2022/07/30 -石川・内灘町総合体育館- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

福岡恋緒那　デビュー戦
メガトンまりな　デビュー戦

1R、ゴングと共にグイグイと前に出ていくメガトン。
怒涛の攻めを丁寧に防ぐ福岡だが、コーナーで顔面を跳ね上げられる。

仕切り直した後、入ってくるメガトンにアッパーを合わせた福岡。
たたらを踏んだメガトンに対して一気に攻めてかかる。
メガトンもがむしゃらに撃ち返すが、位置とガードで外しながら攻める福岡に的中率が上がらない。

2R、激しい撃ち合いとなるが、頭をしっかりと動かしながら
角度を変えて撃ち合う福岡の拳が多くヒットしていく。
しかし中盤、メガトンの右が炸裂すると福岡がフラついて後退。

1Rは福岡が、2Rがメガトンが…お互いに効かせ合う展開。

3R、両者ガムシャラな撃ち合いになっていく中、福岡はより多くボディをえぐる。
手数ではメガトン、的中率では福岡…あまりにも多く飛び交う二人のパンチ。
どちらの方がヒットで上回るかははっきりしない。
押し込んでいるメガトンを優勢ととるか…。

4R、福岡が前に出ると、逆に押し込むのは福岡の方になる。
手数でメガトン、的確にヒットさせるのは福岡の構図は変わらず。
お互いに出し尽くする中で、撃ち続けて来たメガトンの運動量が僅かに落ちたか…。
それでも変わらず終始撃ち合いの中、試合終了のゴング。

マイジャッジ　38-38　ドロー

公式ジャッジ
39-37　福岡
38-38×2　ドロー

1-0 ドロー

序盤から撃ち合いの中でも随所に巧さを発揮した福岡。
公式採点で出た通り、福岡の勝ちかドローかの試合だったように思う。
あれだけの圧力を受けても、位置を変えながら的確に撃ち込んだ姿は見事だったと思う。
この試合、ただの撃ち合いの試合ではなく、近距離の攻防に見応えをもたらしたのは福岡だった。

あとは見栄え的に押し込まれたように見えてしまった部分や、
2Rに効かされて後退した一発の被弾が、この日の勝利を獲り逃した要因にも思えた。
あの場面さえなければ…と思えるが、一発が勝敗を決めるのがボクシング。
今後の糧にして、これからのボクサーズロードを歩んで欲しい。

対して、メガトンについては的確さには欠けたものの、
4Rの間、出し続けた手数とそれを支えるスタミナに驚かされた。
一つ一つしっかりと怖く、4Rで全てを出し切ることができる。
それができない選手も多くいる。
持ち合わせるものは充分にある。

あとはファイターとしての技術や経験を蓄積させていくだけ。
それらは全て、今後の練習や試合の中で得ていけるものだと感じる。
金の卵を見つけた気分だった。

金の卵は沢山いるが、孵化しないままにリングを去る選手の方が多い。
この卵が孵化するかどうか、東日本の選手の為、追って行けないのがもどかしい。
いつかまた、力を増して中日本のリングに登場してくれる日を待っている。

【スーパーフェザー級4回戦】
田中雄大(カシミ)　vs　秋山星也(名古屋大橋)

田中雄大　デビュー戦
秋山星也　1戦1敗

1R、ロングレンジでじっくりと見合いながら左を刺しあう立ち上がり。
田中は右のオーバーハンドを見せるが距離が遠い。
ラウンド終盤、秋山が距離を詰めてコンビネーションを撃ち込むが、田中がしっかりとガード。

明確なヒットがないままこのラウンドが終わる。

2R、まだ距離が遠い中、秋山のジャブが当たり始める。
田中のジャブは秋山がしっかりとバックステップで外す。
中盤、秋山が踏み込んで右をヒットさせると一気にパンチを纏めてみせる。
終盤にもまた同じような場面を作り、秋山が明確にラウンドを制する。

3R、田中のパンチにしっかりバックステップで反応し、拳をヒットさせない秋山。
無理攻めすることもなく、撃ち終わりにもしっかりと距離を取る。
もらわなければ負けない…完全に田中を封じていく秋山。
田中は鼻血を吹き出し、消耗を見せる。

4R、秋山が攻勢を増す。
右アッパーから左フックを撃ち込んだ所で田中が揺れると、一気にパンチを纏める。
いったんはクリンチで逃れるが、仕切り直し後に秋山がまたもラッシュ。
防戦一方の田中にレフリーが試合をストップした。

TKOタイムは4R 1:26

スピードある秋山にスピード負けしなかった田中。
フォームも足運びも綺麗だったが、それ以上のことはわからなかった。
防御意識高い秋山に封じ込められたままに試合が終わってしまったように思う。

もう一試合見たい。
この試合で彼の魅力は出しきれていないはずだ。

秋山はほぼ被弾なく、リスクを削り続けた上でのTKO勝利。
完璧な戦いぶりでのプロ初勝利だったように思う。
徹底的にパンチをもらわずにラウンドを制し、相手が弱った場面を逃さず仕留め切る。
「強い勝ち方」の一つを体現した。

今後の戦いぶり、要注目の選手だと感じた。

コメント