負け続ける男 ヘルマン・アーロン・コタ(メキシコ) 選手名鑑ピックアップ! 2015/10/06

負け続ける男 ヘルマン・アーロン・コタ(メキシコ) 選手名鑑ピックアップ! 2015/10/06
 
 
 

さてさて、選手名鑑ピックアップ!第2回はヘルマン・アーロン・コタ。
ヘルマン・コタとかヘルマン・アーロン・コッタ、ヘルマン・コッタなんて表記されることもあります。

誰だそれ?…なってしまうボクシングマニアのみなさん…

それもそのはず、この選手、全くの無名選手なんです。
なんせ30戦以上して1度も勝ったことが無いんです。
これはこれで凄い戦績ですよね。
…というわけでピックアップです。

戦績は32戦29敗3分
詳細はこちら
ヘルマン・アーロン・コタ(メキシコ)

もうどの試合を紹介しようと負け!負け!負け!
そこで引き分けの3試合を見てみると…
んん?マリオ・ロドリゲス(メキシコ)?これ、のちのIBF世界ミニマム級世界チャンピオンですよ?
2R負傷判定で引き分け。ちょっとトラブルで引き分けになってしまった…って試合っぽいですね。

他にも、先日紹介したライトフライ級世界王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)
世界ランキングに名前を連ねる強豪がゾロゾロ…。
30戦以上戦っていますが、そのうち再戦が10試合…。
ゲバラは3戦やってます。

もう、戦績見た瞬間から頭にちらついたあれです。
解りやすいほどの噛ませ犬専門。

やっぱり、海外にはまだまだこういう選手がいるんですね…。
何かと批判されがちな”噛ませ犬”という風習ですが、僕は必要だと思いますよこういう選手。

ボクシングってね、1回の負けが大きくその後に影響してくるんですね。
だから選手は負けられない。必死なんです。
そこがボクシングの大きな魅力だと思ってて、1つの勝ち負けに執着する力って凄いじゃないですか。
次勝てばいいや…なんて選手は国内ランクにも入ってない選手くらいで、
上に行けばいくほど…その力は凄まじい。

噛ませ犬ってその副作用だと思うんです。

プロモートする側も選手のキャリアに傷がつかないように必死だし、
1度負けたあとの再起戦で負ける(つまり2連敗する)ようなら、
世界王者への道なんて簡単に閉じる、少なくとも数年遠回り…なんてことが起こる。
だからこそ、噛ませ犬を使ってでもキャリアに傷をつけないよう必死でベルトへの道を作る。

そりゃね、噛ませ犬なんかと戦わずに強い選手を選んで勝って…が一番かっこいいと思うけど、
強い選手どれだけいるんだと…、世界戦のチャンスがいったい何回あるんだと…。
世界のベルトが4本、でもだいたい1本くらいは交渉が長引いたりなんだかんだで動きが止まってて、
残り3本が年1回~3回の防衛戦。
世界戦って各階級多く見積もっても年間7、8試合くらいでしょうか?少ないと2、3試合…。
チャンピオンサイドは元世界チャンピオンや、他階級のビッグネームと試合した方がお金になるし、
できれば名前のない初挑戦の選手は、後回しにしたいでしょうし。
競技寿命が短いボクシング…昔よりチャンスが増えたって言ったところで、
実力があっても世界戦に辿り着けない選手はいくらでもいるんです。
 

今、JBCは噛ませ犬との試合をできるだけ減らそうとしてますけど、
それはその気になればいつでも世界戦が組める財力があって成り立つ話でね。

負けてもお金積んで強い相手簡単に呼んでキャリアを回復できるし、
負けても挑戦権があるランキング15位以内なら何回でも世界チャンピオン呼ぶから大丈夫!
って感じがしちゃって…なえちゃうんですよね。
なんか1勝の価値が軽くなってるなぁ…って。

勝ちにこだわった結果なんで、ベルトへの道にこだわった結果なんで。
僕は受け入れたいと思うし、コタの存在があって、世界のベルトに辿り着いた選手もいると思うと…
コタ選手のレコードは一つ勲章かな…って思っちゃいます。

そんなところでまた明日。
 
 

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