2026/7/26 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合~第4試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【49.5㎏契約4回戦】
羽田 翔太(名古屋大橋) vs 三村 英真(緑)
頭一つ小さな羽田に対し、サウスポーの三村が懐深く、鋭いジャブで近づけさせず。
タイミングのいい左ストレート、踏み込んでの右アッパーと突き刺していく。
羽田のアタックをうまくはぐらかしながらの戦い…
叩き上げデビュー戦とは思えない巧みさで主導権を握っていく。
しかし…2R終盤、羽田が痛烈な左ボディを突き刺して一気に展開を手中に。
3Rは開始から攻め続けてたまらずレフリーがストップ。
TKOタイムは3R 59秒
前半の戦いぶりは見事だった三村。
しかし、そのまま走り切れるほどプロの世界は甘くなかった。
羽田がボディから局面を打開してのTKO劇。
劣勢の局面でもしっかりと落ち着いて逆転劇を巻き起こした。
三村は敗れはしたがプロ3戦目となる羽田に対しいきなり主導権を握ったことは事実。
プロで戦っていける実力はしっかりと示した。
この負けを踏まえてどうなっていくか。
プロの厳しさをしっかりとその身に浴びたからこそ、これを強さに繋げて欲しいと感じた。
そして、長い距離にはぐらかされながら、
短時間で打開策を見つけ、勝ち筋にのると一気に仕留めきった羽田。
短期決戦の4Rの中で、2R終盤まで主導権を握られれば、絶体絶命の局面とも言える。
この場面で、落ち着き払って冷静にボディからKOにつなげた試合ぶり。
追い込まれても打開策を見つけ出し、切り開く…「試合がうまい」選手とも思えた。
B級昇格まであと2勝、この先が楽しみでならないと感じさせてくれた。
羽田 翔太 3戦2勝(2KO)1敗
三村 英真 1戦1敗
【59.5kg契約4回戦】
福冨 壮泰(名古屋大橋) vs 興梠 冬星(J中津)
ほぼファーストコンタクトの撃ち合いの中で、
福富の左フックが突き刺さり、興梠がリングに膝を着くダウン。
大きなアドバンテージを得た福富だったが、再開後は拮抗した戦い。
撃ち合いのシーンでは興梠が撃ち終わりをスリリングに捉える中、
福富はリスクのある大振りはせず、落ち着いてジャブを飛ばし続ける。
中盤は興梠にポイントが付くのもあり得る展開だったところから
最終ラウンドには福富がカウンターの左を突き放し、興梠をフリーズさせる。
ここを皮切りに福富の左が痛烈に刺さる場面が増え、印象的な場面を複数作ってみせた。
マイジャッジは38-37で福富
公式ジャッジは 40-35×2、39-36の3-0で福富
点差的には大きく開いたが、その実、中身は接戦だったようにも思う。
いきなりのダウンに焦って空転も考えられる展開。
判定的には致命的な状態の中で、雑にならず、かつ倒しに来た興梠。
撃ち終わりを捉える力強さと的確さは特筆したい部分。
この日デビューした九州からの刺客、想像以上の好選手だった。
この相手にはっきりと収めた勝利は価値のあるものだったように思う。
また、最終ラウンドに突き放していった姿は圧巻の一言。
その強さをはっきりと指し示した。
今年の新人王戦では無念の敗退を喫した福富だったが…
来年のリトライがあるならば、かなりの期待値を抱かせてくれるようにも思えた。
福冨 壮泰 3戦2勝1敗
興梠 冬星 1戦1敗
【バンタム級4回戦】
鈴木 尚也(蟹江) vs 前納 拓(緑)
お互いにディフェンスの意識が高い戦い。
前に出て振り抜く鈴木に対し、サイドにまわり続け、ジャブを突き刺す前納。
入ってくるところに強烈にカウンターを浴びせ、安易なアタックは許さない。
時折、鈴木が大きく振るパンチが捉えても、しっかりとクリンチで流れを遮断する前納。
後半に向かってアタックを強める鈴木、
3Rには鈴木の右ストレートにバランスを崩した前納がリングに尻もち。
ここはダウンと獲られてもおかしくない場面、際どいところだったが判定はスリップ。
最終ラウンドにはさらに攻勢を強めて出た鈴木だったが、
前納はここまでのポイントリードを確信したか、
リスクを徹底的に排除して試合終了のゴングに飛び込んだ。
マイジャッジは39-37で前納
公式ジャッジも39-37×3で前納を支持。
アウトボクシングの基本を徹底した戦いぶり。
攻め込んだ時の強さに秀でた鈴木を、完封して勝ち切った前納。
しっかりと迎え撃つパンチに威力があってこそでもある。
入り込もうとするところを強烈に捉えていった。
やれることが増え、より自由にリングで遊び始めたらどうなるだろう。
そんな未来予想図も脳裏をよぎった。
初勝利からの長期ブランク…前納がより面白い選手となって帰って来た。
そして鈴木は3Rには幻のダウンもあった。
結果的に封じられはしたものの、紙一重の場面は何度もあったように思う。
自力はある選手…どこかで一気に結果が出始める可能性も強く感じる。
簡単にあきらめてほしくない逸材。
次に進む姿を期待したい。
鈴木 尚也 5戦2勝(1KO)3敗
前納 拓 2戦2勝
【54.5kg契約4回戦】
山田 佑飛(天熊丸木) vs 渡邉 優希也(DANGAN郡山)
前後の動きで渡邊の攻撃の切先を奪い、
鋭くジャブを突いて顔面を跳ね上げる山田。
痛烈に右も突き刺し、付け入るスキなしかとも見えた展開の1R。
終盤、ロープに詰めた渡邊が痛烈な左フックを突き刺し、山田の腰が落ちる。
1Rに印象的な場面を作られてしまった山田だが、
ジャブから建て直ししっかりと主導権を握りなおす。
思い切り振って来る渡邊、怖さはあるがその内側を貫くように
山田がまっすぐストレートを飛ばして捉える場面も。
被弾にダメージをおくびにも出さなかった渡邊だったが、
3R終盤には山田の右のカウンターに揺れたように見える場面も。
猛烈に攻めて出る渡邊だったが、山田がそれを高い集中力でポイントアウト。
マイジャッジは39-37で山田
公式ジャッジは39-37×2、38-38の2-0で山田の勝利。
敗戦と試合キャンセルが続き、勝ち星が遠かった天熊丸木。
昨年の快進撃から一気にトンネルに入ってしまった中、
19歳の山田がこの流れを止めて見せた。
相手は敵地転戦で勝利をもぎ取る術に長けたDANGAN郡山の選手。
経験で上回り、展開をひっくり返す一撃を常に振るい続けた渡邊。
高い集中力でこの相手を退けて見せた。
本人はただ自分の試合に集中してあげた1勝かもしれないが、
周りの空気を変えるだろう大きな大きな1勝、様々な意味を持つ。
この1勝がもたらす変化を体感し、プロボクサーが挙げる1勝の価値を感じてほしい。
中日本で連敗となった渡邊だが、いずれも将来を嘱望される選手を相手にしてのこと。
この敗戦によって、渡邊の強さが否定されるものではないと思える。
また中日本を訪れ、願わくばその名を刻み付けるような試合を期待したい。
山田 佑飛 2戦2勝(1KO)
渡邉 優希也 5戦1勝(1KO)3敗1分
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