2024/7/21 -愛知・刈谷あいおいホール- 第5試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【スーパーライト級4回戦】
秋山 星也(名古屋大橋) vs 黒川 智矢(唯心)
入場の時点からセコンドと共に気合のノリが違う黒川。
今度こそ…この試合に賭ける思いが伝わってくる。
秋山がボディに伸ばしたジャブに右を伸ばした黒川。
大きく振るう秋山のパンチを外しながら撃ち終わりを狙う立ち上がり。
まずはディフェンスから…落ち着いてじっくりと試合に入っていく。
1R終了間際、お互いに強烈なボディを交換してラウンド終了。
コンビネーションを撃ち込む秋山を丁寧にいなして被弾を最小限に抑えた黒川。
離れ際、秋山が気を抜いたところに左フック、右ストレートと捉え、
勝利に対する執着心を見せる。
終盤、ダッキングした黒川にアッパーを浴びせた秋山。
残り10秒では撃ち合って秋山が盛り返す。
お互いにパンチを纏め合い、やられてはやり返す。
相撃ちのカウンターも頻発…一進一退の攻防。
ラウンド中盤、黒川が捉えると後続打を纏め、秋山がクリンチに逃れる場面。
3R終盤の撃ち合いでは、二人が同じタイミングで出力を上げ、
お互いにKOパンチになり得るパンチで撃ち合い。
最終ラウンドには黒川が攻め込んで行く。
秋山がクリンチに逃れる場面も増えるが…
右アッパーをカウンターで突き刺す場面を見せ、一方的にはさせない。
これまでKO負けを喫してきた黒川だが、臆することはない。
詰めて詰めて撃ち合っていく。
スリリングな撃ち合いの中、試合終了のゴング。
マイジャッジは38-38でドロー。
公式ジャッジ
40-36
39-37
38-38
2-0 黒川
際どいラウンドをどちらも秋山に振ってのマイジャッジドロー。
フルマーク黒川も問題なく受け入れられる。
勝利の瞬間、喜びを爆発させるセコンド。
「一敗が重い」
そう言われるボクシングの世界だが、一勝も同じくらいに重い。
強いと言われながらも負け続けた黒川がようやくたどり着いた勝利は、
ボクシングの定番の世界観をまるごとひっくり返す一勝。
相手は同階級の強い相手を求めるライバルたちから「戦いたい」と言われる秋山。
相手を選んで勝たせてもらった試合ではない。
黒川が挑み、その拳で勝ち取った初勝利…重く価値のあるもの。
見て来てよかった…そう思わせてくれた。
3ヶ月連続の試合で一気にB級昇格も視野に入っていた秋山。
ここで接戦を落として、その目論見も絵にかいたモチになった。
ただ…もう翌月18日には試合が決まっている。
ここで気持ちが折れるのも想像に易い。
次の1勝に集中できるのか…この日の黒川のように。
秋山が試される…それが8月の岐阜じゅうろくプラザだと思っている。
秋山 星也 4戦2勝(2KO)2敗
黒川 智矢 3戦3敗
【ライト級6回戦】
ハリマオ 宮﨑(LUSH緑) vs 浜崎 隆広(仲里)
足を使い、ジャブをコツコツと叩く宮崎。
浜崎はジリジリ追いかけながらタイミングを測る。
ラウンド終盤、大きく振ったオーバーハンドで宮崎を捉えると、二人は撃ち合いへ
宮崎が浜崎をコーナーへ押し付けたところでラウンド終了のゴング。
2R、思い切り振った浜崎の右に、大砲の右をカウンターで突き刺した宮崎。
浜崎が入って来たところをカウンターで捉えて行く。
ただし、これまで強者との戦いの中でも魅せて来たタフネスは抜群。
ビクともせずに、またジリジリと詰めて来る。
3R、お互いに強打を交錯させ始めた二人。
ラウンド中盤、右を効かせて浜崎をコーナーに追いつめた宮崎。
ラッシュにかかるが、浜崎がウィービングで連打をかわしクリンチで脱出。
4R、浜崎が一発で終わらずパンチが続くようになると
二人が撃ち合うシーンが目立つようになる。
撃ち合い自体は互角。
5R、ジャブの数を一気に増やした宮崎。
強打で反撃する浜崎だが、宮崎が細かく数多くヒットを奪う。
そのジャブに浜崎が右をかぶせて捉えるが、
宮崎は撃ち合って右ストレートを突き刺して挽回。
最終ラウンドで撃ち合う場面も見せる宮崎。
回転よくパンチを出すのは浜崎だが、カウンターで顔を跳ね上げるのは宮崎。
激しく撃ち合う中で試合終了のゴング。
マイジャッジは58-56 宮崎
58-56×2
59-55
3-0 宮崎
これまでスリリングな戦いで、倒し倒されの試合を繰り広げて来た宮崎。
この試合では丁寧なジャブを中心に試合を組み立てた。
これから先の戦いに挑んで行くための準備を整えているようにも見えた。
元々ジャブは比較的得意な選手だった印象だが、
そのジャブ自体も作り直し、より活用しようとしているように思う。
何より、歴戦の浜崎に勝利を挙げてこの先へ。
この日、勝数的には同等の相手と戦った浜崎。
あと1R届かなかったが、ジャブを軸に進化した宮崎を相手にしてのモノ。
レコードに敗戦を一つ加えたが、ここまで挑んで来た軌跡が霞むものではない。
浜崎と言う猛者を宮崎が乗り越えた…そういう試合だったと感じている。
ハリマオ 宮﨑 11戦4勝(2KO)4敗3分
浜崎 隆広 19戦3勝(1KO)13敗3分
【カテゴリ別】
2024年中日本ボクシング観戦記一覧に戻る
中日本ボクシング観戦記一覧一覧に戻る
カテゴリ別記事一覧に戻る
【日付別】
【記事一覧】2024年8月に戻る
コメント