2017/4/30 じゅうろくプラザ-1試合目、2試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
■中日本ライトフライ級新人王準々決勝
【フライ級4回戦】
東 健史(KUWANA) vs ブル 弘師(トコナメ)
・東 健史 4戦2勝2敗
・ブル 弘師 1戦1敗
デビュー戦、太田 アレックス(西遠)との激戦の最終ラウンド、
会場に響き渡った雄叫びが記憶に新しいブル。
あの時を彷彿とされる雄叫びを上げてのリングイン。
鳥肌が止まらない。
俺…ブルを中日本新人王の優勝候補にあげちゃったんだから…勝ってくれよとの思い。
だけど、東のショート連打の回転も魅力的で…。
そんなことを考えているうちに試合開始のゴング。
ブルが振るった右アッパーが浅く東の顔面を捉えたのがオープニング。
しかし、東が持ち前の回転でブルの突進を阻む。
ブルが撃ち出す前に、下がりながらではあるものの東のジャブ…さらに左右フックがブルを捉える。
ブルは入り込むところまで行かせてもらえない。
さらに、距離が詰まり過ぎると東はクリンチでブルの攻撃を寸断…。
東って…こんな強かったっけ…。
2R、以前よりさらに細かい連打に磨きがかかったようにも見える東。
上下に撃ち分けながら、的確にブルの突進を止めていく。
2分頃にブルのオーバーハンドが東を捉えるも、
ジャブの連打で東がピンチを脱出。
3R、東が強烈な左ボディを叩き込み、
さらに左右フックでブルを捉える場面が目立つが…
ブルは絶対にひるまない、絶対に止まらない…。
足を使って戦う東は…陥りがちな待ちの展開にはならず
先に先に手を出していく。
4R、開始から攻め込んだブルが強烈な左フックで東の顔を跳ね上げる。
しかし、逆に東が左フックでブルを捉えると…
倒すしかないとここで前がかりになったブルに対し、東が一気に攻めて出る。
猛烈な連打の嵐で襲いかかり…防戦一方になるブル。
思わず「危ない!」と叫んでしまうほどのラッシュに、レフリーが割って入って試合をストップ。
これまで何度か見てきたはずの東の強さに…驚愕してしまった第1試合が終了する。
次戦では下方 智裕(富士)と対戦する東。
東の弾幕か…下方の勇敢さか…。
中日本新人王ライトフライ級の優勝候補に推していたブルの敗北は残念ではあるものの…
混戦のライトフライ級…ここに来て実力の底上げを見せた東には大注目。
それにしても…ブル…最後まで倒れずに…。
また、負け試合で魅せたブル。
2戦2敗の戦績は、それはそれは色濃いもの。
絶対に引かない気持ち、最後まで倒れなかった気持ちを見せてくれた。
さらには、この負けから立ち上がる気持ちを見せて欲しい。
絶対に折れて欲しくない…そんなボクサーだと感じる。
デビューから2連敗ごときで、このボクサーの魅力は削がれない。
■中日本フライ級新人王準々決勝
【フライ級4回戦】
中村 潔(ARITOMI) vs 溝口 孝良(西遠)
・中村 潔 6戦2勝(1KO)4敗
・溝口 孝良 4戦1勝2敗1分
一年半ぶりの再戦となった両者。
お互い負け越し戦績での再会。
ホープや、トップ戦線ばかりに目が行くファンには捨て置かれそうなカード。
しかし、敗北を血肉にしてきたのはどちらか…。
二人が通って来た意識すれば、このカードも色濃く見えてくる。
ゴングとともに両者が激突とも言うべき打撃戦に突入。
お互い様子見なし、壮絶な殴り合いになる。
最中、中村の左フックから右フックが溝口の顎を貫き、溝口は膝を突くダウン。
ポテンシャルを持ちながら負け試合ではグラスジョーが災いしての2敗。
…溝口の撃たれ弱さがこの試合を決着させてしまうのか。
しかし、立ち上がった溝口は、休むことを選択せず、またもや撃ち合いの中に飛び込んでいく。
猛烈に撃ち合う二人…まったく同じシーンが繰り返され、
あと5cmのところまで膝を折ってしまった溝口…。
しかし、なんとかこらえた溝口が放った一発の左のショートアッパーで展開が変わる。
わずかな距離を滑るように放った一撃で、ペースが溝口へ。
グラスジョーの特徴とも言うべき、回復の早さも手伝い、
ラウンド終盤には溝口の勢いが勝ってこのラウンドを終える。
2Rも、溝口が下から突き上げるショートのアッパーが有効。
頭を付けて撃ち合う二人…しかしその距離は溝口の距離。
少しだけでも距離を作りたい中村は下がりながら応戦するも
とにかく前に踏み込んでくる溝口に、その距離が作られることはなく、
さらには偶然のバッティングで左目に傷を追ってしまう。
3R、中村が距離を作ろうと下がると、その距離を踏み込んで潰す溝口。
中村の応戦は押し込まれているようにも見えてしまい見栄えが悪い。
このラウンド終了時点で、ダウンの優勢点を吐きだしてしまったように見える。
勝負は最終ラウンドへ。
4R、ガードで溝口のパンチを弾きながら、下がりつつ的確なパンチをねじ込んでいく中村。
追い込みどころでよく手が出る二人。
1Rから続いた猛烈な両者の撃ち合いは、試合終了のゴングにさえぎられる。
お互いに捉えあってはいるものの、的確さでマイジャッジは中村。
38-37
38-37
38-38
2-0
勝者…
溝口。
下がりながらの戦いを強いられた中村。
押し込まれているようにも見えてしまう展開だっただけに、判定としては納得の範囲。
溝口にとっては、ダウンを奪われながら、残りのラウンドを全て獲っての大逆転。
展開を変えたのは小さなアッパー。
わずか1Rのジャッジで勝ちも負けも入れ替わるのがボクシング。
ボクシングの醍醐味が詰め込まれたような試合。
現地で観戦したファンにしか、この興奮は知りえない。
この試合一つとっても、自由席¥6000円の価値はある。
演出したのは…負け越し同士の4回戦。
長くなったので今日はここまで…
次回は楽しみにしていた中日本バンタム級新人王予選から。
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