2018/12/02 -刈谷あいおいホール- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！

2018/12/02 -刈谷あいおいホール- 第1試合、第2試合(中日本ボクシング観戦記)　ボクシング選手名鑑ピックアップ！
 
 

【51.5kg契約４回戦】
中村 淳希(市野)　vs　安西 蓮(岡崎)

中村 淳希　1戦1勝(1KO)
安西 蓮　4戦2勝(1KO)1敗
 

1Rジャブの刺し合いから始まった試合、中村の間合いに踏み込んでいこうとする安西。
ラウンド中盤に入ると中村のワンツーを皮切りに試合は撃ち合いに。
お互いが左右フックで顔面を捉え合う中、カウンターで入る安西の右が有効に見える。
中村はボディを強く叩く。

ラウンド終盤、安西が右フックを決めて膝を揺らした。
 

2R、中村の右フック、左ストレートが安西を捉えるが、
安西は下がらず、左のカウンターを効かせてみせる。
激しい打ち合いが続く中、ラウンド後半に差し掛かると、
中村がボディを猛烈に叩いて安西を削り、一気に中村がまくっていく。
 

3R、開始直後、いきなりの右ストレートを突き刺した安西。
しかし、中村も下がらず、激しくボディを撃ってペースを引き戻す。
密着した中で、体の力で押し込み細かく拳を当てていく安西。
強烈に振り抜いていく中村…力がこもる分、手数は少ないか…。
…手数とヒットで安西か。
 

4R序盤、力を込めて振り抜く中村のパンチが安西を次々と捉える。
しかし、中盤になるとまたも安西が細かく細かく撃ち返していく。
延々と続く激しい撃ち合い、徐々に徐々に押し込んでいく安西。
展開は拮抗…消耗戦のような撃ち合いの中、試合終了のゴング。
 
 

マイジャッジは38-38　ドロー。
 

公式ジャッジが発表される。

39-38　安西
 
 
 

残り二者…
38-38　ドロー
 
 

安西、激しい撃ち合いの中、危ないパンチを浴びる場面もあったが、
致命的なものはなかったように思える。
近い距離を小さなパンチで制し、手数では上回った。
攻撃力を削がずに…徐々に徐々に安定感が出てきている。
まだ強くなる…その途上で、この試合内容は、今後への期待を強くさせた。
 

期待選手として注目を浴びる中村。
正直…ここで安西を当てることに対して驚きがあった。
力のある選手だ…わざわざ当てる必要があったのか…。
なんとも市野ジムらしい厳しい道のりを用意する。
だからこその「市野の熱さ」があるのは百も承知だが…。

しかし、デビュー2戦目の中村は拮抗した試合を演出して見せた。
契約体重として行われたこの試合、来年の新人王では
二人はどの階級でエントリーするのだろうか。
階級が重なれば…中日本新人王の獲得を狙える二人。
この試合が伏線になる可能性もある。

前後の階級も、層が厚くなりそうに思える。
どこにエントリーしてもきっと面白い…
ここから、さらに力をつけるのはどちらか。
中日本を代表する争いがスタートしたような感覚を受けた。
 
 

【ライトフライ級４回戦】
後藤 圭人(タキザワ)　vs　田中 蓮志(トコナメ)

後藤 圭人　デビュー戦
田中 蓮志　1戦1敗
 

1R、開始直後、一回り小さい後藤のバランスの良さが目に付く。
お互いコンビネーションで捉え合う、一発当たれば後続打が次々に出るスピード豊かな二人。
後半、後藤のパンチを見切り始めた田中。
ガードを下げて、パンチを見切りながら右を当てていく。
 

2R、リーチ差を生かして出入りする田中、左を突きあげる。
後藤は左を突きながら前進し、強烈にボディを襲う。
ラウンド中盤から足が止まった田中、試合は撃ち合いになる。
体格差があるにも関わらず、後藤は押し負けない。
 

3R、序盤から激しく撃ち合う二人。
後藤の左ボディが強烈に田中を襲う。
効かされたか…若干の失速を見せる田中。
後藤は鼻血を吹き出しながら、そのペースを落とすことはない。

しかしラウンド終了直前、田中の右ストレートが後藤を襲い、一瞬棒立ちになる後藤。
さらに追撃の右ストレートが突き刺さりこのラウンドが終了。
 

4R、後手に回っていた田中だったが、距離が空いたところからの
踏み込んでのワンツーで後藤の顔面を跳ね上げる。
3Rのワンツーで田中が距離をつかんだか…後藤もしっかり捉える場面を作るも
見栄えは田中の方がいい…
最終のゴングまで撃ち合って試合が終了。
 

マイジャッジ　38-38
 

公式ジャッジが発表される。

39-38　後藤
 
 

38-39　田中
 
 

三人目は…
 

38-38
 
 

結果、1-1のドロー。
 
 

後藤の身体能力に驚かされた。
スピードもあり、瞬発力を感じる。
持って産まれたモノか…それとも自身で手に入れたものか。
試合終了まで落ちなかった運動量も特筆されるべき部分だと感じる。

デビュー戦のゴング直後からスムーズに試合に入っていった姿もまた魅力的。
これでアマ戦績がないらしい…図太さも感じる。
この選手は、有望選手。
 

そして、こちらも初見だった田中。
1戦1敗だが、負けた相手は今年、激戦を勝ち抜いて中日本新人王に輝いた太田 アレックス(西遠)。
デビュー戦では荷が重い相手だっただろう。

この試合では、持ち合わせは抜群だったと思うだけに、足が止まったことが残念だった。
スタミナ不足か、減量か、ボディを効かされたか、戦略か…原因は分からない。

スピード、体躯、目の良さ…充分に中日本新人王候補に推せる素材。
スピードスター系選手の少ない中日本…そんなふうになってくれたら…
この地方のボクシングが色味をさらに増すような感覚も受けた。

長く続けるようなら、きっとこの先の中日本のキーになってくる選手。
 

1試合で、有望選手を二人発見。
この上なく喜ばしい思いのドローだった。
 
 
 

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