2018/4/8 -サントピア岡山総社Ⅰ- (中日本ボクシング観戦記番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
前日の後楽園ホール観戦から夜行バスに飛び乗って向かった岡山。
降り立った倉敷の地は…くっそ寒い!!!!
季節外れの寒波が襲ってきていたようで、ガタガタ震えながら空いている店へ。
朝9:30で空いている店はほとんどなく、ちょっとお高いパン屋さんで暖を獲る。
二日連続の夜行バスで疲れがたまっていたかしばらくぼーっと過ごしていたところ、既に11時。
試合開始は13:00だから余裕があるだろう…試合の情報を確認すると…。
オープンは11:45…あれ?っと思って確認し直す。
11:45からジュニアファイトがある!!!
慌てて電車の時間を調べるも…本数が異常に少ない。
そうか…岡山は地方だ…。
前日の東京で感覚がおかしくなっていた。
電車を調べるが、11:40頃に総社駅に到着のものしかない。
焦る思いを押し込めてホームに駆け込んで、電車を待つ。
ジリジリとした感覚に襲われ、1分が5分にも感じる…早く来い!早く来い!
やっと来た電車に乗って総社駅を目指す。
倉敷から二駅…しかし、駅と駅の感覚がとても長い。
車社会なのだろう、山深い景色の中で、こんなところから何人もの名ボクサーが出てきたのかと驚く。
人口も少ないだろう地域から、守安 竜也(岡山平沼)やウルフ 時光(倉敷守安)、藤田 和典(倉敷守安)など
結果を残した猛者達や、ジャガー 哲也(倉敷守安)や首藤 秀樹(倉敷守安)、赤沢 貴之(倉敷守安)など
結果は残せずとも、記憶に刻まれた猛者達。
そして現代には全国が注目するユーリ阿久井 政悟(倉敷守安)がいる。
総社駅に到着し、タクシーに乗り込み10分程…料金は1750円だった。
10分間、タクシーの運転手に倉敷にとんでもないボクサーがいること、
そして名古屋のとんでもないホープ、矢吹 正道(緑)と今日、雌雄を決することを滾々と説明し、
今後絶対に応援するよう熱弁をふるってタクシーを降りる。
ホテルの1階に組まれた試合会場までの道のりが解りづらくウロウロしていると、
矢吹に「せきちゃん!」と呼ばれる。
これから戦うとは思えないほどリラックスした笑顔で、会場までのルートを教えてくれた矢吹。
隣には4/30の決戦に挑む力石 政法(緑)。
こちらも満面の笑顔だ…二人の自信を感じて胸をなでおろす。
さらに足を進めた先で…谷口 政治(結花)を見つける。
デビュー戦、2戦目と刈谷で戦い2戦2敗。
その後も2つの黒星を重ね、現在は4戦4敗まで黒星を伸ばしていた。
一度、このブログに谷口が勝つところを見たいと書いた。
いくら頻繁に結花ジムが中日本で戦っているとは言え、鳥取の結花ジムの谷口が
中日本に登場するチャンスは限られている。
この日、どうにか谷口の勝利を見たいという思いに駆られて声をかける。
「名古屋から来ました、谷口選手応援します、勝ってください」
速攻でブログで谷口のことを書いた人間とバレる…それもそうか。
気恥ずかしい気もしながら、頼もしい笑顔で答えてくれた谷口。
さらにこの興行に対するワクワク感が高まる。
会場に入ってみると、体育館そのもの。
選手が至る所でミットやシャドウを行っている。
その地その地でその空気があるのが地方ボクシング。
これが倉敷の空気…存分に胸いっぱいに吸い込む。
僕がこのブログを書き始めたころ、西日本の情報を手に入れるのには相当苦労した。
そこで、かつて倉敷守安でキャリアを積んだ元ボクサーを頼ったことがある。
その時に教えてくれたのがユーリだった。
まだ倉敷守安ジムが岡山守安ジムと言う名称だったころ、
ジム初のプロボクサー阿久井 一彦(倉敷守安)や赤沢 貴之とともに活躍したボクサーだ。
阿久井はユーリの父、赤沢 貴之はユーリの叔父にあたる。
彼からユーリの名前を聞かされたのは、まだユーリが新人王戦を戦っているころ。
そこから試合の度に情報をチェック…今や全国的にその実力が知れ渡るユーリだがその強さを
世間より一足先に知ることになり…僕の中のとっておきボクサーとなっていた。
ウルフ 時光が活躍した時代、ネットもまだそれほど普及しておらず、動画なんて夢のまた夢の頃。
ボクマガに少しだけ登場する…が、ランキングはガンガン上昇していくウルフに注目した。
わずかにしか載らないウルフの記事…頭の中で文字を頼りにウルフの試合をしきりに空想した。
次第に「ウルフ 時光」という文字は僕のヒーローとなっていった。
顔も試合もわからない…記事を頼りに空想の中で出来上がったヒーロー。
いつか行きたい桃太郎ファイトは憧れの興行だった。
中日本ボクシング観戦記を書き始めたころ、
中日本新人王を圧倒的な強さで獲得しながら全日本新人王で敗れたのが矢吹だった。
彼が刈谷に凱旋したころが、僕が本格的に矢吹を見始めたころ。
あまりの強さと、残酷なほどの強打に、自分の中でヒール化してしまった矢吹だったが…。
彼の状況が耳に入るにつれ、思いは変わっていく。
トレーナー不足の薬師寺ジムの中で、自分の練習時間を裂いて後輩のミットを持ち、
減量できつい中、大阪に飛んでセコンドに入る。
会場を見ると、当時の後輩がこぞって応援に来ていた。
二人の子供と家庭、仕事…様々なものを背負いながら、登ってきた男。
入場曲のヒーローは、まさに矢吹そのものに感じた。
薬師寺ジムからの移籍が決まったころ、僕はてっきり東京の大手ジムに行くものだと思っていた。
最後になった刈谷の試合では、もうこれで中日本で見れる矢吹の試合は最後かもしれないなんて思った。
矢吹の卒業のつもりで試合を眺めていた…それが…。
それが…「中日本で応援してくれる人達がたくさんできたから」と、名古屋の老舗の緑ジムに移籍。
俺達ファンの思いまで背負うか矢吹…、この男の大きさに強く痺れた。
そして、移籍初戦…
ここで立ちはだかるのがユーリだなんて…。
この試合…ボクシングが僕というファンの運命も支配しているように感じた。
ファン人生の一つの終着点。
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