2026/8/16 -愛知・いちのみや中央プラザ体育館- 第4試合、第5試合(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【バンタム級8回戦】
ウェスレイ・カガ(比) vs 村田 碧(松田)
技巧派の印象もあった村田が、右ボディから左フックと獰猛に叩きこんだオープニング。
倒す意思を感じさせる立ち上がり…。
威力を感じさせるガガの右にもスレスレのカウンターを合わせに行く。
いつものようにかわすのではなく、
思い切り振って来るガガのパンチを浴びる場面もありながら、下がりながら威力を殺す村田。
2Rも足を止めてガガの強打と対峙する村田。
ガガもショルダーブロックを駆使するなど、お互いに巧みさを見せる。
そんな中でも、ガチャガチャと追いかけてヒットを奪う場面を作るガガ。
多少形は崩れても…このあたりにも巧さを感じる。
対して村田は圧力をかけていく中、時折コンビネーションで捉えて印象的な場面を作る。
3Rには待ちの時間が増えたようにも見えたガガ。
撃ち終わりを襲う場面が目立つ…。
カウンターで痛烈に村田を捉えるヒヤリとする場面も。
ラウンド終盤、お互いガードを上げて頭をつけた場面。
村田のボディが的確にガードの隙間に滑り込んでいく。
効いたと見たか、ラッシュを浴びせてこのラウンドが終了。
窮地にはボディワークでうまくいなして、致命打は許さない。
土壇場でも巧さを見せるガガ。
4Rはお互いに見合う時間の長い展開。
駆け引きの中でうまくダメージを回復させる時間を作ったか…
わずか11戦ながらベテランのような試合巧者ぶりを見せるガガ。
5R、見合いながら、ガガが下から上へと襲った立ち上がり。
ここでガガへホールディングの減点。
再開後、村田はもらいながらの一撃でガガをバタつかせると、
痛烈にボディを襲う場面を立て続けに作る。
6R、強打を振るって攻め込んだ村田。
ガガの大きなパンチを食ってもそのまま突っ込んで痛烈に襲う。
これで効いていないはずがないと思えるほど、ボディに刺さるパンチは大きな衝撃音を上げ
それが何度も何度も突き刺さる中、ダメージを見せないガガ。
しかし、ラウンド終了1秒前、みぞおちに刺さった村田の左アッパーについに膝を突くガガ。
耐え続けたダメージは、ガガに立ち上がることを許さず。
テンカウントが数え上げられた。
KO タイムは 6R 3分9秒
これまで以上に被弾が目立った村田。
この試合では攻撃に比重を置いていたようにも思えた。
獰猛に…相打ちも辞さず…まるで猛獣のように仕留めてみせた。
他の日本人選手たちを相手に判定までいっているアジアの強豪。
巧みさとタフさ、倒しづらい選手なのは試合ぶりから明らかだった。
隙を見せれば手を焼く厄介な相手…それをはっきりと倒しに行った村田。
「強すぎて試合が決まりづらい」中で、
他の日本人選手たちと比較される相手に対し、差を見せる意志を感じた。
この戦いの先に待つもの、そして国内の強豪たち…。
ガガの先に見据えるものをしっかりと意識しながら、KO勝ちでのアンサー。
実力世界ランカークラスなのは間違いない…この男がついに勝負を意識し始めている。
きっと村田の名前が鳴り響き始める…確信に近い予感を感じた。
ウェスレイ・カガ 12戦8勝(4KO)4敗
村田 碧 11戦11勝(6KO)
■日本フライ級挑戦者決定戦
【フライ級8回戦】
坂井 涼(畑中) vs 弘田 一誠(モリシタ)
お互いに探り合う序盤、L字に構える弘田の肩口から
坂井が右を撃ちおろしたのがオープニング。
ワンツーを撃ちながら追いかけ、弘田がかわし切ったと思ったところから追撃のロングフック。
さらに、接近した場面のショートフック…バリエーション豊かに坂井が強烈なヒットを奪う。
2Rには弘田が踏み込んでのフックでヒットを奪い始める、
坂井も右ストレートを突き刺すなど、タイミングの制し合い。
両者とも一辺倒にはならず、弘田もロングフック、
ショートフック、ボディなどバリエーションは多い。
