USBA全米王座へ… ロジャー・メイウェザー(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/17

USBA全米王座へ… ロジャー・メイウェザー(米)④ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/17
 
 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップ4日目。
 

前回は、ロジャーがホープ対決やベテランとの対決に勝ち残り
全勝のまま駆け足で地域王座戦に辿り着いたところまで。
 
 

6年半も先にデビューしていた兄、フロイド・メイウェザーを追い越し、初のタイトルマッチに挑みます。
 

場所はニュージャージー、アトランティックシティのコンベンションセンター。
USBA全米ライト級タイトルマッチ…王者はルーベン・ムニョス(米)。

直近の試合でWBA世界ライト級王座から陥落したばかりのアルツーロ・フリアス(米)と王座決定戦を行い
前評判を覆してこのタイトルを獲得した、注目を集める選手。
 

試合が始まると、ジャブで距離を測りながら、当たるか当たらないかの距離から
ジワジワと距離を近づけてヒットを奪って行くいつものロジャー。
スーパーフェザー級では長身になるロジャーは、
長いリーチを生かし、まずは自分のパンチだけがヒットする距離を計測する。

ロジャーはジャブのみしか繰り出さず、
ムニョスは一発のパンチもヒットしないまま、このラウンドが終了。

そんな展開は前半4R続き、ムニョスが圧力を強めても、
ロジャーは軽いジャブで試合を支配していく…

追いかけ廻すムニョス、距離を支配するロジャー。
距離が詰まったところでムニョスがコンビネーションで責めても、
ロジャーは上体の柔らかいウィービングで回避。

前半4Rでムニョスが捉えたダメージブローと思えるのは
2R終了ゴング直前に放たれた一発のみ。
 

5R、左を上下に撃ち分けながら、リング上を華麗に舞っていくロジャー。
このあたりになると、時折力を込めたブローを交え始める。
相手が安全圏だと思い込んだ位置で、集中を切った瞬間に一気に攻める。

長い腕を自由自在にくねらせ、相手の隙を窺いながら一瞬で食らいつく…。
その姿は狙いを定めて獲物に襲い掛かる、まさに「黒い毒蛇」。

さらに距離を詰めて攻めると、撃ち合いでもいけると踏んだか、
圧倒的なハンドスピードでコンビネーションをたたき込む。
中でも長い腕で弧を描くような斜め下からのブロー”スマッシュ”は強烈。

漫画「はじめの一歩」で主人公の幕ノ内 一歩のライバル、
千堂 武が必殺ブローとして使っている為、漫画を読んだことがある人ならお馴染みかもしれません。

ヘビー級でマイク・タイソン(米)のライバルとして戦った”無冠の帝王”ドノバン・ラドック(カナダ)
サンデーパンチだったりもします。
 

7R、疲労を見せ始めたムニョスの追い足が止まると、ロジャーも足を止める。
距離を維持したまま、手数少なくほとんどフェイントだけで
ムニョスをコーナーまで下がらせてしまう。

「It’s showtime!!」

そんな声がどこからか聞こえてきそうな突然のスイッチON。
コンビネーションをいくつも叩き込むロジャー。
ムニョスは空いた場所を的確に叩かれ、いくつも交えられたフェイントに
手を出すことさえ許されない。

意を決してムニョスが攻めに出た瞬間、ロジャーの右のショートが刺さり、ムニョスがダウン。

しきりに手を出せ!なんてリング下から叫ぶファンも多いけど
時には出せない理由があって手数が少ない…なんてこともある。
そんな話のいい例になりそうな攻防。

ここはムニョスがなんとか立ち上がり、試合は終盤へ突入していきます。
 

8R、下がりながらムニョスの右に合わせて右のショートを合わせたロジャー。
効いたと見るや、怒涛のハンドスピードと手数で一気に仕留めにかかる。
しかし、ここをタフネスで耐えきると…

ムニョスにこの試合初めてのチャンスが到来。
撃ち疲れたロジャーをロープに追い詰め、組みつき、強引にガチャガチャと
自らのパンチをヒットさせていく。

ムニョス側からみれば一方的だった試合に、わずかに希望が見出せる展開。
 
 

9R以降、ムニョスが地域王者の意地を見せる。
捌かれ、カウンターを入れられながらではあるが、それでも足の鈍ったロジャーなら…
前半の絶望的な展開とは打って変わって、もらってももらっても前に出る。
そして時折…逆転の望みをかけた拳がロジャーを捉える。
 

もちろん上体の柔らかいロジャーはそのパンチをかわしながら、そしてカウンターをとりながら…
ムニョスのパンチは空を切ることの方が多く、ヒットするよりヒットされる方が多いけども…
それでもわずか数発しか当てれなかった前半とは雲泥の差。
自らの顔面をロジャーのパンチにさらしながら、逆転を狙って襲いかかっていく。
 
 

試合はそのまま、12R終了のゴングを迎える。
結果的にはロジャーが地域王者さえ全く寄せ付けず、大差判定で葬った形。

しかしながらルーベン・ムニョス…
マニアでさえその名を覚えている人は少ないかもしれないけれど
こういう試合…後楽園で見ると燃えるんだよなぁ…なんて感じてしまう。
 

何はともあれ、圧倒的な内容で全米王者となったロジャーは
一気に世界挑戦者候補として浮上。

階段飛ばしのキャリアに付随する実力を証明します。
 
 

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