2025/10/05 (一部) -愛知・刈谷あいおいホール- みどころ(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
3月から8月にかけて争われた中日本新人王。
今年栄冠を獲得した選手たちが各地の新人王達との対戦へと進んでいく。
新人王トーナメントは4地区に分かれて行われる。
東日本新人王
西日本新人王
中日本新人王
西部日本新人王
いきなり全地区で新人王を争った場合、遠方からの参戦選手が増えてしまう。
例えば沖縄の選手が後楽園ホールに毎回やって来るなどしてしまえば
試合を行うコストもかかってしまい現実的ではない。
各協会管轄単位でトーナメントを行い、各地の新人王達を決めた後、
その新人王達が、全日本新人王を争って戦いを繰り広げる。
参戦選手の多い少ないもあり、新人王戦は変則トーナメントとなる。
まず、最も選手数が少ない、中日本新人王と西部日本新人王が対決。
開催地は中日本の会場、西部日本の会場を交代で行っている。
奇数年は中日本、偶数年は西部日本での開催となる。
この試合に勝ち上がった選手は、西軍代表決定戦へと駒を進める。
立ちはだかるのは西日本新人王だ。
こちらは大阪で開催される。
さらにこの試合に勝利すると、年末の後楽園ホールにで行われる
全日本新人王決定戦で東日本新人王と雌雄を決することとなる。
エントリー1名で獲得も頻繁にあり、他地区に比べて獲得が簡単ともみられる中日本新人王。
ただし、全日本新人王へたどり着くには、各地を勝ち抜いた新人王を総ナメする必要がある。
険しい険しい道のりが待っている。
本日はそんな中日本新人王達が挑む最初の難関。
九州を中心とした西部日本新人王たちとの激突。
2025年度中日本・西部日本新人王対抗戦のせきちゃんてき見どころ紹介。
■中日本・西部日本スーパーフェザー級新人王対抗戦
【スーパーフェザー級5回戦】
加藤 陸(松田) vs 仲里 健太(WINNER)
加藤 陸 5戦5勝(3KO)
愛知県名古屋市出身の24歳。
名前の読みは「かとう りく」。
ハイセンスで土台がしっかりしている選手。
立て続けにKO劇を演出しているが、起点になったのはいずれも右ストレート。
元々好選手だったが、この右の威力、タイミングが急激に輝きを増したようにも。
全日本新人王獲得の力は充分。
仲里 健太 10戦4勝(4KO)5敗1分
沖縄県那覇市の29歳。
名前の読みは「なかざと けんた」。
この試合が二度目の中日本のリング。
前回は月田 翔一郎(LUSH)を相手にダウンを奪われ、
劣勢の中の試合終了残り十秒、大逆転寸前の一撃を放り込んで月田を窮地に陥らせた。
前回の戦いぶりからは何かを起こす空気もむんむんの仲里に対し
ハイセンスで基礎もしっかりある加藤。
戦績的にもAサイド加藤の試合となりそうだが…それを覆す破壊力は充分。
両者ともB級ライセンスで戦えるC級4勝はクリア済み。
この試合は5回戦で行われ、B級戦にカウントされる。
B級2勝でA級昇格、A級ライセンス昇格にもつながる1戦。
■中日本・西部日本ライトフライ級新人王対抗戦
【ライトフライ級4回戦】
倉坪 惇希(HEIWA) vs 金城 寿幸(沖縄ワールドリング)
倉坪 惇希 2戦1勝(1KO)1分
愛知県大府市出身の27歳。
名前の読みは「くらつぼ あつき」
ド根性香る熱血ボクシング。
新人王トーナメントは不戦での獲得となったが、オープン戦2試合でその力は示した。
猛攻、猛攻、とにかく猛攻…しつこさで相手の心を叩き折る!
金城 寿幸 5戦4勝(3KO)1敗
沖縄県宜野湾市出身の19歳。
名前の読みは「きんじょう ひさゆき」。
昨年に続いての西部日本新人王。
中日本のリングは初めてのため初見。
西軍代表決定戦で敗戦するが、対抗戦では全日本新人王候補だった細川 弦汰(駿河)を撃破。
今後ユース王座等に絡んでくることも予想される実力派が全日本新人王獲りへ再チャレンジ。
令和の永久機関と呼びたくなるほどの手数を誇る細川を、
さらにそれを上回る手数で撃破した金城。
倉坪も手数がすさまじい選手だが…その土俵では金城が上回るようにも思える。
倉坪と細川は試合会場でお互いの試合を応援し合う姿も。
「強さを認める友」をかつて撃破した相手が立ちはだかる。
■中日本・西部日本ウェルター級新人王対抗戦
【ウェルター級4回戦】
山中 圭市(中日) vs 知念 雄飛(琉球)
山中 圭市 1戦1勝(1KO)
新人王トーナメント自体は、対戦相手棄権での中日本新人王獲得。
これまで5戦組まれて4戦流れるという不運でキャリアは1戦のみ。
ようやく戦えたデビュー戦では1Rでダウンを奪われながら大逆転KO。
4回戦のデビュー戦がまさかのトレンド入りするなど、Xの人気者!
