2025/09/29 -東京・後楽園ホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2025/09/29 -東京・後楽園ホール- 第1試合~第3試合(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【62.0kg契約4回戦】
篠田 優雅(EBISU) vs 中野 卓(スターロード)

見合う中でサウスポーの篠田がいきなり思い切りのいい左ストレートを突き刺す立ち上がり。
カウンターを狙って思い切り振り込む篠田、篠田が入るところをたたく中野。
終盤、中野が右フックでとらえると、腰の落ちた篠田にパンチをまとめる場面を見せる。

2R、見合う中で踏み込むのは篠田の方。
的確にとらえはじめたかに見えたが、
終盤には篠田の入り際に中野が強烈な左フックをカウンターで立て続けにヒット。
しかし中野が踏み込むと、今度は篠田がアッパーを強烈にやり返す。
カウンターの取り合い。

3R、手数を増して攻め込んだ中野に対して、篠田は耐えながら強烈なカウンターでとらえる。
しかし、中野はそのカウンターを被弾しながらも止まらず。
延々とラッシュを繰り出していく。
時折痛烈に中野の頭を跳ね上げる篠田だが、次第に飲み込まれ手が出なくなる。

たまらずレフリーがストップ。
TKOタイムは 3R 2分52秒。


中野の手数の中、いつ逆転が起こっても…と思わせる渾身のカウンターを振り込んでいた篠田。
それを浴びながらも、その手を止めることなく攻め込んだ中野。
勇敢なオープニングアクト2人の戦いでこの日の興行が始まった。

篠田 優雅 3戦1勝1敗1分
中野 卓 5戦2勝(2KO)3分

 

【女子バンタム級6回戦】
和田 千夜美(一力) vs 古川 のどか(北島)

遠すぎず、近すぎず。
古川が足を使いながら回転よく和田の顔面からヒットを奪っていく。
1R中盤以降、古川の撃ち終わりをとらえる和田。

2R、古川が前に出て回転良く襲っていく。
時折返す和田だが、古川の回転に飲み込まれるように手数が減る。
スピーディーにリズムよく和田の顔面をたたく古川。

3R、ワンツーで立て続けにとらえる古川に、
和田も重そうな右を返して撃ち合いとなるが、
古川の手はしつこく延々と繰り出される。

4R、右ストレートでとらえあった両者。
古川が一瞬止まったようにも見えたがすぐに仕切りなおす。
和田が出ようとすればクリンチでつぶし、ジャブで体制を整える。

5R、がむしゃらに前に出る和田だが、1発出せば2,3発返される。
いいのが入ってもすぐにクリンチでつぶされる。
展開は変わらないが、試合も終盤…古川が少し落ちてきたか。
横への動きが減ってくるにつれ、和田の強打が刺さるようになる。

6R、「千夜美コール」が響く後楽園ホール。
遠方の九州からやってきた古川への「のどかコール」はかき消される。
声援に背中を押されてか、がむしゃらに強引に攻める和田。
真っ向勝負の打ち合いに応じる古川。
試合終了に向けて、ボルテージを上げていった試合。

最後は和田の顔面が跳ね上がり、
二人がもつれ合うようにリングに倒れこんで試合終了。

マイジャッジは59-55で古川

公式ジャッジ

58-56
60-54×2

3-0 古川


とにかく古川の巧さが目立ったようにも思える。
回転良く軽くたたきながら、右ストレートは強烈に突き刺す強弱。

上手さも、しつこさも、スピードもある。
パワーでは和田が上回ったか…しかし、それもほかの要素でかき消した。

和田にとっては八方ふさがりの展開にも思えた中、
ハイテンポで戦ってきた古川が落ち始めるとようやく和田に光明が見え始めた。
耐え、粘り続けたからこそ見えた勝ち筋だった。

盛り返さんとする和田を、最後は押し切った古川。
勝ちに向かって真っすぐに進んだ二人のぶつかり合い。
見ていて気持ちの良くなる試合だった。


和田 千夜美 5戦3勝2敗
古川 のどか 6戦4勝1敗1分


【ミニマム級8回戦】
諸岡 直樹(セレス) vs 杉浦 義(協栄)

鋭く小気味よくジャブを飛ばす諸岡。
杉浦も返すが、その撃ち終わり、空いたところを巧みに襲う諸岡。
手数ヒットとも、諸岡が上回る立ち上がり。

2R、試合展開は一変。
変わらず積極的に攻め込む諸岡だが、
杉浦は硬いガードでやり過ごすとコンパクトにまとめる。
ガードの外側内側を滑り込ませるように拳を叩き込み
強烈なカウンターで襲い掛かる。

3R、もらいながらも攻め手は緩まない諸岡。
ジャブを立て続けにヒットさせるも、お構いなしに杉浦の強打が襲う。
重なっていく被弾、時折諸岡がとらえる強烈な右のカウンター。

4R、撃ち合いながらも細かく動き始めた諸岡。
諸岡がとらえる場面も増えるが、
何度も突き刺さる杉浦の右のカウンターが諸岡の勢いを消沈させる。
互角にも見えたこのラウンド最初の諸岡の勢いを、杉浦が飲み込んでいく。

5R、諸岡のヒットが増え始める。
倒しに出たか杉浦は被弾の数が増えるが、それ以上に強打でとらえる場面が増える。
杉浦が一方的になる中でラウンド終了のゴング。
ここでレフリーが諸岡を抱きかかえ、次のラウンドへ進むことは許さず。

5R 3分ちょうどのTKO


細かくコンビネーションを打ち込み続けた諸岡。
相手のカウンターを恐れることなく、被弾が増えても諸岡の形はずっと崩れなかった。
杉浦もまた、雨嵐のように飛んでくる諸岡の拳を恐れることなく冷静に対処しカウンターを合わせた。

両者とも日本ランカーながら、下位に甘んじているのが不思議にも思えた。
強い二人がぶつかり合った。
ランカー対決の重厚さを味わったように思えた試合だった。


諸岡 直樹 19戦8勝(3KO)11敗
杉浦 義 10戦9勝(3KO)1敗

 

 

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