2023/3/26 -愛知・刈谷あいおいホール- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

■2023年度中日本新人王スーパーフライ級準々決勝
【スーパーフライ級4回戦】
犬塚音也(松田)　vs　高島瑛滉(トヤマ)

犬塚音也　4戦4勝(2KO)
高島瑛滉　1戦1勝

頭一つ大きな高島に対して詰めていく犬塚。
しかし、迎え撃つ高島は相変わらず近距離で巧さを見せる。

高島の鋭利なアッパーに襲われながら、犬塚は前へ前へと進み下から崩す。
次第に犬塚が押し込みながらコンビネーションで捉える場面が目立っていく。
序盤のうちに主導権を握り返し、後半に入ると一方的な展開に。

高島もまだ、可能性を残す一撃で犬塚を捉えるが、犬塚は怯まず。
試合は犬塚が後半になるにつれて圧倒していき終了のゴング。

マイジャッジは39-37で犬塚。

公式ジャッジも39-37×3で犬塚の勝利。

長い手足を持ち、近づかなければ勝負にならない。
しかし、近づけば巧みなファイトで襲われる。
そんなどうにも厄介な選手に見える高島。

この試合でも、序盤は優勢に進めたように見えたが、
犬塚が高島の術中にハマりながら、被弾構わずさらに詰めることで凌駕した。
詰めた後は下から崩し、泥臭くも完璧に攻略…。
その強さをはっきりと誇示する勝利だった。

犬塚だからこそ作れた展開とも思える。
明らかに弱い選手ではない高島。
ここから、逆襲に期待したい。

これでまずは包囲網の第一弾を突破した犬塚。
次に待ち受けるのは、岩永翔太(タキザワ)を左ジャブ一撃で沈め
衝撃的なシーンを演出した藤野零大(カシミ)。

またもや、簡単ではない相手が待ち受ける。

■2023年度中日本スーパーバンタム級新人王準々決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
串田凌(薬師寺)　vs　高橋梨久(トコナメ)

串田凌　1戦1勝(1KO)
高橋梨久　デビュー戦

12分間の撃ち合い。
押し込み続け、しつこくしつこく戦う串田に対し、
鋭利なパンチで迎え撃ち、的確にショートパンチを撃ち込んでいく高橋。

最終ラウンドには高橋も前に出て熾烈なファイトへ。

アグレッシブと手数なら串田がとってもおかしくない。
ヒットやクリティカルなら高橋に転ぶ…・
紙一重の試合、結果はジャッジ席に誰が座るかの運に委ねられる。

マイジャッジは38-38のドロー。

結果は…
39-37×2、38-38の2-0 で高橋の勝利。

初戦では鮮烈なKOを演出した串田だったが、
この日は泥臭くしつこいボクシングを展開。
鋭利なパンチを浴びても、12分間に渡ってまとわりつくように詰め続け、手数を出し続けた。

串田を迎え撃ったのは高橋のトコナメボクシング。
左構えから攻撃的に的確に捉え続けた。
デビュー戦から激しくタフな攻防を乗り切っての勝利。

松本一也(松田)の姿を思い出した。
勇敢に突進していく左構えの猛ファイター。

引退し、もう見れなくなってしまった選手。
しかし、そんな選手の姿を、今を戦う選手に思い起こされる。
基本的にキャリアが短いボクサーという職種だが、
その輝ける姿は、こうして時に思い起こされ、ずっと残り続ける。

観客の大切な大切な思い出さえも揺さぶる。
リングの上のボクサーの偉大さを感じた試合。
高橋もまた、試合を見たファンの心に残り続けるような選手になって欲しいと感じた。

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