2023/11/23 -愛知・津島市文化会館- セミファイナル~ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【女子アトム級6回戦】
ファナクラン・カンジャナウオン(タイ) vs 吉田 里穂(RISE)
頭一つ大きなファナクランに対してジャブ、ワンツーを綺麗に突き刺す吉田。
下がりながら戦うファナクランのワンツーを時折被弾しながらも
止まることなく強烈に右ストレートからパンチを纏めて行く。
中盤に入り、手が増え始めるファナクランだが、
吉田はワンツーに被せるように撃ち込み、主導権は譲らない。
4Rに入ると攻勢を強めてファナクランを襲っていく。
はっきりと吉田が制して続けているが、ファナクランは折れず。
固いガードで受け止めながら、カウンターを撃ち込む吉田。
手を出せば出すほど襲われるファナクランだが、
積極的に手を出して、ポイント圧倒的不利に入った試合を覆そうと試みる。
ジャブ、時折ワンツーをヒットさせるが、ダメージを与えるには至らず。
それでも、手を出し続け、残り10秒はワンツー連打で攻め立てた。
マイジャッジ 60-54 吉田
公式ジャッジ
60-54×3
3-0 吉田
力の差はあったが、ファナクランの頑張りは伝わった。
客席からもファナクランをたたえる声が聞こえて来た。
また、日本のリングで見たいと感じた。
デビュー戦で引け分けた川口 玲可(フュチュール)が2RTKOで仕留めたファナクランを
倒すことは叶わなかったものの、KOより難しいとも言われるフルマークでの勝利。
スイングラウンドさえ作らず、各ラウンドをしっかりと制した。
あと1勝でA級昇格となる吉田、ここから日本王座に向けランキングを上げていく戦い。
さらにシビアな戦いが待ち受けている。
ファナクラン・カンジャナウオン 7戦4勝(2KO)2敗(1KO)1分
吉田 里穂 5戦4勝1分
■日本ユースバンタム級タイトルマッチ
【バンタム級8回戦】
安西 蓮(名古屋大橋) vs 渋谷 亮太(T&T)
序盤からジャブが冴える安西。
左をしっかり当ててから踏み込んで纏める。
相手よりフレームで上回る安西が距離を維持しながら上の守り固く左を差していく。
渋谷はロープに詰めて距離が縮まった場面で左に右を被せに行く。
2Rには強烈にクロスで捉える場面も…
しかし、安西もその右を誘い出して左フックのカウンターを浴びせてみせる。
ジャブで圧倒的にヒットで上回る安西に主導権があるように見える試合。
上へのヒットがなかなか奪えない渋谷だが、しっかりボディはえぐる。
安西も左をジャブだけでなく、フックやアッパーに変えて強烈に捉える場面も作る安西。
4Rに入ると安西が足を止めると、ロープ際で二人が撃ち合うシーンが増える。
渋谷の強烈なボディが目立つが、元々は荒々しい接近戦が売りだった安西。
コンビネーションでえぐってやりかえす。
5R、足を使いながら左と強烈なボディ、固いガードで渋谷を突き放していく安西。
この辺りでポイント的には安全圏に入ったようにも見える。
6R後半…変わらず左で串刺しにしていく安西だが、
渋谷が右で強烈に捉えると、一気に攻勢を強めて詰める。
もらってでも撃ち返す…開き直ったような猛攻に、一気に展開が変わる。
7R、被弾構わず前に出る渋谷に、安西の腰が落ちる場面も。
激しいパンチの応酬、荒々しかったころの安西も顔を出す。
強烈なカウンターを被弾しても、コンビネーションで対抗。
最終ラウンド、振り抜いて来る渋谷に対して、まとめる安西。
お互いに効かせ合う展開、ここで足を止めて迎え撃った安西が
コンビネーションで渋谷を圧倒していく。
渋谷の手番ではガードで守り、自分のパンチをまとめ…
徐々に渋谷は手が減り、一発のカウンターに賭けるような展開に。
最後はしっかりと撃ち勝って試合終了のゴング。
マイジャッジ 77-75 安西
公式ジャッジ
77-75×2、76-76
2-0 で安西。
左一本で試合を制していくようにも思えた安西のジャブ。
角度を変え、強烈な左フックやアッパーへと変化させながら渋谷を翻弄した。
荒々しかった安西のボクシングは姿をはっきりと変え、みるみる洗練されていく。
より強い選手へと、どんどんと変化していく。
この展開を変えたのは被弾恐れずに出て来た渋谷の一撃。
構図としては安全な展開を作っていたはずの安西が撃ち合いに巻き込まれた。
渋谷側からすれば、リスクを負うしかなくなったと言えばそうかもしれないが、
そういった場面でしっかりとリスクを背負って行ける選手。
カウンターの威力もあり、怖い怖い挑戦者だった。
まさに難敵を退けた、立派な防衛戦。
そして、この試合に勝った安西には、
今年の三重で濱口 人夢(市野)との激戦を勝ち切った、
平井 乃智(石田)からの挑戦状が出ている。
望むカードが実現すれば儲けもののマッチメイクの世界。
安西と平井が相まみえるかはわからないが、実現すれば…
今年の三重と津島を見たファンなら、胸に熱を感じるカードになるだろうと感じる。
安西 蓮 15戦9勝(3KO)5敗1分
渋谷 亮太 11戦7勝(1KO)2敗2分
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