2019/08/24 -愛知・武田テバオーシャンアリーナ- 3試合目~5試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2019/08/24 -愛知・武田テバオーシャンアリーナ- 3試合目~5試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

【53.0kg契約8回戦】
中村 祐斗(市野) vs ムハマド・ワヒド(インドネシア)

日本スーパーフライ級10位
中村 祐斗 15戦10勝(7KO)5敗
ムハマド・ワヒド 7戦4勝(1KO)2敗
 

1R、ジャブをダブルで突いて行く中村…ここまでの戦いぶり以上にスピードを感じる。
コンディションはかなりいいか…そう感じた刹那、ワヒドが右ストレートを振り出した瞬間に
中村の右ストレートが完璧に顎を捉え、前のめりにワヒドが失神。
 

KOタイムは19秒。
 
 

当初の対戦相手から変更となっていた試合。
元の相手より強くなったと聞いていたが…その力を確認する前に試合が終わった。
カウンターを獲られた右ストレートを見る限り、やる気のないそれとは感じなかったが…。
 

中村としては完璧な快勝劇。
相手が倒れた瞬間、両手をパチンと叩くいつもの姿が久々に見れた。
この感触を持って、11月には元WBOアジア太平洋ランカーとの対戦が組まれている。

日本ユース王座を返上した中村としては新たな道のりの第一歩となったこの日。
アジアの戦場へ、中村が飛び出していく。
 
 

 

【スーパーフェザー級6回戦】
福井 貫太(寝屋川石田) vs 仲里 周磨(ナカザト)

福井 貫太 8戦6勝(5KO)2敗

OPBF東洋太平洋フェザー級13位/WBOアジア太平洋スーパーフェザー級14位/日本スーパーフェザー級17位
仲里 周磨 11戦8勝(6KO)1敗2分
 
 

1R、どっしり構えてじっくり見る仲里に対し、届かぬ距離でも左を出していく福井。
ラウンド中盤以降、仲里が踏み込み始めると、終盤に差し掛かる頃に右ボディを強烈に突き刺す。
さらに左ボディを撃ち込む仲里だが、ここに福井の左フックが交錯するシーンも。
 

2Rも頻繁に手を出していく福井に対し、撃ち終わりに右をねじ込んだ仲里。
さらにカウンターの右ストレートで福井の顎をエグるシーンも作る。
ラウンド中盤、強烈に右ボディを叩いた仲里だが、ここで逆に攻勢を強めた福井。

右ストレートを相撃ちする場面も下がらず、
今度は福井が左アッパーをみぞおちに突き刺しさらに右フックを叩きつける。
しかしラウンド終盤、福井が入ったところに仲里は強烈な右ストレートを突き刺してビッグヒット。
 

3R、詰めて来る福井をうまく外しながら、仲里が的確な右ボディを時折めり込ませる。
手数はそれほど出ておらずとも、出すときは確実にヒットさせる仲里。
上体柔らかく、被弾わずかに福井を襲っていく。
 

4R序盤、強烈な右アッパーを突き刺すと、一気に攻めて行く仲里。
仲里のラッシュに手が出なくなる福井…グラつかされればストップかとも思える場面。
ガードを固めてここをなんとか凌ぎ切る。

ラウンド中盤、圧を強める仲里に対し、右アッパー、右フックを返してみせた福井だが
撃ち終わりに突き刺さる仲里のボディに足をもつれさせる。
仲里の右アッパー、右フックを浴び、ボディを撃たれる度に動きが止まる…
福井が苦しい中をなんとか乗り切る形で、このラウンドが終了。
 

5R、パンチを外しながらジャブのダブルを突き刺すなど変わらず左を出して行く福井。
仲里が抜群のタイミングでダイレクトのビッグパンチをヒットさせる中、
頭がくっ付いたタイミングでは下から上へコンビネーションを叩き込む福井だが、
その時間はわずかかしかなく…ラウンドとしては仲里がはっきりと制している。
 

6R、好戦的に出た仲里に対し、福井が回転よくコンビネーションをヒットし
ワンツーが強烈にヒットすると、一気にパンチをぶつけていく。
仲里も下から上にパンチを叩きつけ、激しい展開となる最終ラウンド。
会場の声援もどんどん大きくなって行く。

