2026/8/9 -愛知・津島市文化会館- 前置き(中日本ボクシング観戦記) ボクシング選手名鑑ピックアップ!
佐藤 夢月が決勝進出。
この日、試合会場に着いて最初の会話がこの内容だった。
世界二階級制覇王者、矢吹 正道(緑)の長女。
ジュニア拳闘大会に出続けた選手で思い入れの強い選手でもある。
高校ボクシングは現在、インターハイの真っ最中。
高校生になったばかりの1年生が国際大会も経験した3年生を破っての快挙だ。
この時期の年代差は大きいもの、
1年生でインターハイを制すればその後を無双する可能性も高い。
もちろん決勝も強敵、簡単にはいかない。
この大会で市野 愛龍も決勝進出を決めてる。
市野ジムの市野 将士(鈴鹿ニイミ)の長男。
九州の強豪、日章学園に進学したが、
既に国際大会まで出ている弟の市野 獅龍に知名度を追い越されているとも感じる。
高校生だろうが、リングの中は実力社会。
今は教育界の中では否定的ともなりつつある、比べっこの対象となる。
下の世代で中学生の弟がグングンと知名度を上げていく中、
兄は高校ボクシングで苦戦しつつも、最後の夏に全国制覇にあと一歩のところまで来た。
これまでも、これから先も…強い選手たちはゴロゴロといる。
それでも、続けていける選手は限られる。
新たな夢を見つけて、そちらを選ぶ選手もいる。
生存競争はボクシングの強さだけに限られない。
続けていればいい…わけでもない。
上の選手たちがリングを離れても、横入りしてくる選手たちもいる。
キックボクシングなどの他競技から、他のスポーツで鍛え上げてきた選手、
さらには叩き上げと呼ばれる、競技経験なしから…。
どこまで行っても、新たな強い選手が飛び込んでくる。
強くなり続けることは延々と課されていく。
今、目の前の強敵に向かっていく。
それはプロもアマもマスターズも同じだ。
今でこそだいぶ減ったが、アマチュア実績が豊富な、いわばアマエリートが
なんだか「ずるい」といった印象で捉えられることがある。
C級をスキップして、B級ライセンスからのキャリア。
さらに有望選手は、プロの水に慣れるまで、勝負の試合を控えることもある。
プロ4回戦からやって来た選手、それを応援してきたファンからすればまさに横入りだ。
ただし、そういった選手たちは、アマチュアの熾烈な競争を戦ってのその立ち位置でもある。
デビューして来た時点で「この選手に世界を獲らせたい」と思う人間がたくさんいる。
だからこその特別なルートでもあったりする。
そもそも、ボクサーと言うのはプロテストの
段階から「周りをその気にさせる」ことを求められる。
資格試験のように、自分にその気があって受験料を払えば合格できるわけではない。
ジムの会長が受けてもいい、受けさせたいと思わなければ受験さえかなわない。
「周りをその気にさせる」ことは常にプロに求められるもの。
プロテストに合格した後は、試合をさせたいと思わせなければならないし、
タイトルをやるにも、挑戦させたいと思わせなければならない。
プロのキャリアの中でそれをやるのか、
プロになる前にそれを構築してプロの世界へ来るのかの違いしかない。
アマの熾烈なリングの中で実績を積み、それ相応の道を準備してもらう。
ここにどれだけのものが費やされるのかを鑑みれば、
「ずるい」なんて感覚は消え失せるようにも思う。
アマチュアエリートになるために、その選手がどれだけ泥にまみれたか。
全国大会には出場するものの、そこで結果が出ず、辛酸に耐えての市野 愛龍の決勝。
そこには見てきた人たちが知る大きな物語が存在しているはずだ。
ここでいつもの前置き。
自分はファンではあるが、熱狂的なマニア程の肥えた目を持ってはいない。
自分より凄いと思えるファンはそこらじゅうに転がっている。
ここに書く内容に誤りが多分に含まれることもある。
先に言い訳をしておきたいわけではなく、そういうものだと言っておきたい。
同じ試合を見ていても、違う感想を持つファンもいるわけで…。
ここに書いたことが正解ではないと…。
それだけは認識した上で、読み進めていただきたい。
この日のメインは樫谷 樹歌(タイガーウイング)。
中京高校ボクシング部の同期達が、中部のホープとして華々しく戦う中、
悔しい負けも踏みながら、メインのリングを背負い、日本ユース王座まで辿り着いた。
全戦全勝の無敗ホープ…といった形ではなくとも、少しずつ、着実に…。
世界ランキングに入る者も出てくる中、世代のトップとは言えない立ち位置。
それでも、樫谷が紡いできた見てきた人たちを熱中させる物語がある。
樫谷は現時点「最強」ではない。
それでも樫谷じゃなければダメなファンたちが多くいる。
日本ユース王者として初めての試合。
チャンピオンが堂々と津島のメインを張る。
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