2018/8/5 -刈谷あいおいホール- 7試合目、8試合目(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ！
【スーパーライト級４回戦】
近藤 裕真(畑中) vs 冨田 雅季雄(三津山)
近藤 裕真 4戦2勝(2KO)1敗1分
冨田 雅季雄 4戦2勝(2KO)2敗 サウスポー
1R、当て感良く強烈に捉えていく近藤。
冨田の重いパンチも、しっかりとガードしながらほぼ一方的に撃ち込んでいく。
ラウンド中盤、近藤が右フックを強烈に効かせると、そのまま右フックを3連打。
テンプルを襲ってしっかりと冨田にダメージを与える。
ラウンド終了直前、冨田が強烈な右アッパーを叩き込んで近藤が一瞬フリーズ。
しかし、近藤は直後の右フックで冨田にたたらを踏ませてしっかりと反撃。
2R、冨田の出すパンチ出すパンチに合わせてパンチを差し込み顔面を跳ね上げる近藤。
ラウンド中盤、もらってももらっても退かない冨田が、
近藤をコーナーに追い詰めて強烈に拳を叩き込む。
当てるパンチの数では、近藤が上回る。
3R開始直後…冨田が右フック一閃。
近藤がリングに沈み込む…冨田の逆転の一撃。
立ち上がった近藤だが、かなりのダメージで足元がおぼつかない。
再開された試合、この試合もまた激闘になる。
近藤は反撃しながら、なんとかラウンド終了のゴング。
4R開始とともに一気に攻めていく近藤。
マイジャッジはここまでドロー。
このラウンドで勝負が決まりそうな展開。
左目のバッティングの傷でドクターチェック…ここは再開となる。
ポジションを変えながら撃ち合っていく近藤に対して
ひたすら前進しながら撃っていく冨田。
このラウンド、はっきりとどちらかに流れることなく終了のゴング。
マイジャッジ 38-37 近藤
公式ジャッジが発表される。
38-37 冨田
38-37 近藤
割れた…どちらもあり得る…どう転ぶか。
38-37
2-1
勝者：冨田
昨年、中日本・西部日本新人王対抗戦で開始直後の一撃に泣いた近藤。
この試合もまた、一撃に泣く。
明らかにリードしていた展開で、たった一つのパンチで流れを持っていかれた。
力は持っている選手…これで戦績イーブンだが、この先を切り開いて欲しいと感じる。
冨田はとにかくタフだった。
何度も何度も強烈にパンチを浴びながら…逆転の一撃に繋げた。
前半2Rを圧倒的に上回られながら、気持ちを切ることなく。
昨年末、「もらってはいけない一撃」をもらって敗れた冨田。
その怖さを知り、この試合では逆にその一撃を浴びせた形。
あの負けから9カ月…この選手もまた色の濃いボクシングロードを背景に勝ち上がった。
12月のあの日、冨田がもし勝っていたら…この試合を勝ち抜けただろうか。
今年33歳になる男が、その強さを増している。
さらなる強豪に立ち向かえ、俺たちの中日本新人王。
【ウェルター級４回戦】
松井 敦史(薬師寺) vs 廣中 大介(とよはし)
松井 敦史 1戦1勝(1KO)
廣中 大介 1戦1勝(1KO)
1R、前に出て行く圧力型のファイター廣中。
一気に攻めていきたいが松井はしっかりディフェンスしながら迎え撃ち、廣中の回転は思うように上がらない。
インファイトになった試合、松井は左ボディをめり込ませて顔面に右を返す。
これが効いてしまった廣中…松井はここを逃さず一気のラッシュ。
廣中は耐えようと踏ん張るが…松井の止まらないラッシュに潰れるようにダウン。
再開後も一方的に撃ち込まれ、ここでレフリーがストップ。
TKOタイムは1R 2分4秒
廣中は前戦で見せた猛烈な圧力と手数を見せることができず。
松井の巧さに攻撃力を削がれてしまった。
並みの相手なら飲み込んでしまえる選手…早い段階で壁に当たったことを幸運に変えて欲しい。
デビュー2戦目、この時期の選手は1年もあればガラッと様変わりする。
来年の新人王…どんな姿で現れるだろうか。
輝きを放ったデビュー戦から、一気に叩き落された2戦目。
このギャップが選手を強くしてくれることを願う。
松井、32才での中日本新人王。
遅いプロデビューも、数年で燃え尽きるつもりらしい。
ぐっと凝縮された道を歩いてくれることだろう。
この2戦、圧倒的に勝利してきた。
新人王同士の戦いを繰り広げる今後…戦いのグレードは上がるだろう。
窮地に陥った松井も、すべてを出し切るような松井もまだ見たことはない。
より強い相手達と激戦を重ねて…叶うことなら全日本の称号を得て帰ってきて欲しい。
この選手もまた、勝ち上がっていく姿を期待できる選手だと思っている。
これで今年の中日本新人王が出揃った。
選手たちは9/30の鹿児島で、西部日本新人王と対戦する。
中にはエントリー1名での獲得選手もいる。
しかし、そんなことは関係なく、中日本新人王の肩書を背負う以上、
相応の期待を背負って欲しいと思う。
我らが中日本の代表たち。
称号そのものが期待を背負った証となる。
今年、中日本でこの選手たちを見るのはほぼほぼ最後になるだろう。
勝ってくれ…その思いで送り出し、凱旋を待つ。
今年の中日本新人王戦のストーリーはここで完結。
その後のストーリーは遠く離れた場所で、吉報を待つこととなる。
…我慢できずに行っちゃわない限りは。
試合後、また様々なファンと言葉を交わし、飲みの席へ。
9/24に名古屋でセットされた田中 恒成(畑中)vs木村 翔(青木)が話題の中心。
なんだかとてもいい酒を飲んだ。
飲めない自分がサクサク飲んでしまい、かなり酔っ払っての帰宅。
激戦続きだった今年の新人王決勝。
中野が酸素を求めて大きく呼吸する姿が脳裏によみがえる。
明日も頑張ろう…飲み過ぎの頭痛の最中、そんな風に思う。
いい試合を見た。
いい選手を見た。
そして、選手が成長するドラマを見た。
今年は…中日本全員が全日本新人王を獲る！
そう信じて待つ。
ここまで来たら、贔屓目なしになんて見られない。
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