタフネスがあるか…そこが勝負を決めるようにも思える。
 
 

■中日本ライトフライ級新人王準決勝
【ライトフライ級4回戦】
ブル 弘師(HEIWA)vs田中 蓮志(トコナメ)

ブル 弘師　5戦2勝(2KO)3敗
田中 蓮志　2戦1敗1分
 

ゴングとともににジャブを突いていったブルの左がオープニングヒット。
田中は後続をしっかり凌いで、一旦リセット。
お互いにフェイントを賭け合いながら入るタイミングを伺う。

そんな中、ジャブを当てるとスッと入り込んで左フックをヒットさせた田中。
ワンツーも左ボディも抜群のタイミングでブルを捉える。

ブルも撃たれた後、崩れず…。
田中の左フックを躱して、カウンターで撃たれるブルの左フック…
田中は躱すが、ブルのタイミングもかなりスリリング。

ラウンド終盤、ロープ際で撃ち合った二人。
コンビネーションで田中がブルを捉える中、差し込むようにブルの右ストレートが炸裂する。
お互いにスリリングな攻防の中、田中の右ストレートがカウンター一閃、ブルの顎を捉えて強烈なダウン。

立ち上がったブルだったが、ふらついてそのままロープにもたれかかる。
明らかに効いてしまったブル…レフリーは両手を交差させて試合終了。
 

TKOタイムは1R 2分53秒
 

元同門対決…様々な思いがあるのだろう、悔し涙を流すブル。
しかし、バランスも重心もこれまでとは見違えるようだった。
ブルは明らかに強くなっていた。

ブルが歩いてきた道、そして取り組んでいることはきっと間違っていないはず。
廣瀬トレーナーは試合後、「この負けをただの負けにはしない」と宣言している。
きっと、手応えもあってのことだろうと思っている。
「ブル 弘師は近いうちに必ず来る。」僕もここにそう書き残しておこうと思う。
 

これで初勝利となった田中だが…、これまで勝てなかったのが不思議という声が多く聞こえた。
デビューから2試合、好選手と当たってしまった結果だったと思う。
ただ…この日のパフォーマンスはこれまで以上のもの。
スピード豊かな選手…と見えていたところに、抜群のタイミングと切れ味を付加した。

飛び抜けた存在さえいなければ、全日本新人王を期待させる選手と
胸を張って言える存在になっていると感じる。

力はある…あとは自信を持って挑めるか否かだけ。
これで、8/4の中日本ライトフライ級新人王決勝に進出。
待ち受けるのは、「頑張るボクシング」の中村 潔(ARITOMI)だ。
 
 

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