山口 鉄也(蟹江)を見逃したくない(コラム) ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2017/05/19
今、ドハマりしている選手がいる。
トミナガ シンペイ(中日) 10戦5勝(4KO)5敗
彼は…ブサイクである。
顔も…試合も…。
中日本の中量級で戦うこのブ男。
ゴングが鳴ったあとのトミナガは…えげつなくカッコいい。
汗にまみれ体で押し合いへしあい。
密着した距離なので、痛快なヒットはなかなか産まれない。
それでも渾身の力で相手を押し込み、押し返され、拳を振りまわす。
“The泥試合”。
延々と続く密着戦…汗にまみれた男がズルズルに疲弊し、ヘロヘロになっていく。
「面白くない試合」
そう形容される試合の典型的な形の一つ。
しかしである…トミナガが繰り広げる泥試合は…超面白い。
何故か…似合うのである。
話が少しずれるが、世界No.1ベーシストに挙がる人物にセックスピストルズのシド・ビシャスがいる。
…シドは実はベースが弾けなかったそうだ。
なのにNo.1…理由は、ベースを持って立つ姿があまりもカッコいいから…だそうで。
トミナガの泥試合は、それに匹敵するようにさえ思えてしまう。
近過ぎる距離は未熟さ故かもしれない。
だがしかし…汗にまみれた根性戦が似合ってしまうのである。
相手を捌くトミナガなど見たくない。
密着してグッチャグチャに撃ち合い、根性で乗り切る…
そんな男前なトミナガが見たいのだ。
…で…
ここまで大きく書いておいて申し訳ないのだが、
実は僕はトミナガの試合を1試合しか見たことがない。
その1試合の印象が大きすぎて、こんなことを騒ぎ立てているのだけれど…
まるで昔からのファンみたいな感じで書いてごめんなさい。
今日の本題。
山口 鉄也(蟹江)。
トミナガがドロドロの試合を見せた、その試合の対戦相手。
トミナガの戦績を見てみると…その試合が初めての判定勝利。
2度の判定負けはあるが、勝った試合は全てKO。
トミナガのパンチはかなり重い。
あの試合…山口のタフさもかなり目立っていた。
果たして山口なくして、僕はトミナガの魅力に気付けたのだろうか。
11戦3勝(2KO)6敗2分
現在4連敗中。
中量級でこれだけ負けていながら、KO負けは1度しかない。
抜群のタフさに、トミナガと真っ向から押し合った体の強さも持つ。
いっさい引かなかった山口のボクシング…
劇的な勝利を収めるボクサーには、必ず対戦相手がいる。
勝った者が全て…とも言えるボクシングにおいて、敗者の凄さは見過ごされがちだが
あの試合は相手が山口だったからこそと思えてしまう。
あのタフさと強い気持ちが、今後どう昇華していくのか。
現在35歳…ボクサー定年まであと1年半。
トミナガ!トミナガ!男前!…と大騒ぎしている僕だけど…。
実は山口の到達点も気になって仕方がない。
できればもう一度、トミナガと戦う姿が見たいのだが…
本当に見たいのはアマエリートvs山口。
きっと勝てないだろう…そう思うのと裏腹に、タフさで相手を飲み込んでしまわないだろうか…。
ボクシングにおけるアップセットは大きな魅力である。
山口がファンの予想をひっくり返すような結果を叩きつけてくれやしないか…
なんて妄想をして…ニヤニヤしてしまう。
強い選手ではない。
注目選手でもない。
でも、見る価値のある”プロ”ボクサー。
山口 鉄也…残された時間の中で、ファンにその名を刻んで欲しい選手だと感じている。
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