2022/12/11 -愛知・刈谷あいおいホール- 第3試合、第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2022/12/11 -愛知・刈谷あいおいホール- 第3試合、第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【57.5kg契約4回戦】
西村 翔馬(岐阜ヨコゼキ) vs 太田 彩千耶(中日)

西村 翔馬 2戦1敗1分
太田 彩千耶 3戦1勝(1KO)2敗

 


太田 彩千耶の輝ける左、火を噴かず。
しかし、それでいい。
左を警戒される中、前の手の右手を多彩に操り、
試合自体は、39-37×2、38-38の2-0で太田が勝利。


この日、ヒットはしていたものの、
致命的なダメージを与えるには至らなかった太田の左ストレート。

警戒が強まれば、その左は当たらなくなっていく。
「左さえ当たらなければ怖くない」選手になれば、
その左はいくら輝いても使えない代物になっていく。

左が当たらなくとも、試合を制していく力があってこそ、
その左はより驚異的な効果を発揮していくと感じる。
前の手が試合展開のキーにもなった試合、しっかりと制したことは大きいと感じる。

立ち位置の変化、上下へのバリエーション、強打の角度や緩急…。
増やせばより強さを増すものが沢山ある。
まだまだ荒削りの範疇、これからまだまだ強くなっていくはずだ。


対して西村は、前の手のフックを強烈に浴びせる場面はあったものの
リーチのある太田に接近する時間はそれ程多く作れなかった。
詰めてはいたものの、距離を潰すには至らず、太田の距離の時間が長くなった。

もちろん、太田の前の手が機能してのことだったとは思うが、
仮にその距離が潰れていれば、試合はより拮抗していたものと思える。
事実、これまで以上に積極的に攻めた4R、太田の顔面は何度も跳ね上がった。

太田の左で致命的なものを浴びなかったことが示す通り、守りが悪い選手ではない。
そして、前戦の戦いぶりや、この日の第4Rが示すように攻撃力がない選手でもない。

見ている限りの技術や肉体的なものを考えれば、プロのリングを勝っていく力はある。
自信か、思考か…、3戦未勝利だが弱い選手ではない。
一つ勝って自信がつくのと同時に一気に連勝街道に入る選手もいる。

攻めきれなかったデビュー戦。
好戦的に戦い、勝利まであと一歩に迫った2戦目。
西村は過去、しっかり変貌を見せた選手でもある。

だからこそ、この試合を踏まえての次戦が楽しみに感じる。
きっと、傍目から見ている以上に強い選手。
その真の実力が解き放たれる瞬間を楽しみにしている。

 

【女子52.7㎏契約4回戦】
高木 千尋(薬師寺) vs メガトン まりな(アキバ)

高木 千尋 1戦1分
メガトン まりな 1戦1分

女子ボクシング4回戦史上最高の大激戦がここに。
もしかすると、過去に遡ればこれ以上の激戦もあるかもしれない。
しかし、自分はこの試合以上に激しい女子4回戦を知らない。

試合後のSNSの反響も大きかった試合。
女子ボクシング、4回戦、地方ボクシング…
アングラ要素しかない試合で、大きな反響を呼ぶ異常事態。

試合自体はゴング開始から試合終了まで、ひたすらに殴り合い続けた。
判定は39-37×3の3-0で高木の勝利。

驚異のフルスイングが特徴的だと感じていたメガトンだったが、
しつこく、絶え間なく手を出し続ける高木にその隙を与えてもらえず。
ただし、押し合いで距離ができたタイミングでは
やはり思い切り振り込んで来る為、見る側からしても気の抜ける時間は一切なし。

回転よく飛び続ける高木の拳。
引かずに弾幕の嵐に立ち向かうメガトン。
多くの人の胸を熱くした両者の戦いぶり。

コロナの影響による歓声禁止が無ければ、興奮の歓声できっと刈谷が揺れていただろう試合。
何年に一度見れるかどうかの超大激戦。
デビュー2戦目の二人が刈谷の地に名勝負を残した。

 

【カテゴリ別】
2022年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る

中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る

カテゴリ別記事一覧に戻る

 

【日付別】
【記事一覧】2022年12月に戻る

【記事一覧】2022年に戻る

【記事一覧】に戻る

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました