激戦、エフライン・ニエベス ロジャー・メイウェザー(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/29

激戦、エフライン・ニエベス ロジャー・メイウェザー(米)⑩ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/09/29
 
 

 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップ10日目。
 

前回は世界王座陥落後の再起戦でトニー・バルタザール(米)に不覚の判定負け。
世界戦線が遠のいてしまったところまで…。
 
 

2ヶ月後の再々起戦となった試合ではエフライン・ニエベス(米)と対戦。
17勝1敗として頭角を現してくるも、世界ランカークラスとの対戦が増えると負けが混み、
直近では5戦1勝4敗と、頭打ちになってしまっていた選手。

前戦に比べれば、リスクを減らし、キャリアの立て直しを図る一戦。
 
 

距離を保ちながら、長いワンツーをヒットさせていくロジャー。
1R序盤からタイミングよく右ストレートをジャストミートさせてニエベスに尻もちをつかせる。

再開後、挽回しようと攻めてくるニエベス。
入り際に強烈なパンチを合わせながら、インファイトでも撃ち負けない。
分が悪くなりそうになるとクリンチでしっかりホールド。
前戦、ロングレンジでしか戦わずに判定をさらわれた反省が垣間見える。
 

2R、ロングレンジでは幾度もロジャーの右ストレートがニエベスを捕まえる。
ニエベスは接近してガチャガチャ戦いたいが、入りのタイミングを完全につかまれてしまい…
飛び込もうとすると強烈なダメージブローを食ってしまう…
それでもラウンド終盤、ロジャーを体でコーナーに押し込み左右フックを振るう…
 

3R序盤、右から入ってロングレンジでのコンビネーションでニエベスを突き刺したロジャー。
しかしその後、一旦休みに入ったか、手数が激減する。
入ってくるニエベスに合わせるパンチもなくなり、ニエベスを絡め取りながらいなすような展開。
静かなままラウンドが終了。
 

4R、このラウンドの後半、ロジャーが接近戦で撃ち合いを選択する。
ホールドすることなく、ニエベスが1発当てる間に、猛烈なハンドスピードで3発、4発と捉える。
しかしニエベスの1発は豪快に振るう強打…
サムエル・セラノとの激戦以降、撃たれ弱さに弱点を抱えるロジャー…。
圧倒的な展開の中でも不安がよぎる。
 

5R、ニエベスの入り際に右を合わせようと右を握り込むロジャー。
これまでよりもその狙いは顕著。
狙いどおりにビッグヒットをいくつも合わせるものの、一旦密着すると、
ニエベスはしつこくボディを叩いて対抗する。
 

6R、今度はジャブへの比重を高めたロジャー。
しかしそのジャブをもらいながらニエベスはその左拳の引きにくっつくように踏み込んでくる。
しつこくしつこく前に出るニエベスに、ダッキングのタイミングが遅れて
強烈な左フックをもらってしまうロジャー。

ここからまた、インファイトに付き合い始めます。
肩や腕で、顔面への攻撃をいなしながら、体で押して隙間を作ると、左右のフックを連打で叩き込む…
時折ニエベスの顔面への攻撃を被弾しても、すぐに連打で取り返してしまうロジャー。

ニエベスは次第にロジャーのボディしか叩けなくなってしまう。
 

7R、入り際に強烈なパンチを浴びせられ、入ったとしてもロジャーのコンビネーションの餌食になる…
ニエベスは撃つ手をなくし、ロジャーの撃たれ弱さにかけるしかなくなってくる。
ボディを繰り返し撃ちながら、隙あらば顔面を狙う…しかし、その間にロジャーのパンチは
ニエベスの顔面を何度も何度も捉えていく…積み重なったダメージがニエベスを鈍らせていく…。
まるで毒蛇の毒がまわるように…。
 

8R、頭から飛び込んでくるニエベスにいら立つロジャー。
強引にニエベスを突き飛ばして距離を作っては連打をたたき込む…これにはレフリーからプッシングの注意。
押し相撲が続く展開に疲労を見せ始めるロジャー、ニエベスはロジャーのコンビネーションで
足元をふらつかせながらも、とにかく突進し、効かされてもロジャーへ体を預けることでダウンを回避。
 

9R、ニエベスがひたすら叩き続けてきたボディが功を奏してきたか、試合は完全にインファイトへ。
いくつもいくつも顔面へコンビネーションをもらうニエベス。
それでもひたすら前進し、ボディへ…顔面へ…逆転の一撃を狙う。
 

最終10R、逆転に賭けるニエベスは圧力を増す。
打撃音が響きわたるような右フックをもらいながら…がむしゃらに仕掛けたニエベスの攻撃。
しかしそれも技術で圧倒的に上回るロジャーにいなされてしまい…
1発のヒットを奪う前に大量の強打をたたき込まれる。

酸素が欠乏しそうな撃ち合い…そして積み重ねたダメージ。
最終のゴングが鳴ると、二人は朦朧としながら抱き合って健闘をたたえ合う。
 

ただ、ロジャーが格下を圧倒した試合…そう見るか…。
歴史に消えた無名のニエベスが、強い相手にあがなった美しい試合と見るか…。
僕は、ファンの力量が試される試合に思えてならない。

判定は…想像より接近した中差判定。
(97-94、97-94、99-92)
 
 

この激戦から、ロジャーが再スタートを切っていきます。
 
 

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