2026/7/12 -大阪・堺市産業振興センター- セミファイナル、ファイナル(中日本ボクシング観戦記・番外編) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
【58.5㎏契約8回戦】
原田 海舟(ミツキ) vs ジェスレイ・ワミナル(比)
懐深く構えるサウスポーの原田。
じっくり慎重に試合を立ち上がる両者。
ロングレンジに位置し、ジャブと左ストレートを突き刺していく。
ワミナルは撃ち終わり狙いか…原田が踏み込んできたところで右を思い切り振るう。
力強く、さらにハンドスピードもあるワミナルの強打はスリルを感じさせる。
至近距離になれば荒々しく暴れるワミナルだが原田は巧みに自由を奪う。
強打を叩きこみ、ワミナルが撃ち出そうとするときにはサイドへ。
ワミナルが強引にコーナーに詰めても、撃ち合いながらスルリと抜け出す原田。
淡々とヒットを積み重ねていく。
中盤から、原田がボディを中心に攻撃の圧力を増す。
ワミナルがボディに意識がいった場面では上へ。
まさに定石とも言える戦いを完璧になぞる。
徐々に徐々にワミナルを弱らせ、それに応じて徐々に徐々に攻撃の圧を高めていく。
それでもワミナルの鋭利な反撃は健在だが…圧倒的な物量差。
6Rには大きく振るったワミナルに原田のカウンターの右が直撃。
その瞬間一気にコンビネーションを浴びせ、押しつぶすようにダウンを奪取した原田。
立ち上がったワミナルにラッシュを浴びせてTKO。
TKOタイムは6R 1分2秒
これで日本のリングでは5戦5敗となったワミナル。
世界を視野に入れるクラスのホープたちと拳を合わせ続けた結果。
一つ勝てば一気にその名を浮上させることのできる試合。
雁字搦めの展開、ダウンを奪われた場面でも立ち上がり、最後まで勝利にすがった。
これが国内選手だったらどういう評価だろうか。
「噛ませ上等」のスタンスで構えながら、強打で名声を奪いに来る。
勇敢な男を見たとも思える。
日本では戦う相手が悪すぎる試合が続いての結果…。
日本での試合に限らず、どこかでチャンスを掴んでほしいと思えた。
派手さはなくとも、そのうえで付け入る隙が無い。
それがより原田の強さを際立たせるようにも思えた。
ランキング上位にも食い込んできている原田。
上位戦線、次の挑戦権を争う相手は名だたる強豪たち。
直接対決があるかないか、なくとも力の比べ合いであることは間違いない。
国内から世界へ飛び出す選手は誰なのか…
日本ボクシング界のレベルが急上昇する中、大渋滞の列をなしている。
その拳で相応しさを証明する戦い…きっとボクヲタを唸らせてくれるだろうと思える。
その名がトップ戦線に浮上する日が楽しみに感じた。
原田 海舟 9戦8勝(3KO)1分
ジェスレイ・ワミナル 33戦18勝(10KO)14敗1分
【バンタム級8回戦】
ジェイアール・ラクィネル(比) vs 健文 トーレス(ミツキ)
序盤から鋭い左ストレートで捉えていくラクィネル。
トーレスが踏み込んだところに、右フックを突き刺してダウンを奪取。
立ち上がったトーレスだが、ラウンド終盤には
コンビネーションの中で左ストレートを浴びて2度目のダウン。
再開直後にはスリークォーター気味の右フックで
ラクィネルがトーレスのアゴをエグって3度目のダウン。
ここも続行としたレフリーだが、ラウンド終了が伝わっていなかったよう。
大幅に時間を超過した中だったため、
トーレスへのダメージを考慮して4分の休憩が与えられる。
混沌とする中、4分が経過し、試合終了のゴングが鳴らされる。
結果としては1R終了棄権で、ラクィネルの勝利。
思わぬトラブルの中、ミツキ陣営は勝敗以上に重たいものを優勢した。
ラクィネルから見れば勝利確実とも思える場面に思わぬ水が入った…とも見えるが、
トーレスから見れば致命的なダメージを余分に追ってしまったとも見える。
ボクシングがただの殴り合いではないのはルールがあるから。
そのルールをつかさどるJBCのミスで、そのルールが壊れてしまった。
後がないトーレス、勝敗は進退にも関わる場面。
ミツキ陣営は棄権を申し出て、選手の安全を優先。
ことボクシングと言う大きな目線で見れば、
ミツキ陣営とトーレスの潔さによってボクシングが守られたようにも思えた。
あの混とんとする中での判断…。
勝負の世界に生きる人たちが、勝敗への執着を捨てての結末。
壊れかけた試合…ボクシングがボクシングのまま試合を終えることができた。
ボクシングを見ることができた。
大勢は決していたかもしれない、それでも、勝利への執着は消えないもの。
棄権と引き換えにしたものの大きさを思えば、感謝の思いしかない。
何より、この圧倒劇。
トラブルはラクィネルの強さや勝利を否定するものではない。
強い男が強い男に勝った。
ラクィネルにはここから行けるところまで登って欲しい。
強い強いピノイを見た。
ジェイアール・ラクィネル 22戦18勝(15KO)3敗1分
健文 トーレス 23戦16勝(11KO)7敗
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