3R、お互い斬り合いのような踏み込みを見せる中、右の大砲が相打ち。
ここで弘田のフォローの左が刺さり、坂井が痛烈なダウン。
絶体絶命の中、前に距離を潰して逃れる坂井。
圧を強めてヒットを奪う弘田に対し、
耐えながらもしっかりと反撃の手を出しラッシュには至らせず。
ラウンド終了間際には反撃のボディを撃ちこんでこのラウンドを切り抜ける。
4R、駆け引きの応酬の中、坂井が捉える場面もあるが、
弘田の鋭く踏み込んでのフックが坂井を捉える場面が目立つ。
しかし終盤、鋭くジャブを突き刺し、試合の展開を落ち着かせる坂井。
5R、お互い足を止めてのファイトの中で坂井の右ストレートが流れたところ、
森下が痛烈に右を突き刺して、坂井がこの試合2度目のダウン。
再開後はとにかく抱き着いてのサバイブ。
なりふり構わず、この窮地を逃れ切る。
6R、とにかくパンチをまとめに来た弘田。
重厚に攻め込んだ弘田、痛烈なヒットの数で圧倒的に上回るが
被弾の中、痛烈なカウンターを撃ち込む坂井、逆転の可能性は手放さず。
7R、ファイトとなる中、坂井の左アッパーが突き刺さる。
力なくバランスを崩し、足をもつれさせなから、弘田が尻もち。
ダメージ甚大のダウン…ビックチャンスに坂井が攻め込む。
何度もダメージブローを叩きこむが、撃たれたあとに必ず反撃の拳を撃ち込む弘田。
TKOにはつなげさせない。
8R、お互い前係になる中、頭の衝突が頻発。
弘田に休憩が与えられられる場面も。
日本トップ戦線の二人が猛烈に撃ち合う最終ラウンド。
お互いの顔面が跳ね上がりながら試合終了のゴング。
マイジャッジ 76-73 弘田
公式ジャッジ 77-73、76-73、75-74 3-0で弘田
まさに斬り合いとなった試合。
結果は2度ダウンを奪われた坂井が敗戦…。
決定的な場面を1つではなく、2つ創った弘田。
はっきりと強さを証明しての日本王座挑戦権を手中にした。
坂井の強さを見てきた身として、弘田の強さに鳥肌が立った。
ドンピシャで刈りとるタイミングがあるからこそ、無駄なリスクも削られる。
旗色が悪くなっても、「倒せばいい」と思わせることのできるボクシング。
さらには、7Rの追い込まれた場面こそ、弘田の強さを痛感した場面。
ダウンのダメージが残る状態で攻め込まれ、固まればTKOもあり得る状態。
手を出せば余分な被弾を産みかねない中、
それを恐れずパンチを返し、レフリーにストップをさせなかった。
強いだけじゃない、頭脳的なだけじゃない…度胸もガッツリ兼ね備えている。
日本ランカーともなればそれぞれがバケモノクラス。
最強挑戦者決定戦に出てくる選手ともなればなおのことだ。
心の底から思い知らされた。
坂井をもってしても頂までの道は険しい。
またも日本王座のその凄みを思い知らされたようにも思う。
ダウンシーンを削ったポイントゲームでは坂井が勝っていたようにも思う。
ただしボクシングはポイントゲームの前に、倒すか倒されるかの戦いだ。
2度までも斬られた手負いの坂井だったが、7Rにはまさかの一撃で斬り返した。
明らかにダメージのあるダウン、あと一歩まで手を賭けた挑戦権だったが届かず。
坂井の真骨頂はまさに釣る瓶打ちとも言えるコンビネーションだと思っている。
TKOを呼び込む力は高いはずが、7Rのビッグチャンスにその姿は見られず。
もちろん、撃ち終わりに必ず返して
一方的にさせなかった弘田を褒めるべき攻防であるのは承知のうえで…
坂井…もっとやれたのではないか。
これまで見てきた坂井はもっと強かったはずじゃないか…とも思えた。
まだ足りない、今のままじゃまだ足りない。
引き上げる姿にリングに「まだやれたこと」を置いてきたようにも思えた。
取り返しに行ってほしい。
強さにどん欲に…より圧倒的に強くなって欲しい。
坂井に夢を見たい。
坂井 涼 13戦10勝(6KO)3敗
弘田 一誠 11戦8勝(3KO)1敗2分
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