麻痺した下半身 ナナ・コナドゥ(ガーナ)⑦ ボクシング選手名鑑ピックアップ! 2016/08/31
ガーナの超特急、ナナ・コナドゥ(ガーナ)の7日目。
前回は当時タイの新星だった、のちのウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)…
当時のウィラポン・サハプロムに対して2RKOで2階級制覇を達成したところまで。
あまりにも圧倒的な形で、2階級制覇を達成したコナドゥ。
初防衛戦で戦ったのは、ダオルン・チョーシリワット(タイ)
前世界王者のダオルン・MPペトロリアムがリングネームを変えていた形。
ウィラポンの前の王者との対戦。
この試合でも敵地タイのリングに上がったコナドゥ。
ダオルンは、足を止めて戦うファイターではあるものの…。
抜群の反射で状態柔らかく相手のパンチをかわしてから攻撃に入っていく選手。
“ディフェンス主体の撃ち合い”で戦うテクニシャンだったりします。
本来、撃ち合いを得意とするコナドゥ…
抜群のハンドスピードと、ショートで倒せる強打を持ち合わせ…
二人の距離はガッツリかみ合う。
足を止めたリングで、二人はお互いのパンチをかわしあう。
撃たせずに撃つインファイトの教科書のような二人の戦い…
しかしながらハイクオリティの撃ち合いは、距離の噛み合いが行き過ぎたか…
お互いの頭のクラッシュで水が入ります。
時折強烈に入っていたダオルンのボディ…
このボディが試合を有利に展開させたか…
結果、スーパーフライ級王者時代と同じく、コナドゥは負傷判定で王座を手放してしまいます。
しかし、ポイント的には3-0の判定とは言え1P~3Pの拮抗した判定。
この陥落は、オプションの絡みもあり、再挑戦のチャンスはすぐに訪れます。
ダオルンが、のちに1階級下のIBF世界スーパーフライ級王座を
3度防衛することになるフェリックス・マチャド(ベネズエラ)を相手に
スプリットでの初防衛を切り抜け、「ダイレクトリマッチ禁止」の障壁をクリア。
両者はリマッチへと向かいます。
今度はコナドゥのホームとなっているアメリカで…。
二人の再戦は、1Rから決めていくコナドゥ。
力を込めた強打を狙いあう二人…。
コナドゥのプレッシャーに下がらされながらも、なんとか右フックを振るうダオルン。
しかしガードを割って入るコナドゥのストレートをなんともできず。
5R終盤、意を決して撃ち合いに出たダオルン。
撃ち合いはそのまま6Rも継続し、スリリングなパンチを浴びせ合う展開。
ダオルンは左ボディが有効に見える。
7R、ダオルンがこれまで有効に作用させてきた強烈な左ボディ…
そこへ合わせたコナドゥの右フックが完璧なクリーンヒット。
効いた素振りを見せないダオルンですが、後続の右フック…
テンプルをかすったようなパンチで、前のめりに崩れ落ちてしまう。
なんとか立ち上がったダオルンですが…仕留めにかかったコナドゥがパンチをまとめると、レフリーが割って入る。
際どかった前戦と違い、完璧な形で明確な決着をつけた試合。
コナドゥが、WBA世界バンタム級王座に返り咲きます。
さて、これで3度目の世界王座獲得となったコナドゥですが…
防衛戦に勝利したことはなし。
今回の初防衛戦…
相手はかつてWBC中央アメリカバンタム級王座を争った、アブラハム・トーレス(ベネズエラ)
前回はコナドゥが本拠としていたアメリカでの対戦でしたが…
今度は、トーレスの地元、アルゼンチンでの戦いとなります。
序盤からスピーディーなジャブを突き刺しながら追い込んでいくコナドゥ。
時折飛んでくる強烈な右にトーレスは思うように手を出せない。
2R後半、ロープに詰めたコナドゥが、強烈な右を叩きつけると、
トーレスは体を硬直させて卒倒。
起き上がろうとするトーレスは、朦朧とする意識の中、
自分では立っているものと思い込み、膝をついたまま、カウントを止めないレフリーに猛抗議。
そのまま試合はカウントアウトされ、2RKOで初防衛を飾ります。
…戦慄を覚えるKO劇。
あまりにも衝撃的な前戦が影響したか、翌戦は対戦交渉が長引き、合間にセットされたノンタイトル。
相手を一方的に追い詰め、グロッギーにしたところで、
たまらず相手陣営のセコンドが飛び込み、反則勝ち。
KOでもいいかとは思いますが、この試合では厳密に反則勝ちとしたようです。
さぁ…、ここまで相手がいないとなると…見えてくるのはビッグマッチ。
「自分が現在保持するベルトを持ったまま別階級に挑戦」
…これは団体が特別に許可をしないと許されない、特別扱いの代表的なもの。
それが許された特別な選手が、階級を超えた王者同士の戦いを行える。
自身がかつて制した、スーパーフライから…
コナドゥの王座を狙う、その時代にスーパーフライ最強が挑んでくる…。
そんなところは、また次回。
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