北海道出身の31歳。
名前の読みは「やまなか けいいち」
知念 雄飛 デビュー戦
デビュー戦のため初見。
こちらも対戦相手棄権で西部日本新人王獲得。
沖縄県出身の22歳。
名前の読みは「ちねん ゆうひ」
Xでは知名度抜群でもリングではこれから…そんな山中とデビュー戦の知念が次を争う。
情報過疎…だからこそ何が起こるかわからない。
ドッキドキワックワクのカード。
またもや巻き起こすか山中!人気者に勝ってデビュー戦から名を売るか知念!
■中日本・西部日本ミニマム級新人王対抗戦
【ミニマム級5回戦】
細川 弦汰(駿河) vs 玉城 野里斗(WINNER)
細川 弦汰 6戦4勝(3KO)1敗1分
静岡県焼津市出身の20歳。
名前の読みは「ほそかわ げんた」。
令和の永久機関が全日本新人王獲りへ向かう!
4回戦12分間を猛烈な手数で突っ走る。
試合後には「まだまだイケる」のシャドーボクシングのパフォーマンスも。
玉城 野里斗 5戦4勝(2KO)1敗
沖縄県出身の27歳。
名前の読みは「たまきのりと」。
デビュー戦で敗戦後に4連勝。
中日本のリングは初めてのため初見。
後楽園ホール、大阪でも勝利を挙げており、敵地遠征は慣れたもの。
昨年の西部日本新人王をKOで下して勝ち上がった。
B級戦としてカウントされる5回戦の試合は両者とも初体験。
全力で4Rを走り切る細川、無尽蔵と言えるスタミナは試合が3分増えてどうなるか。
たった3分、されど3分…勝敗を覆えるには充分な時間。
相手は2023年度全日本ライトフライ級新人王の磯金 龍(大橋)に
唯一の黒星をつけた選手である玉城。
実力は充分、ハイクラスの戦闘が予想される。
■中日本・西部日本フライ級新人王対抗戦
【フライ級4回戦】
高橋 昭麿(ARITOMI) vs 工藤 晃大(ダッシュ東保)
高橋 昭麿 4戦3敗1分
岐阜県岐阜市出身の26歳。
名前の読みは「たかはし しょうま」
中日本新人王決勝は対戦相手棄権での獲得。
デビュー3連敗から前戦で初のドロー。
初勝利の足音は聞こえて来ている。
工藤 晃大 6戦4勝(3KO)2敗
大分県別府市出身の29歳。
名前の読みは「くどう あきひろ」。
2019年にデビュー後、5年を経て昨年カムバック。
その後3勝1敗で西部日本新人王を獲得している。
中日本のリングには一度登場し、相手の変化、展開の変化に
しっかりと対応できる引出しを見せつけたものの接戦を落としている。
5連敗中だった東 健史(ARITOMI)が舞い踊るようなボクシングで勝利を挙げ、
無名だった松田 尚之(ARITOMI)がヘビー級トーナメントで準決勝へ勝ち上がる。
まさかを連発し、ARITOMI旋風が吹き始める中、
未勝利新人王となった高橋が最後の仕上げか。
対戦相手の工藤は、昨年、静岡のリングで好試合を演じ、
西部日本新人王として中日本にやって来る「この日」を予感させていた強い選手。
相手が強いからこそ勝利の価値はあがるもの。
「2025年ARITOMI大旋風!!」巻き起こせるか!
■中日本・西部日本スーパーフライ級新人王対抗戦
【スーパーフライ級4回戦】
中村 勇翔(緑) vs 鶴丸 潤知(折尾)
中村 勇翔 4戦2勝1敗1分
愛知県東海市出身の20歳。
名前の読みは「なかむら ゆうと」
アマチュア戦績は4戦2勝2敗。
トーナメント参戦当初は伏兵だった男が接戦を勝ち抜け、成り上がっての主役強奪。
カウンターセンスに要注目。
鶴丸 潤知 6戦5勝(1KO)1敗
福岡県出身の28歳。
名前の読みは「つるまる ひろし」。
中日本のリング初登場のために初見。
戦績的には見栄えはしない中村だが、全ての試合が拮抗した接戦。
新人王トーナメントでは優勝候補、強豪選手を撃破しての戴冠となった。
相手の鶴丸は4勝を挙げたうえで満を持しての新人王エントリー。
西部日本新人王決勝ではバッティングカットを負いながらも勝ち切った。
伏兵から全日本新人王へ…
強敵を迎えての戦いとなるが…不利予想を覆してきた中村だからこそ、
この試合への期待値も高まってくれる。
■中日本・西部日本バンタム級新人王対抗戦
【バンタム級5回戦】
藤本 翔大(中日本協会預かり) vs 手島 和樹(ミサイル工藤)
藤本 翔大 9戦3勝(2KO)3敗3分
静岡県出身の22歳。
名前の読みは「ふじもと しょうた」。
力はチャンピオンクラスだが試合では出せず…。
そんな勝てない時期を乗り越え、中日本新人王戦では大本命撃破で主役に躍り出た。
