2017/4/23 刈谷あいおいホール-4試合目、5試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2017/4/23 刈谷あいおいホール-4試合目、5試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
 
 

さて、4/23の刈谷あいおいホールのレポ。
本日は6回戦2試合+@
 
 
 

【スーパーバンタム級6回戦】
伊藤 仁也(三河) vs 定常 育郎(T&T)

・伊藤 仁也 7戦4勝2敗1分
・定常 育郎 8戦5勝(2KO)1敗2分

中日本新人王準優勝の伊藤と、東日本新人王準優勝の定常。
身体能力が異常に高いサウスポー定常。

1R、緊張感のある距離の測り合いとなった序盤。
オープニングヒットは伊藤の左フックに対して定常が合わせた左のショート。
かなり強烈に炸裂する。

伊藤が手を出せば定常のカウンターが襲い、
いきなり放たれる定常の左ストレートにも対処しきれず膝を折ってしまう。
1Rが終わった時点で鼻血に染まってしまった伊藤。
 

2R開始直後、右ストレートを綺麗に撃ち込んだ伊藤。
さらに同じように右ストレートを炸裂させる。
しかし一旦距離を取り直した定常が再び主導権を握る。

効かせてから両手を広げ、腰をくねらせて挑発する定常。
それに対し笑顔を見せる伊藤。
血に染まった顔面から白いマウスピースが覗く…お互いに気が強いやり取り。
 

3Rに入ると、定常の動きが若干鈍り始める。
待ちの体制に入り、抜群の反応でやり過ごす。
序盤2Rに比べれば、伊藤のパンチも定常を捉え始める。
 

4R、さらに待ちの体制を強める定常。
伊藤が詰めて出ると、嫌がっているようにも見える。
伊藤のいきなりの右が数多く定常を捉えたラウンド。
しかし、ロープ際に詰めたところでカウンターを浴びて、伊藤の腰が落ちる。
 

5R、中盤2Rを休んだのか、4R終盤の一撃で気を良くしたか定常の動きが戻って来る。
安直に攻めればカウンターを獲られる為、安易には攻めて出れない伊藤。
その為、手数が減ってしまい八方塞がりの状態に追い込まれる。
 

6R、攻めて出たのは定常の方。
1Rから噴き出した鼻血からくるスタミナの消耗か、伊藤は行かなければ負ける…
そんなタイミングで攻めたいところで攻めて行けない。

59-56×2、59-55
 

最終ラウンド、イチかバチかに出れなかった伊藤。
また、中盤に一気にペースを奪いたかった試合でもある。
この負けは相当悔しいと思われる。

糧にできるか…次の試合、伊藤にとって重要なターニングポイントになって来そうに感じる。
 
 

定常は身体能力、反応の良さでは飛び抜けたものを持っているが…
中盤に落ちた運動量が気になる。

6Rの戦いでそれが垣間見えるとなると…
実力的には今後長いラウンドを戦うことにもなることが予想できるだけに、
スタミナの不安を一蹴するような試合が見てみたい。

持ち合わせているものは、観客を惹きつけておかしくないだけに、
国内のボクシングを見守るファンが注目する存在として浮上してほしい。
贅沢にも、ランカー…そしてその先を望んでしまうボクサーである。

A級で勝ち負けを繰り返し始める前に…この素材が埋もれてしまうのはもったい無さ過ぎる。
 
 
 

【ライトフライ級 6回戦】
稲垣 秀一(松田) vs 酒井 孝之(中日本ボクシング協会)

・稲垣 秀一 9戦6勝(1KO)3敗
・酒井 孝之 6戦3勝(2KO)1敗2分
 

ジャブの刺し合いで始まった試合。
酒井のパンチはかなりシャープでガードも堅い。
酒井の先制の左ストレートでいきなり腰を落としてしまう稲垣。
鼻血を吹きだしてしまう。

稲垣は1KOとは思えないパンチ力だが
そのパンチをガードした稲垣はその手で反撃を撃ち込む。
1Rは酒井が優勢。
 

2Rに入ると攻めて出る稲垣だが、体に刻みこんだかのような綺麗なコンビネーションで反撃する酒井。
左フックで稲垣のバランスを崩すと、さらに強烈なジャブでも稲垣の顔面を跳ね上げる。

しかし稲垣も黙ってはいない。
一方的になりかけたところで反撃の強烈な右ストレートを撃ち込んだ稲垣。
ラウンド終盤にはお互いの強烈なパンチが交錯し、酒井がぐらつく。
 

3Rに入ると、足を使いながら先に手を出す稲垣。

パンチによるカットでドクターチェックが入り、手数が減った酒井に対し
稲垣が上下への撃ち分けを使って主導権を奪い返す。
 

4R、2度目のドクターチェックが入る。
酒井は思い切って詰められなくなったように思えたが、
終盤に3度目のドクターチェックが入ると、ストップされる前に倒そうと開き直ったか酒井が攻めて出る。
両者激しい撃ち合いとなっていく。
 

5R、拮抗した撃ち合いになるが、よく手がでるのは稲垣の方。
ラウンド中盤には的確なワンツーで酒井を捉える。
このラウンドで、さらにカットして両目に傷を抱えた酒井。
 

6R、最終ラウンドの撃ち合い、シャープなパンチで稲垣の顔面を跳ね上げ始める。
稲垣はスタミナが尽きてきたか、手数が若干落ちる。
残り10秒の木拍子…一気に攻めて出た酒井。
一気に連打を浴びせ、あと一歩で稲垣が崩れるか…と言うところで最終のゴング。

ロープを叩いて悔しがる酒井。
マイジャッジは…57-57でドロー。

採点は…59-57×2、57-57
 
 

2-0で酒井。
充分、許容範囲。
 

昨年の中日本スーパーフェザー級新人王の稲垣。
もらい方が悪く、ポイントが流れてしまった部分があると思う。
今時点で課題が見えた試合は、収穫アリと捉えていいと感じる。
いつかランカーに勝つ為の負け…そう捉えて頑張ってほしい。
 

コパン星野ジム所属だった酒井。
色々大変なこの時期に勝利を飾ったことを嬉しく思う。

試合後に何かの写真を抱きしめ、本当に嬉しそうにする酒井。
試合に勝つこと…ボクシングにおけるその大きさを感じさせるシーン。
 
 

この後、第9代WBA世界スーパーフライ級王者の飯田 覚士(緑)とともに
5/20にアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)を迎えて防衛戦を行うWBO世界ライトフライ級王者の
田中 恒成(畑中)がリングに上がり、世界戦をPR。
 

田中は「スピードの勝負になる」ときっぱり。
期待しています。
 
 

次はいよいよ日本フェザー級タイトルマッチ。
 
 

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