押し合いながらのファイトの中、立て続けに右ストレートを突き刺すなど
時間が経つごとに仲里が撃ち合いを上回って試合終了のゴング。
 

マイジャッジ 60-54 仲里
 

公式ジャッジ
58-57、58-56、59-56

3-0 勝者:仲里
 

足を使ったわけではない仲里が、福井を空転させたように見えた試合。
仲里が距離と上体の柔らかさで、福井のパンチを外し続け、的確に拳を撃ちつけた。
手数で下回る中、強烈にボディを効かせて、試合をはっきりと制した仲里。
思った以上にポイントは接近したが、完勝の内容だったと感じた。
沖縄のホープ…これほどまでに強いか。
日本17位の肩書が信じられない思いだった。
 

試合開始から徐々に徐々に力の差が拡がった試合。
地力の上回る相手に対し、当たらずともジャブを突き続け最後まで勝利の可能性にすがった福井。
最終ラウンド、ワンツーで仲里を揺らした場面…チャンスのなかった試合ではない。
このクラス相手に、チャンスを見出せる…福井もまた、強い選手だったと感じる。

ここから先、きっと福井はこのクラスの選手たちがひしめくゾーンに足を踏み入れるだろう。
続けて行けば、その領域に辿り着く選手だと感じる。
だからこそ、この試合が彼のキャリアにおいて、重要な試合になってくれればと感じる。

この日は下位ランカーvsノーランカーの6回戦。
しかし、彼らはきっと数年後、堂々たるランカーとして険しい道のりを戦っているハズだと思っている。
 
 

ここで世界戦ならではの予備カード。

【フェザー級4回戦】
仲嶺 悟(広島三栄) vs プリンス 藤原(駿河男児)

仲嶺 悟 デビュー戦
プリンス 藤原 1戦1勝(1KO)
 

1R、左手を前に出しながら距離を測る藤原。
入って来る仲嶺に右ストレートをカウンターで撃ち込みながら、左アッパーを突き刺す。
ラウンド終了直前には、自分から踏み込んで右ストレートを撃ち込む場面も作る。
 

2R、強引に詰め始めた仲嶺。
捌ききれずに押し込まれる藤原だが、クリンチでしっかりと流れを切る。
しかし、詰めてはコツコツと仲嶺が藤原を叩いて行く展開。
 

3R、いきなり突っ込んで来た仲嶺に対し、乱打戦となる中、
藤原が左フックを引っ掛けてサイドに周り、いったん距離を置く。
しかし、それでも詰め続ける仲嶺に対し、試合は頭を着けてのファイトに。

細かく撃ち込んで行く仲嶺に対し、
ラウンド中盤には藤原が右ストレートを突き刺して仲嶺が揺れる場面も。
このラウンド、鼻血を吹き出した藤原…。
 

4R序盤、藤原が右ストレートをカウンターで突き刺し、
中盤には頭を着けたファイトで猛烈にボディを襲い始めた藤原。
距離が潰れてクリンチになる場面もある中、強烈に左フックで捉え
仲嶺が入って来るところに右ストレートを撃ち込むなど、ここに来て動きの良くなる藤原。

終盤にはお互いに前に出ることで、試合が膠着する中、試合終了のゴング。
 

マイジャッジ 38-38 ドロー

39-37 仲嶺
39-38 藤原
38-38 ドロー
 

1-1 ドロー
 

足を使おうとした藤原に対し、しっかりと距離を潰すことのできた仲嶺。
不利な展開を終盤のファイトでドローに持ち込んだ藤原。
両者ともに良かった部分を見せてのドローだったように感じる。

デビュー戦からしっかりと自分のファイトを貫いた仲嶺。
そのスタイルをしっかり磨いて行って欲しいと感じた。
まだまだ不器用なファイトに見えたが、数年先、また中日本のリングに上がって
驚きの成長を見せてくれることを願いたい。
 

藤原は、デビュー戦に引き続いて、不利な展開を後半に追い上げた。
スロースターターとも言えるが、相手にアジャストしていく力があるとも言える。
先々、長いラウンドを戦う姿が見たいと感じる。
B級昇格すれば6回戦、引分けは0.5勝換算の4勝での昇格となる為、
4回戦であと、2.5勝…この日はそこに半歩近付いた。

左を引っ掛けてサイドに周った場面…こういったことをやりたいのか…と感じた。
少しずつ、少しずつ、やりたいことが出せるように…強くなるための戦いを続けて行けばいいと思う。
そのうち辿り着く勝負所で、戦い抜く力が付いていればいい。
この選手には超大作の物語を期待したい。
 
 

 

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