2024/12/14 -愛知・名古屋国際会議場イベントホール- ファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
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【スーパーフライ級8回戦】
坂井 涼(畑中) vs 森野 大地(フュチュール)
試合映像 [2:16:40 – 3:02:50]
静かな立ち上がりの中、坂井の右ストレートが強烈に森野の顔面をとらえる。
静かなまま、1Rが終了するかと思えたラウンド終了直前、
森野のボディにバランスを崩した坂井。
ロープに寄りかかって尻もちは逃れたが、ロープダウンを取られてもおかしくない流れ。
少しヒヤリとする。
2R、両者とも前の手をたたき合いながらジャブをつぶし、奥の手勝負。
坂井がタイミングを制し、右ストレートを強烈に突き刺す場面を多く作るが
後半に入るとサウスポーの森野の左ストレートもヒット。
3R開始直後、右ストレートをダッキングでかわした森野の頭が上がってきたところを
坂井の左フックがジャストミート。
テンプルを貫く形でダウンを奪取。
立ち上がってきた森野を攻め立てる坂井だが、タフな森野をここでは仕留めきれず。
上で仕留めに行きがちな場面、坂井はボディも交えて痛めつける。
仕切り直しの4R、右ボディで強烈に襲った坂井。
効いたとみるや、一気にコーナーに追いつめ、ボディの連打で押しつぶすようなダウン。
再開後も、何度もボディを襲われる森野だが、手を返してこらえていく。
ラウンド終了間際には右ストレートでぐらつく森野。
5R、ボディを効かされた結果か、森野の誇る強打もだいぶ削がれてきたように感じる。
これ以上のダメージは避けたいか、足を使いながら迎え撃とうとする森野だが、
ボディを受けるたびに大きく後退。
絶体絶命の中、とにもかくにもここを逃れて…か。
勝利の糸口が見えるところまで、生き残りにかかる。
6R、森野がこれまでとは変え、細かくたたきながら前に出る。
ガードの上から小さくたたきながら、時折、力を込めて大きく撃ち込む。
圧倒的劣勢の中、一発当たればの希望はついえない。
坂井が追いつめていく中、右ストレートが刺さったタイミングで、
森野が右目を抑えて固まる。
それでも、リングには沈まない森野に、後続打を浴びせたところで
ようやく森野がコーナーでしゃがみこんだ。
ここでレフリーが試合をストップ。
目を抑えながら悶絶する森野。
眼底骨折か…
TKOタイムは6R 2分45秒
3Rのダウンから、圧倒され続けた展開の中、
森野は逆転を目指し、その強打をふるい続けた。
ボディが効いてその威力が削がれても、眼底を破壊されるまで戦い続け
最後は壮絶な姿でリングに沈んでいった。
勇敢すぎるほど勇敢な姿だったと感じる。
強打のある相手に付け入る隙を許さず。
攻め込む場面でもリスクを負うことはなかった。
日本ランカーとして、堂々相手を迎え撃ち、撃破した。
刈谷あいおいホールから一回り大きくなる名古屋国際会議場。
簡単にメインを張れる舞台ではない。
その舞台を急遽任されたホープが、様々なものを背負い、見事に大役を果たした
畑中ジム、苦難の2024年を最後の最後に救った坂井。
第3の男がいよいよ台頭と言っていいように思えた。
坂井 涼 9戦8勝(4KO)1敗
森野 大地 11戦5勝(3KO)6敗
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