2025/03/30 -愛知・愛知県国際展示場- 第4試合、第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【スーパーウェルター級8回戦】
鈴木 健介(リングサイド) vs 佐々木 る玖(KWORLD3)
お互いガードを高く上げて対峙する中、ジャブを飛ばしながら
そのジャブから後続打につなげる鈴木がより多くのヒットを奪っていく。
時折強烈に捉える佐々木だが、単発で終わる分、ヒットは伸びていかず。
2R開始とともに一気に攻め込んだ佐々木。
鈴木はしっかりとガードを固めて佐々木の怒涛の攻めを乗り切ると、
頭を着けてのインファイトでコンビネーションを叩きつける。
佐々木も一撃で試合を決定づけそうな強打でやり返す。
一発当たれば立て続けにヒットを奪う鈴木。
見栄えのいいクリーンヒットは佐々木、ヒット数や手数は鈴木といったラウンド。
3R、足を使って周りながらジャブを突く鈴木。
ガードを固めて前進する佐々木、ラウンド中盤に逆ワンツーを強烈にヒットさせる。
下がりながらもしっかり手が出てボディから顔面へ捉える鈴木。
詰めながら時折強烈な右ストレートで捉える佐々木。
4R、至近距離の打ち合いとなる。
一発一発強烈に振るう佐々木だが、鈴木はその多くをしっかりガード。
コンビネーションの中で回転よく手数を出し、ヒット数で大きく上回る。
5R、一発一発KOパンチを振るう佐々木と、コンビネーションで攻める鈴木。
この構図は変わることなく、時折鈴木の顔面がはじけ飛ぶ場面はあっても
ヒット数に圧倒的な差がついていく。
6R、同じような展開が続いていく試合だが、中盤に鈴木の手数が落ちると
佐々木の拳が鈴木を捉える場面が目立ち始める。
ロープ際でボディを撃ち込むと、鈴木の体がくの字に折れる。
しかし、ここからまた鈴木が足を使い、巧みに拳を撃ち込んで流れを取り戻す。
7R、インファイトとなる中、佐々木の拳を丁寧に外しながら
コンビネーションを撃ち込む鈴木。
展開を変えさせず、ここまでしっかりと明確にポイントを集める。
8R、撃ち合いとなる中で鈴木の手数が落ちていくも、
しっかり外す動きは繰り返される。
逆転の可能性を感じる一撃を撃ち込み続ける佐々木だが
最後は鈴木が手数を取り戻し、強烈に連続で捉えて試合終了。
マイジャッジ 79-73 鈴木
77-75 鈴木
77-75 佐々木
78-74 鈴木
2-1 勝者:鈴木
パンチ力や体の強さでは佐々木に分があったように思える。
8Rに渡って丁寧に丁寧に外す動きを繰り返したことで被弾を減らした鈴木。
佐々木にとっては外されることで続く手が出しづらくなったようにも思えた。
鈴木はコンビネーションで自分の手数を増やすだけでなく、
相手の手数を減らして差を作っていったように見えた。
日本下位ランカーの鈴木が、瞬く間に登っていたトップランカーの佐々木を撃破。
丁寧に丁寧に作り上げた試合で、佐々木に思うような戦いをさせなかった。
ランキングを持つ者の恐ろしさを見せてくれたようにも思う。
上から下までその差は紙一重。
一つ作戦がハマれば簡単にひっくり返る。
その遂行能力があることこそ実力の証。
ここから下がったランキングの上げ直しとなる佐々木。
一筋縄でいかないランカーは鈴木だけではない。
より強くなっていく姿を楽しみにしていたい。
鈴木 健介 11戦6勝(2KO)3敗2分
佐々木 る玖 13戦9勝(4KO)2敗2分
【スーパーバンタム級8回戦】
中川 麦茶(ミツキ) vs ナワポーン・ポーチョークチャイ(タイ)
ガードを固めてじっと見るナワポーンに大きく撃ち込んでいく中川。
時折重たい右を飛ばしてくる。
ほとんど手を出さないナワポーンを力強く襲う中川だが、
出せば必ずと言った感じで捉えるナワポーンが不気味に感じる。
2Rに入り、ぐいぐい攻め込んでくるナワポーンン。
入ってくるところをしっかり叩く中川だが、
ナワポーンは止まらず、グイグイ攻め込んでくる。
中川は常に足を動かしてその圧力を逸らし、安全圏から攻めていく。
3R、距離を取って一方的にパンチを当てながらリングをまわる中川。
突き刺した右ストレートでナワポーンがワンテンポ置いて崩れ落ちる。
確実に効いたダウン、再開後コーナーに詰める中川だが、
ガードは固く、反撃に振るわれるナワポーンの拳は鋭い。
劣勢の中、ラウンド終盤には強烈に捉えて反撃を見せるナワポーン。
4R、積極的に手を出し、ナワポーンを防戦に回らせて手を出させず。
中川が一方的に打ち込んでいく展開が続いていく。
相変わらずナワポーンの反撃は鋭いが、中川の被弾はほとんどない。
5R、出ようとするナワポーンに対し、スイッチを繰り返しながら距離を維持する中川。
不意を突いて飛び込むような右フックを痛烈にたたきつけ、この日2度目の痛烈なダウンを奪取。
立ち上がったナワポーン、ガードを固めて乗り切ろうとするが、
ロープ際でアッパーを突き刺すと、動きの止まったナワポーンにパンチをまとめると
レフリーが割って入った。
TKOタイムは5R 1分58秒
古豪相手に完璧な試合内容で勝利。
相手は世界トップ戦線にいたこともある60戦越えの選手だが、
中川の40戦越えも日本人選手としてはトップクラス。
ゆったりと空いたところを探しながら撃ち込む姿など、ベテランならではの戦いぶりも見られた。
OPBFのランキング的には近いところでタイトルを狙える位置にもいる。
この日を新章のスタートと位置付けていた中川だが、今後どういった道のりを歩むか。
国内強豪選手、誰と当たっても面白さを感じさせることのできる選手。
次のカードが今から楽しみだ。
中川 麦茶 44戦30勝(19KO)11敗3分
ナワポーン・ポーチョークチャイ 69戦62勝(50KO)6敗1分
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