2017/4/23 刈谷あいおいホール-1試合目~3試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
さて、ちょっとタイムラグがありますが、4/23の刈谷あいおいホールのレポを。
■中日本バンタム級新人王準々決勝
【バンタム級4回戦】
室田 桂秀(畑中) vs 大森 雄貴(三津山)
・室田 桂秀 1戦1敗
・大森 雄貴 デビュー戦
お互い静岡県出身同士の一戦。
この試合に勝てば準決勝ではヤノ ジョン(駿河男児)が待ち受ける。
室田がデビュー戦で敗北しているのがヤノであり、借りを返す為にも勝たなければならない室田。
しかし、ジャブの刺し合いからオープニングヒットは大森の右ストレート。
大森のコンビネーションのヒットが目立つ。
大森はうまく距離を取って、初のラウンドを優位に進める。
2R、室田が詰めて出る。
大森の攻撃を巧くガードしながら、室田がボディにパンチを集めるも、
ラウンド中盤辺りに大森が開き直ったかのようにラッシュで連打を見舞う。
大森の強烈な右フックで腰が落ちる室田。
ワンテンポ置いて、追撃の右クロスでしゃがみ込むように室田がダウン。
立ち上がった室田に対し、レフリーは途中でカウントを辞めて大森のTKO勝利。
KOタイムは2R 1:35。
距離を制した大森。
さらに詰められた後でも、怯むことなく近距離で抵抗。
逆に強烈なパンチを浴びせてのデビュー戦勝利。
ヤノとの対戦が楽しみ過ぎる。
パンチ力のある両者の対戦はスリリングなものになりそう。
さらに決勝の相手は4/30に岐阜市産業文化交流センターで決定する。
室田はこれで2戦2敗だが…、強い選手にあたってしまった2試合。
負けは収穫だと感じる。
負けが重なっても、強くなっていく選手は沢山いる。
打開しようと前に出てボディを集めた姿は、ボクサーとしてリスクを犯すべき時に犯せる精神力を感じた。
行くときに行けないよりよっぽどいい。
まだまだこれから…この選手の次の試合も楽しみにしたい。
■中日本スーパーバンタム級新人王準々決勝
【スーパーバンタム級4回戦】
千場 悟(タイガー) vs 後藤 憬(中日)
・千場 悟 3戦1勝(1KO)2敗
・後藤 憬 3戦1勝2敗
身長では干場が一回り小さく見える。
フレーム差を打開できるか…
サウスポーの後藤に対し、右から入るなど定石通りの攻めを見せる干場。
踏み込みのスピードも、ハンドスピードもある。
1R開始早々、後藤の入り際に巧く右を合わせてダウンを奪う。
しかし、タイミングで奪ったダウンで後藤のダメージは少なそう。
仕留めに出た干場は逆に、後藤の左ストレートをもらう場面も。
近距離での攻防では、フレームの小さい干場が優位に進めそうだが、
回転力のかる後藤のショートが内側から刺さる場面もある。
撃ち合いの最中、干場のボディを後藤が嫌がる。
2R、一気に攻めて出た干場だが、後藤が冷静にカウンターを獲って行く。
ダウンを盛り返したい後藤と、近い距離で勝負したい干場。
二人は頭をつけて撃ち合う場面も増え、干場の入り際に頭の衝突も増える。
身長の低い干場の方が、バッティングのダメージは少なそう。
後藤は、バッティングをアピール。
3R、カウンターを狙う後藤は、干場のパンチを選んで強烈にパンチをヒットさせ始める。
しかし、待ちになってしまうことで、がむしゃらに手を出す干場が手数でもヒット数でも上回る。
中盤以降、干場はスタミナが尽きてきたか、徐々に手数が減り、後藤のカウンターが幾度もヒット。
もう少し角度があれば、後藤の逆転も望める強烈な一撃もいくつか産まれ…
勝負の行方は見えないままこのラウンドが終わる。
4R、ロープを背負いながらでも、干場のパンチをハズして自分のパンチを刺し込んでいった後藤。
さらに干場をロープ際に追い込んで強烈な左フック…干場の汗が水しぶきになって飛び散る。
ラストスパートのラウンド終盤は干場も手数で攻め立てた。
最終ラウンドは手数を獲るか、ダメージを獲るかで割れておかしくないラウンド。
判定が発表される。
38-37、39-36、38-38
2-0で干場が勝利。
1Rのダウンで勝敗が決まった形。
たった一撃が明暗を分けた試合。
マイジャッジは38-37で干場。
以前に見たときより、後藤はカラーがはっきりしてきている。
カウンターに特化し、さらにショートが巧い。
3敗目となってしまったが、確実に伸びてきている為、今後に期待してしまう。
干場は近距離での攻防でのパンチは鋭く…
撃ち合いをする選手との試合はかなり面白くなりそう。
次の試合では強豪の豊島 竜樹(伊豆)と対戦。
そこを勝てば、た山本 大貴(市野)が決勝で待ち受ける。
■中日本スーパーフライ級新人王準決勝
【スーパーフライ級4回戦】
松浦 克貴(岡崎) vs 松田 海広(駿河)
・松浦 克貴 4戦4勝
・松田 海広 3戦2勝(1KO)1敗
この試合は、松田 海広の棄権で中止。
松浦は決勝でイケメンゴリラ…こと、松田 優希(市野)と対戦予定。
好カードと思っていただけにかなり残念な気持ちでいると…。
「ウソでしょ!?」なんて思えるアナウンスが…。
松浦と畑中 建人(畑中)が2Rの公開スパーリング。
第13代WBC世界スーパーバンタム級王者畑中 清詞(松田)の息子でインターハイ3位。
ホープとしてセミファイナルでデビューした注目ホープ。
松浦は森 武蔵(薬師寺)と並んで今年の中日本新人王最大の注目株。
スパーリングながら超のつくお宝カードを目撃できることに。
1R、ジャブの刺し合いで圧倒的に畑中がリード。
スピードが一回り違い、自分の距離を作ることに長けた松浦が全くクリーンヒットを奪わせてもらえない。
ヘッドギアがなければ、危ないパンチが松浦を襲う。
松浦のパンチが捉えたと思った瞬間も、畑中はしっかりガードしており、実力の差を見せつける。
その後も相撃ちがやっと…しかしラウンド終盤、松浦が意地の撃ち降ろしでようやくクリーンヒットを奪う。
2R、撃ち合いをしかけた畑中。
最初の撃ち合いでは松浦のクリーンヒットもあり、互角にも見えた。
しかし2度目に仕掛けられた撃ち合いでは、畑中が一方的に松浦を攻め立てていく。
特筆すべきは父親譲りの強いジャブ。
ヘッドギアをつけた松浦の顔面がジャブで何度も跳ね上がる。
6分間のスパーリングで…
デビューからセミファイナルのリングに上がる注目ホープと、
新人王を勝ち抜いて力を誇示しようとする叩き上げの現時点の実力差を垣間見る。
スパーリングでなければ、畑中は撃ち合いを試さなかっただろうし
ヘッドギアがなければ早々に決着がついていただろうとも思える。
同時期にデビューし、同じ地域で戦う二人。
二人の差は縮まるのか…いつかこの二人がライバル関係を築くようなことになれば、
今日目撃できたスパーリングは、超のつくお宝になる。
松浦が今後、畑中の対抗として浮上できるほど、力を蓄えてくれることを願う。
そしてそれは…夢と言うほど非現実的ではないようにも…。
本日はここで一旦切り。
次回は6回戦2試合を…
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