2024/3/16 -愛知・ポートメッセ名古屋・第3展示館- 第1試合～第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
■2024年度中日本スーパーフライ級新人王準々決勝
【スーパーフライ級4回戦】
桂 ケンシロウ(とよはし) vs 木内 翔太(カシミ)
デビュー戦の桂がいきなり飛び出し、一気に責め立てた。
勢いに飲まれながらも時折強烈なパンチを返し、抵抗する木内。
手数、ヒットで上回られる劣勢の中、1R終了直前、
強烈にカウンターを浴びせて可能性を見せる。
2Rも攻め込んで来る桂に対し、時折スリリングに返していたが、
右フックを浴びてダメージが噴出するようなダウン。
なんとか立ち上がって試合に応じたが、
最後は手が出なくなったところでレフリーが試合をストップ。
TKOタイムは2R 2分34秒。
感情をあまり表情に出さないと聞いていた桂の嬉しそうな顔が印象的。
プロのリングで勝利する…
日常では出さない感情さえ溢れ出してしまうものであることを再認識した。
また、この顔が見たい…次の勝利を楽しみにしている。
そして、木内にもこの瞬間が訪れる日を楽しみにしている。
攻め込まれ、後手に回る中でも、相手の顔面を弾くカウンターを差し込んだ。
デビュー2連敗…しかし、プロのリングで戦える姿は魅せている。
どうかあきらめずに、立ち向かって欲しい。
桂 ケンシロウ 1戦1勝(1KO)
木内 翔太 2戦2敗
■2024年度中日本スーパーフライ級新人王準決勝
【スーパーフライ級4回戦】
平柳 道彦(LUSH) vs 片桐 頌斗(中日)
前戦に引き続き、この試合も静かに立ち上がった片桐。
強打者同士の緊張感のある戦いだったが、平柳の右が炸裂。
ダウンから立ち上がった片桐だったが、ダメージは濃く、
平柳がまとめたところでレフリーがーストップした。
TKOタイムは1R 2分31秒
これまで大きく振り込んでいた平柳がコンパクトな強打で勝利を収めた平柳。
フィジカルの圧力はより増していたように思える。
大きく振ることで分散していた力が一点に纏められたような一撃。
これまで粗さもあった戦いぶりが一気に洗練されたように思えた。
成長を感じる一撃、今後への期待値が高まったようにも思える。
片桐はエンジンがかかる前に試合が終わってしまったか。
猛攻一辺倒からの変貌を遂げようとしている時期。
時間はかかって当然…きっと強くなれる。
片桐ほど「行く」ことができるボクサーは稀有な存在。
現在取り組んでいるボクシングが固まった後でも、
きっとその特色は片桐のいざという場面を支えると思っている。
その時期が来るのを楽しみにしている。
平柳 道彦 3戦2勝(1KO)1敗
片桐 頌斗 5戦1勝(1KO)3敗1分
■2024年度中日本フェザー級新人王準決勝
【フェザー級4回戦】
木附 大己(LUSH緑) vs 植松 風河(駿河男児)
レベルの高さがはっきりと見て取れるスリリングな攻防でスタート。
お互いにスピードのある大砲をかわし合う。
勝負は一瞬、植松の右をかわし、
後続打に対してポジションを変えながら、木附が右を振り抜いてのカウンター。
完璧な一撃でダウンした植松に対し、
ダメージの深さを見て取ったレフリーは試合をストップ。
TKOタイムは1R 1分54秒
身体能力の高さはチャンピオンクラスだが、
それを持て余していたようにも見えたこれまでの木附。
技ありの一撃は、覚醒を感じさせる…この男が今年の新人王レースの主役になる。
そう思わせてくれる一撃だった。
また、この試合の相手が植松だったからこそ、木附に驚愕できた部分もある。
ハッキリと強い選手であることは間違いない。
ただし、より強い相手が存在していることもこの試合ではっきりした。
上には上がいる…それを乗り越え、追い越してこそのボクシングだとも思う。
ここからの逆襲を楽しみにしている。
木附 大己 5戦3勝(2KO)2分
植松 風河 3戦2勝(2KO)1敗
【スーパーフライ級4回戦】
桑高 将称(とよはし) vs 名和 祐輔(岐阜ヨコゼキ)
序盤、かなりオーバーペースに攻め込んだように見えた桑高。
名和は後手に回るも、時折差し込む強烈なカウンターで反撃。
2R以降、桑高のペースが若干落ちると、試合は打撃戦へと展開する。
手を出し続ける桑高が際どく上回るか…しかし、ペースとしては互角。
最終ラウンドまで雪崩れ込んだ試合は、桑高が消耗しながらもラストスパート。
しつこくしつこくボディを削り、残り2秒、
手が出なくなった名和をレフリーが救出。
TKOタイムは4R 2分58秒。
連打を浴びる中でも臆せずカウンターを撃ち込んで行った名和。
勝利の可能性はしっかりと握っていたように思う。
初勝利、きっと届くと思えるからこそ、次に向かって欲しい。
桑高がペース配分を誤ったようにも見えたが、最後の最後にスパートをかけた。
出し切る戦いぶりがTKO勝利を呼び込んだようにも思う。
残り2秒でのストップでTKO決着となったが、正しい判断だと思った。
レフリーが危険と感じれば、残り時間は関係なく試合は止まるべきだ。
ナイスストップと声を掛けたくなる裁定だった。
桑高 将称 1戦1勝(1KO)
名和 祐輔 3戦3敗
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