手島 和樹 4戦4勝(4KO)
大分県大分市出身の28歳。
名前の読みは「てじま かずき」。
中日本のリングは初めてのため初見。
今年の西部日本新人王戦、3試合連続1RKOで圧倒的な戴冠劇を見せている。
今年の中日本新人王トーナメント全階級通じての主役と目された
犬塚 琉樹(名古屋大橋)を撃破した藤本。
主役に成り代わったとも思われる藤本が、
圧倒的格闘センスを誇る西部日本新人王MVPと対峙する。
今年の対抗戦、No.1注目カードだ。
どちらの選手も、すぐにでもA級で勝負できる実力はあるように思う。
この試合はB級戦として行われ、勝てばA級へリーチがかかる。
■中日本・西部日本スーパーバンタム級新人王対抗戦
【スーパーバンタム級4回戦】
鈴木 蒼平(とよはし) vs 川添 仁(黒崎KANAO)
鈴木 蒼平 5戦2勝(1KO)2敗1分
愛知県蒲郡市出身の27歳。
名前の読みは「すずき そうへい」
実力拮抗大混戦のトーナメントを勝ち上がった。
体制が崩れながらも出てくる手数は厄介極まりない。
川添 仁 4戦3勝(1KO)1分
福岡県行橋市出身の23歳。
なまえの読みは「かわぞえ じん」。
中日本のリングは初めてのため初見。
削り取るようなファイトで西部日本新人王を勝ち上がった。
この日一番の激戦を予想するのがこの試合。
両者とも手が出るタイプ、映像を見る限り距離は川添の方がわずかに近いか。
ファイトとなること請け合いのカードだが、
どちらが「自分のやりたい場所に立てるか」にも注目したい。
■中日本・西部日本フェザー級新人王対抗戦
【フェザー級5回戦】
植松 風河(駿河男児) vs 佐藤 成貴(ビッグアーム)
植松 風河 7戦6勝(5KO)1敗
静岡県富士市出身の21歳。
名前の読みは「うえまつ ふうが」。
アマチュア戦績:26戦19勝7敗
昨年痛恨の一撃KO負けから、リベンジの新人王エントリーでMVP。
逆襲の中日本新人王MVPが全日本獲りへ挑む。
佐藤 成貴 6戦3勝(1KO)1敗2分
広島県海田町出身の24歳。
名前の読みは「さとう なるき」。
昨年に続いての西部日本新人王。
中日本のリングは初めてのため初見。
昨年は木附 大己(緑)の強打に涙を飲んだ植松。
そして、昨年はこの対抗戦で敗れているものの、その木附の強打と勇敢に撃ち合った佐藤。
両者とも1年前、同じ相手に道を閉ざされた者同士。
実力を増幅させて、この舞台で激突する。
この試合はB級戦として行われ、勝てばA級へリーチがかかる。
■中日本・西部日本ライト級新人王対抗戦
【ライト級4回戦】
山本 怜生(中日) vs 樋口 絹真(北島)
山本 怜生 3戦3勝(1KO)
愛知県岡崎市出身の22歳。
名前の読みは「やまもと れい」
中日本新人王戦はKO勝ちだが中身は接戦、一瞬の勝機で見事に仕留めた。
接戦の強さ、勝負強さに目を見張るものあり。
樋口 絹真 4戦3勝1敗
長崎県出身の23歳。
名前の読みは「ひぐち けんしん」。
アウトボクシングでダウンを奪っての判定勝利で西部日本新人王獲得。
中日本のリングは初めてのため初見。
アウトボクサーに対して、山本が試合をどう組み立てていくのか。
「試合の巧さ」があるように思える山本の攻略絵図が面白みを感じさせる。
樋口のアウトボクシングが、山本を完全に封じ切る可能性もあり。
じっくりと見たい一戦と感じられる。
■中日本・西部日本スーパーライト級新人王対抗戦
【スーパーライト級4回戦】
島田 ネン(とよはし) vs 野上 一馬(本田フィットネス)
島田 ネン 2戦2勝(2KO)
愛知県豊橋市出身の22歳。
名前の読みは「しまだ ねん」。
デビュー以来2連続1RKO勝ち、ブラジル国籍の大怪獣。
野上 一馬 6戦3勝(2KO)3敗
熊本県熊本市出身の20歳。
名前の読みは「のがみ かずま」。
中日本のリングは初めてのため初見。
3敗しているが、その相手はすべて西部日本新人王獲得者。
アマ実績のある相手を前にしても、猛烈に襲い掛かる強打者を相手にしても
慌てることなく強打MAXフルスイングで相手を沈める大怪獣島田。
強敵相手に3連敗から立ち上がり、西部日本新人王まで勝ち上がった野上が相手。
怒涛の勢いで島田が勝ち進むか、野上が辛酸を知る者の強さを見せるか。
ヒリヒリのカードがこの日の新人王戦のトリを務める!
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