無冠の帝王_来襲 ロジャー・メイウェザー(米)⑳ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/19

無冠の帝王_来襲 ロジャー・メイウェザー(米)⑳ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/10/19
 
 
 

ロジャー・メイウェザー(米)のピックアップの20日目。
 

WBC世界スーパーライト級王者となったメイウェザーが初防衛を成功させたところまで。
 

2度目の防衛戦…
相手はNABF北米スーパーライト級王者ハロルド・ブレーザー(米)。
60戦以上の戦績を誇りながら、ようやく世界初挑戦をつかんだブレーザー。
この階級の無冠の帝王とも呼んであげたいほどの苦労人。
 

ロジャーのジャブを高く固いガードで防ぎつつ、距離を詰めるタイミングを探るブレーザー。
ほとんど手を出さずに1Rの3分間を消費します。
 

2Rに入ると固いジャブを突いていくブレーザー。
フェイントの応酬でジャブを刺しあう緊張感あふれる戦い。
主導権争いは互角のままこのラウンドが終了。
 

3R開始早々、ジャブの引きに合わせて右を撃ち込んだロジャー。
6分以上経過して初めて顔面を捉える強打が生まれる…。
緊張感をはらんだまま時間が経過する…どちらかが一撃で切って落とすのか。

固いガードでロジャーのジャブを弾きながらコツコツとジャブをヒットさせるブレーザー。
時折振るう右には明らかに威力があり、ロジャーも迂闊には攻め入れない。
ロジャーは数多くのジャブをもらいつつ、ラウンド終盤には右フックで反撃。

張りつめる緊張とは裏腹に静か過ぎる試合に客席からはブーイングも。
 

4R、ラウンド終盤、右の被弾を許し始めるロジャー。
ブレーザーは静かにタイミングをはかっていった結果、右のタイミングを見極めたか
右の撃ち降ろしを何度もヒットさせる。
ロジャーの右をお返しでもらう場面はあるものの…初めて明確にブレーザーが押し込んだラウンド。
 

5R、ワンツーの右をボディに撃ち込んだブレーザー。
バランスを崩したロジャーに大きな右フックを振るうも、このチャンスは空振り。
その後も、ロジャーのパンチをガードではじき、自身のパンチのみを突き刺すブレーザー。
コーナーに詰めて強烈な左右の連打をヒットさせるシーンも…。

ガードが高い…単純なことですが、攻略の難しい相手です。
 

6R、ガードを固めながらほとんど被弾を許さない代わりにほとんど手を出さないブレーザー。
しかし時折放つ右で確実にロジャーの顔面を捉える。
ガードの上を10発叩かせて、1発相手の顔面を叩く…そんなボクシングを見せるブレーザー。
 

7R、攻撃の比重を強めたブレーザーにロジャーのパンチが割って入るようになる。
ガードを回り込むような左フックでテンプルを襲うなど、ロジャーが隙を攻めていく。
しかしラウンド終盤、ダッキングしたロジャーをブレーザーが撃ち降ろしで捉えると…
そこから一気に攻め込むブレーザー…天才的な当て勘を見せて、強打を次々にヒットさせる。

しかし、終了まで10秒を切ったところでロジャーも反撃。
ガードの脇から右ストレートをダブルで撃ち込み、3発目はガードの隙間に右アッパー。
試合が一気に熱を帯びます。
 

8R、相変わらずガードの固いフレーザー。
このラウンドも後半まで、ほとんどはっきりしたヒットのない二人。
しかし、前のラウンドに目撃した一瞬のスリリングな攻防…
客席も漂う緊張感に気付き…固唾をのんで試合を見守る。

ラウンド終了直前、お互いの右フックが交差し、腕が絡み合う。
その後に続いたフレーザーの後続打を次々と被弾してしまったロジャー。
 

9R、またもや試合が動くのは終盤のゴング直前。
飛び込んで右を突き刺したフレーザー。
これが完璧にロジャーを捉え…一気にコーナーへ詰めて滅多撃ちに…
ふらふらになりながら反撃し、なんとかこのラウンドを乗り切ったロジャー。
 

ポイント差も全く分からない状況。
ガードの上から叩いているように見えるロジャーのパンチがどれだけ割って入っているか…
それを100%見切るのは難しい話…これをどこまでポイントに反映するかで、
ロジャーに圧倒的に振られていてもおかしくない。

確かに入ったと確認できるものしかヒットと捉えずに採点したマイジャッジでは…フレーザーが3Pリード。
ここから全てのラウンドを獲らないと、王座が入れ替わる点数。
TVの放送席ではドローと採点していたよう。
 

終盤に差し掛かる10R…
開始早々、ロジャーがワンツーでフレーザーを捉える。
これはかなり効いたよう…起死回生の一撃で、フレーザーは一気に手数を減らす。
ロープ際に詰めてガードの隙間からパンチをねじ込むロジャー。
このラウンドの主導権はあきらかにロジャー…しかしまたもラウンド終盤…
一気に攻めるフレーザー…この時間帯を狙っているのか、右ストレートでロジャーを捉えると
左右フックでロジャーの顔面を捉えながらロープ際に追い込む。

序盤の優勢が吹き飛ぶようなラッシュで、フレーザーがラウンドをさらっていく。
 

11R、このラウンドは序盤から攻めの姿勢を見せるフレーザー。
強烈なボディをみぞおちに叩き込むと、ロジャーはコーナーに詰まり、フレーザーのラッシュを浴びる。
しかし、ラウンド中盤以降、押し返したロジャーがガードを回り込む左フックでフレーザーをぐらつかせると
フレーザーも負けじと右フックをかすらせてロジャーをぐらつかせる。
判定の読めない試合…終盤に向けて加熱していきます。
 

12R、いきなり右ストレートをヒットさせたフレーザー。
しかしその後の反撃をもらい、ロジャーが一方的に撃ち込む。
しかし…やはり終盤に差し掛かると…フレーザーが牙をむく。
左右フックを突きたて6連続の強烈なヒット。
フラフラになりながら反撃するロジャー…。
倒されるかと思いきや、右ストレートでロジャーを捉えて反撃。

両者足元の定まらないなか…試合終了のゴング。
 

両者が両手を上げて勝利をアピール…マイジャッジは5Pリードでフレーザー。
しかし前半のロジャーのパンチが…どれだけガードを割っていたかは定かではない。
リング下から見守るジャッジが、どれだけロジャーのヒットを見極めていたか…。
 

まずはスプリットデジジョンであることが発表され…会場はどよめき。
一人は5P差でロジャーを支持、もう一人は1P差でフレーザーを支持。
 

最後の一人は…1P差。
 

勝者は…ロジャー・メイウェザー。
 

ロジャーを支持したジャッジの代わりに、もし僕のような見方をするジャッジが座っていたとしたら、
勝者は逆になっていた。

地元判定だとか、そういった類のものではなく、とにかく難しい試合…。
 

試合終盤、ダメージを抱えていたのは明らかにロジャー。
印象から行けば、見栄えがいいのはフレーザー。
ロジャーの勝利に…会場は大ブーイングに包まれます。
 

とにもかくにも、ロジャーは際どいスプリット判定でこの試合をなんとかクリア。
無名の強者になんとか王座を守り抜きます。
 
 

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