2023/3/26 -愛知・刈谷あいおいホール- 第7試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

2023/3/26 -愛知・刈谷あいおいホール- 第7試合、セミファイナル(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!

 

【スーパーフェザー級4回戦】
宮崎 裕也(薬師寺) vs 古川 修誠(杉田)

宮崎 裕也 9戦3勝(2KO)4敗2分
古川 修誠 3戦2勝(1KO)1敗

お互いに様子見の1R、拳の届かない距離で踏み込むタイミングを計り合う中、
ラウンド中盤、先に踏み込んだ古川の左フックで宮崎がいきなりダウン。
立ち上がった宮崎、古川は無理に攻め込むことはせず。

丁寧にジャブをかわしていく古川、ワンツーのワンが当たらずに苦しい展開の宮崎。
2Rに入り、お互いに仕掛けるタイミングが増えスリリングな攻防が増える。
2R終盤、お互いのフルスイングの大砲が交錯し、カウンターで古川の右が突き刺さる。
ぐにゃりと膝を折ってのダウン、ダメージはかなり深そうだったがゴングに救われる。

しかし3R開始直後、飛び込んだ古川に、宮崎のカウンターが刺さり、
バランスを崩した古川がキャンパスにグローブをタッチ。
タイミングで奪ったように見えたダウンだったが、かなりダメージが深いか
しきりにクリンチに逃れる古川。

4Rも必死にクリンチに逃れる古川。
振りほどきながら拳を突き立てる宮崎。
繰り返されるクリンチに、レフリーは古川へ減点1。
それでもなりふり構わずクリンチを繰り返す古川。
なんとか耐えきって試合終了のゴングへ。


マイジャッジ 36-36
公式ジャッジも36-36×3 

 

今年の新人王優勝候補に対し、先を行く宮崎がしっかりと立ちはだかった。
お互い粗削りなままデビュー、持ち得るセンスは抜群。
スタイルこそ大きく違えど、重なる部分が多くある二人に見えた。

これまで、コテンパンに負けた試合もあり、劣勢に死力を尽くして食い下がった試合あり。
絶体絶命に追い込まれた宮崎がドローにまで持ち込んだその力はそうして築かれたものだと感じる。

キャリア初期はカウンターセンスに優れた待ちの選手。
それが、ワンツーを磨き、自分から仕掛けられる選手になった。
この日、ワンツーのワンを外されて苦戦した宮崎は、初期の代名詞、カウンターで試合を盛り返した。
二つの異なるスタイルが融合し、宮崎が強さを増した。

修羅場も悔しい思いも、何度も経験してのB級昇格。
大きな大きなドラマを描いてC級を卒業した。
B級戦線も充分に戦い抜いて行けるだろうと思っている。


先を行く宮崎を、あと一歩まで追い詰めた古川。
「今年の中日本新人王優勝候補」。
より強くそう思わせてくれた。

勝ちにすがったクリンチも、勝利に対する一途な行為。
勝ちたい思いも、強靭な肉体もある。
あとは一つ一つ強くなっていくだけ。
この日の経験が、きっと古川をより強くすると思っている。

 

【ミニマム級6回戦】
石垣 芙季(UNITED) vs 宮澤 蓮斗(松田)

石垣 芙季 9戦4勝(2KO)5敗
宮澤 蓮斗 6戦4勝(1KO)2敗

 

詰める石垣をジャブで串刺しにしていく宮澤。
距離が縮まれば強烈にフックを引っ掛ける。
石垣も被弾しながら、ボディ、左フックで捉える場面を見せる。

左で制していた宮澤だったが、2R後半には石垣が捕まえ始める。
ボディから顔面へ…詰めて連打を叩き込む。
試合は足を使いながら回転とカウンターで応戦する宮澤と
詰めてボディから切り崩す石垣の構図となる。

4Rには石垣がコーナーに詰めて強烈な連打を叩き込むが
5R、距離を縮めて応戦した宮澤がファイター石垣と互角の撃ち合いを見せながら
右ストレートを強烈にヒットさせる。

拮抗した試合、詰めて手数を出してくる石垣のパンチをいなしながら
合間を縫うようにパンチを差し込んで行く宮澤。
最終ラウンド、左ボディを痛烈に突き刺すと一気のラッシュで一気に攻勢へ。
石垣も苦しそうに耐えながら手を返すが盛り返すには至らず。
試合は終了のゴングへ。


マイジャッジは57-57。

公式ジャッジ58-56、59-55、57-57の2-0
勝者:宮澤

 

スピードで上回るハイセンスの宮澤をファイター石垣が苦しめた試合。
愚直な前進と手数、足運びでしっかりとプレスをかけ、石垣が自身の土俵に引きずり込んだ。
ただし、巻き込まれたように見えたファイトでも、巧みな位置取りと強弱で対抗し
最終ラウンドにはボディブローから一気のラッシュで石垣を突き放した。
このボディが勝負を決定づけたようにも感じる。

一つ掛け違えれば白黒入れ替わる、紙一重の試合だったようにも思える。
こういった試合を勝ち切る強さを見せた宮澤。
そして、強い宮澤を追い詰めてみせた石垣。
これでB級3連敗とはなったが、その強さをしっかりと刈谷に刻みつけてくれたと思う。

 

 
 

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