2024/5/5 -三重・AGF鈴鹿体育館- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

一回りフレームの大きな中尾に距離を潰してファイトを仕掛けるタク。
体で押し合いながら頭を付けてのファイトが展開される。
お互いに腹を削り合うなか、下から上へ…徐々に強烈に頭を捉え始める。
中尾が突き刺すアッパー、タクがテンプルに叩き込む左フックが目立つ。

2Rに入ると押し込むタクに対して、中尾が下がりながら撃ち込むスペースを作り
ボディを中心に削りながら、アッパー、撃ち下ろしとパンチの種類多く撃ち込む。
タクもラウンドが後半に進むにつれて右を強烈に叩きつけて行く場面を目立たせる。

押し込むタクが手数を増やし、中尾は下がって
強く撃ち込むスペースを作りながら戦うが、タクの手数はどんどんと増していく。

最終ラウンドは両者とも完全なファイト。
お互い至近距離で強烈に捉え合う。
タクのアッパーに中尾の右ストレートがカウンターで突き刺さり、
一瞬タクが固まる場面も…。

攻撃的に戦い続けた二人、撃ち合ったまま試合終了のゴング。

マイジャッジは39-37　中尾

39-37　中尾
38-38×2　

1-0　ドロー

スイングラウンドが続いた試合、どちらについてもおかしくないラウンドが並んだ。
ガムシャラに撃ち合っていただけの試合ではない。

中尾のより強いパンチを撃ち込むスペースを作る動き…。
密着した距離よりも、少し距離があった方がKOが産まれやすい。
それは自分だけでなく相手も同じ。
リスクを背負いながらの攻撃的な戦いぶりだった。
頻繁に立ち位置を変え、角度を変えてタクを捉えていった中尾。

タクはガードを高く上げ、体格で上回る相手との距離を潰してファイトしていった。
下から上へ…パンチはスムーズに繋がり、
アッパーは何度も中尾を突き上げ、右はテンプルを捉えた。

負けの多いこの二人が、その負けの中でどれだけ巧くなったか、
どれだけ強くなったのか…これまでの映像を見て欲しい。
彼らのこれまでの道のりが、よりこの試合を熱く感じさせてくれる。

負け越し同士の対決はドロー、濃厚な濃厚なドラマが詰まったドロー。
少しずつ、少しずつ…これからもきっとより強くなっていく。
彼らの戦いを楽しみにしていたい。

中尾公信　6戦1勝(1KO)4敗1分
ハンマー・タク　9戦2勝(2KO)6敗1分

ジャブからボディストレートで組み立てていくサウスポーの小島。
撃ち終わりに強烈に捉える岡田、お互いワンツー主体の攻防の中、
距離が縮まった場面で岡田が纏めて捉える場面が印象的。

2Rに入ると攻勢を強めた岡田が次々と捉えて行くが、
臆せず前へ出て行く小島、左ストレートが刺さり始めると
小島の手数がグングン増えて行く。

お互いガードが高く、的中率は高くないが、
小島がどんどん手数を増やしていく中、岡田の手が出なくなる。
時折、強烈に返す場面ではしっかりと捉えるが、小島の手数が圧倒する。

最終ラウンド、一気に前に出る岡田。
強烈に捉えて纏める印象的な場面を作る。
小島の猛烈な手数の中を、ガードを固めて入り込み
右ストレートで顔面を跳ね上げて魅せる。

ラウンド終盤、今度は小島が手数の中で左のクリーンヒットを連発。
ガムシャラな撃ち合いの中で試合終了のゴング。

マイジャッジ　39-37　岡田

公式ジャッジ
38-38
39-37　×2　岡田

2-0　勝者岡田

ワンツーでやりあった前半、最終ラウンドには本領発揮の攻撃力。
相手のパンチに怯まず、しっかりと纏めてポイントを奪取した岡田。
巧くなった部分、そして以前から見せて来た攻撃力、どちらもしっかり見せての2勝目。

際どいラウンドが多かった試合、焦ることなく、崩れることなく
やるべきことをしっかりやって勝った印象。
接戦ではあったが、強さを見せてくれたと感じている。

対して小島はこの日もまた実直な姿を見せた。
ガードを高く、ワンツーを主体に下から攻めていく。
しっかりと手数で責め立て、一時は岡田を後手に回らせた。
紙一重…初勝利を掴む実力は間違いなくある。

撃ち終わりを的確に岡田が捉えた序盤、手数で小島が飲み込まんとした中盤、
岡田がその手数に立ち向かい、激しく撃ち合ったラスト。
たった4Rの中に、しっかりと展開があった濃厚な一戦。

面白い試合だった。
とにかく面白い試合だった。

岡田大空　3戦2勝1敗
小島辰哉　3戦2敗1分

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