2023/08/20 -愛知・刈谷あいおいホール- 第4試合、第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
■中日本ライトフライ級新人王決勝
【ライトフライ級4回戦】
茶木 努(カシミ) vs 滝川 裕大(中日)
茶木 努 2戦2敗
滝川 裕大 2戦1勝(1KO)1敗
試合開始から激しい撃ち合いとなった試合。
的確さで上回る茶木が強烈に滝川の顔面を捉えるが
滝川は強烈にボディを叩いて茶木を削っていく。
2Rには動きが鈍り始めた茶木を右ストレートで吹っ飛ばすと
ボディ攻めを緩めることはなく、茶木をどんどん削っていく。
勢いを増していく滝川、削られていく茶木。
試合はこのまま滝川が制していくかに思えたところ、
苦しみながらも、前へと出てコツコツとパンチを入れていく茶木。
足を使いながら強烈に左フック、右ストレートを突き刺す滝川に対し、
手数で判定を微妙なものへと変えていく。
マイジャッジ 39-37 滝川
公式ジャッジ 39-37×3 滝川
明らかにボディを効かされ、苦しい展開の中、
ひたすらに前に出て手数で試合を接戦としていった茶木。
とりもちのようにしつこいボクシングは胸を熱くさせた。
序盤の撃ち合いでは劣勢に立ったが、相手をボディで削って上回っていった滝川。
鈍った茶木に対し、足を使って突き刺すパワーパンチは的確に茶木を遅い、
上が当たる状態でも、下への攻撃を緩めることはなかった。
センスが溢れるような選手には見えない。
されど、落ち着いてボディから切り崩した姿は、見た目以上の強さを感じさせる。
ここから各地の新人王達との戦い…。
滝川がどこまで伸びていくか、楽しみで仕方ない。
■中日本スーパーフェザー級新人王決勝
【スーパーフェザー級4回戦】
新田 晃生(カシミ) vs 古川 修誠(杉田)
新田 晃生 1戦1勝
古川 修誠 4戦2勝(1KO)1敗1分
新田が鋭くジャブを突きながら入り、さらに左フックを叩きつける。
ボクシングで上回る新田が左で古川を翻弄していく。
新田の左は古川が反応する前に古川の顔面を捉え
状況を打開できない状態が続く中、2R終了間際、
お互いに右を振り抜き合ったところでようやく新田の顔面を捉えるシーン。
しかし3R以降、新田に対してなすすべなく、古川の拳はほとんどヒットせず。
マイジャッジ 40-36 新田
ジャッジも3者 40-36のフルマークで新田。
「強さは巧さを凌駕する」
しかし、それは拮抗したときの話。
新田のボクシングには古川の何倍もの厚みがあった。
残酷にも見えるほど、何もできなかった古川。
強靭なフィジカルとパンチ力で豪快な試合を演出してきた選手だったが…。
積み上げた相手にはかなわない…そんな現実を見せつけられたようにも思えた。
あと1.5勝のところに6回戦も見えている。
勝っていくには、生き残っていくには、古川自身も積み上げる他ない。
恵まれた肉体頼りのボクシングから、「古川修誠のボクシング」を創り上げていく他ない。
もし、ここから復活して来るなら、きっと魅力的な物語となるはず。
プロとして描く、とてつもなく面白いエンターテイメントとなる。
ここからが、古川の本当のプロボクサーとしての道のり。
そんな風にも思えた。
そして、ハードパンチャーであり、
野性的な反応を持つ古川を、ほぼほぼ左一本で完封した新田。
18歳でこの強さ…その姿には恐ろしささえ感じた。
北陸から、英 洸貴(カシミ)の次が出て来た。
全日本新人王、今年最も期待できるのはこの選手かもしれない。
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