2024/3/16 -愛知・ポートメッセ名古屋・第3展示館- 第5試合~セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【51.5kg契約8回戦】
村上 勝也(名古屋大橋) vs コムサン・カエウルエアン(タイ)
普段なら身長差が出ることの多い長身の村上だが、
この試合の相手、コムサンの身長は村上と同等。
長いリーチを生かした普段の戦い方とは異なり自分から攻めに行く。
初回いきなり右ストレートでダウンを奪うと、
3Rに左ボディを効いたと見るや、ことあるごとに左ボディを叩き、
弱ったコムサンをコーナーに詰めてパンチをまとめた。
レフリーがコムサンを救出してのTKO勝ち。
TKOタイムは3R1分38秒。
前戦の日本タイトル挑戦では、得意のロングレンジで及ばず、
終盤前に出て勝負をしかけたが弾き返された村上。
この試合では、自分から前に出てダウンを奪い、TKOに繋げた。
ロングレンジのスペシャリストと言われるようになって久しいが、
その戦い方に幅を持たせに来ているように思える。
選択肢が増えればスタイルそのものが変わっていく可能性もある。
これから新しい村上を見せてくれる…そんな期待感を感じさせてくれた。
負けてからが、ボクシング…いよいよ村上が再スタートを切った。
村上 勝也 19戦15勝(4KO)3敗1分
コムサン・カエウルエアン 7戦5勝(3KO)2敗
【スーパーバンタム級8回戦】
溝越 斗夢(LUSH緑) vs ソンムサック・ヌオーエー(タイ)
ソンムサックの強打に驚いた。
異常に硬質なパンチに、伝家の宝刀カウンターは火を噴かず。
しかし、持ち前の目の良さを生かし、タイミングよくヒットを奪う。
強打を警戒してかジャブの数は少ないが、
相手をしっかりと見ながら自分から撃ち込む場面を多く作り、
攻撃力の高い相手に対し、安心できる戦いぶりだった。
タフネスにも秀でたソンムサックを効かせるまでには至らないものの
後半はボディを痛めつけはっきりと主導権を握ったまま試合終了のゴング。
マイジャッジ 80-72
公式ジャッジ 80-72×3
3-0 溝越
時折ぶつかる頭にも苦労しながら、フルマークでの勝利。
得意のカウンターが活きずとも、その分、リスクを減らして自分から攻めた。
カウンターを全面に押し出していたここ数戦から、少し原点回帰に近い形にも見えた。
様々なスタイルを選択できることで、
幅広い相手に対応できるようになってきているように感じる。
この日唯一の判定勝利だったが、溝越がしっかりと相手を封じ込め
また一歩先へ進んだようにも思えた。
現在のランキングは下位だが、国内トップ戦線へ殴り込む日も近い。
満を持して…今年、もしくは来年か…ベルトに挑む溝越が見たい。
溝越 斗夢 17戦11勝(5KO)4敗2分
ソンムサック・ヌオーエー 6戦4勝(3KO)2敗
【バンタム級8回戦】
佐野 遥渉(LUSH) vs マテオ・ハンディグ(比)
スピード豊かに積極的に前に出てくるハンディング。
襲い掛かるハンディングの攻撃をいったん受けきると、
強烈な左ボディ一撃でリングに沈むハンディング。
10カウントで立ち上がることはできず。
1R 2分17秒KO
元世界ランカー、40戦以上のベテランに技巧、駆け引きで上回った。
体格で下回る相手を、パワーで潰したわけではない。
世界戦線を戦った相手の秀でた部分で対峙し、上回った。
冷静に落ち着いて、僅かな時間で相手の隙を見抜いた姿には
底知れぬ力の一端を見せたように感じる。
「世界を獲れる選手」
そう言われる選手は多くいるが、プロモーションに乗ってのことも多い。
佐野に関してはコアなマニアの間で、そんな声が上がり始めている。
リングの外が沸き立ち始めた…いよいよ次の段階へ…。
佐野 遥渉 9戦8勝(4KO)1分
マテオ・ハンディグ 42戦17勝(11KO)25敗
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